LESSON 01

比較と対比

比較と対比:複数段落・入試で統合する

複数段落の論説文で、対比の相手と観点の指摘、違いの記述、筆者の立場の判定を入試形式で解き、比較・対比の読み取りを本番で使える形にまとめます。

比較と対比:複数段落・入試で統合する

このレッスンの役割

ここは「比較と対比」の出口です。見分け方、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数段落の論説文と入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、対比の相手と観点を指摘し、違いを「Aは〜が、Bは〜」で記述し、筆者の立場を判定することです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

比較・対比は、三つの形で出ます。

  1. 相手と観点の指摘:「──線部は何と何を、どの点で比べているか」
  2. 違いの記述:「AとBの違いを〜字以内で説明せよ」
  3. 立場の判定:「筆者はAとBのどちらを重く見ているか。その理由とともに答えよ」

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

昔の町には、肉屋、魚屋、八百屋が別々にあった。買い物には時間がかかり、店ごとに会話が生まれた。店主は客の好みを覚えていて、「今日はいいのが入ったよ」と声をかけた。

今の町には、何でもそろうスーパーがある。買い物は一か所で済み、短時間で終わる。レジでは言葉を交わさなくても買い物ができる。

確かに、スーパーの便利さは手放せない。しかし、買い物が「物を手に入れる」だけの行為になったとき、町から失われたものがある。それは、人と人とが顔を合わせる機会だ。

問1

第一段落と第二段落は、何と何を比べているか。

問2

二つの段落が比べている観点を二つ答えなさい。

問3

昔の町と今の町の買い物の違いを、「会話」の観点から「昔は〜が、今は〜」の形で四十字以内で説明しなさい。

問4

筆者はどちらの買い物を重く見ているか。理由とともに答えなさい。

答えと判断

問1

昔の町の買い物(別々の店)と、今の町の買い物(スーパー)。段落ごとに「昔の町には」「今の町には」と同じ形で始まっている。

問2

時間(買い物にかかる時間)と、会話(店の人との言葉のやりとり)。「時間がかかり」⇔「短時間で終わる」、「会話が生まれた」⇔「言葉を交わさなくても」。

問3

「昔は店ごとに店主との会話が生まれたが、今は言葉を交わさずに買い物ができる。」(三十八字)。同じ観点(会話)で横一行に組む。

問4

昔の買い物。「確かに、スーパーの便利さは手放せない」は譲歩で、「しかし」の後に「失われたものがある」「人と人とが顔を合わせる機会」と、昔の買い物にあったものを惜しんでいるから。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1で「肉屋と魚屋」 相手の取り違え 関係の取り違えを直す(型①)
問3で「昔は時間がかかったが、今は言葉を交わさない」 観点のずれ 関係の取り違えを直す(型②)
問3で「昔は会話が生まれた」だけ 片側だけの説明 関係の取り違えを直す(型③)
問4で「今の買い物(便利だから)」 「確かに」を立場と読んだ 関係の取り違えを直す(型④)

対比の表

観点 昔の町 今の町
店 別々の店 一か所のスーパー
時間 かかる 短い
会話 店主と生まれる 交わさなくてよい
筆者の評価 人と顔を合わせる機会(失われたもの) 便利(譲歩)

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
相手は同じ形の段落・文の主語か 昔の町⇔今の町
観点は表の行になっているか 時間、会話
違いは「Aは〜が、Bは〜」で同じ行か 会話⇔会話
立場は「しかし」の後か 失われたもの
「確かに」を立場にしていないか 便利さは譲歩

よくある間違い

段落の中の小さな対比を大きな対比と取り違える

「肉屋と魚屋」は列挙です。段落同士の「昔⇔今」が本題の対比。

指定された観点を無視する

「会話の観点から」と言われたら、時間の話は入れません。

譲歩の便利さを筆者の立場にする

「確かに〜手放せない」は相手に譲った部分です。「しかし」の後を立場にします。

自分で説明しよう

確認1:対比を整理する四段階

相手を二つ決める、観点を見つける、表に入れる、筆者の立場を確かめる。

確認2:「確かに〜。しかし〜」の構造で立場はどこですか

「しかし」の後。「確かに」の中身は譲歩。

確認3:違いの記述で、観点をそろえるとはどういうことですか

表の同じ行のAとBを組む(会話⇔会話、時間⇔時間)。

セクションの出口

複数段落の論説文で、対比の相手と観点を指摘し、同じ観点で違いを記述し、「しかし」の後から筆者の立場を判定できたら完了です。

次のセクション「並列・添加・選択」では、情報を横に並べる関係を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:比較と対比を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「昔の町には肉屋、魚屋、八百屋があった」「今の町にはスーパーがある」の二つの段落が比べているものはどれですか。
  2. 設問 1
    「会話の観点から違いを説明せよ」で入れてはいけないものはどれですか。
  3. 設問 2
    「確かに、スーパーの便利さは手放せない。しかし、町から失われたものがある」で筆者が重く見ているのはどちらですか。
  4. 設問 3
    段落の中の「肉屋、魚屋、八百屋」の関係はどれですか。
  5. 設問 4
    対比の記述で「観点をそろえる」とはどういうことですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。