段落同士の関係:関係の取り違えを直す
このレッスンの役割
段落の関係の取り違えは、具体例の段落を主張と読む、隣り合う段落を機械的に因果と読む、意味段落の区切りを形式段落の数で決める、という形で現れます。ここでは、よく起きる誤りを四つの型に分け、直します。
今回の中心技能は、誤答を見て「中心文を取り違えた」「具体例の段落を柱にした」「順番だけで関係を決めた」「区切りを誤った」のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「【四】たとえば、失恋した人が恋愛小説を読んで泣くのは、自分の悲しみを物語に重ねているのである」を、文章の主張の段落だと答えた人がいます。どこで誤ったのでしょうか。
段落頭の「たとえば」は具体例の合図です。「〜のである」で終わっていても、三の「感情を整理できる」を支える例です。具体例の段落を柱と見なした、型②です。
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 中心文の取り違え | 具体例や補足の文を中心文にする | 「パンや麺を主食にする家庭が増えた」を中心文に | 段落の内容を一文で表す文を選ぶ |
| ② 具体例の段落を柱にする | 「たとえば」の段落を主張と読む | 四が主張 | 段落頭の合図で役割を決める |
| ③ 順番だけで関係を決める | 隣り合う段落を因果と読む | 二→三(二が三の原因) | 中心文同士で関係を確かめる |
| ④ 区切りの誤り | 形式段落の数で三等分 | 五段落を二・二・一に | 役割(序論・本論・結論)で分ける |
型①を直す:中心文の選び方
| 段落二の文 | 役割 |
|---|---|
| 原因の一つは、食事の洋風化だ | 中心文(段落の内容を一文で) |
| パンや麺を主食にする家庭が増えた | 具体(中心文の説明) |
「原因の一つは」のように段落の役割を示す語がある文が中心文。具体的な名詞(パン、麺)が多い文は説明です。
型②を直す:段落頭の合図
| 段落頭 | 役割 | 柱か |
|---|---|---|
| 一つには、第一に | 答え・根拠 | 柱 |
| たとえば | 具体例 | 材料 |
| このように、つまり | まとめ | 柱(結論) |
| しかし | 転換 | 柱(本論の中心) |
型③を直す:中心文で確かめる
| 段落 | 中心文 | 二→三は因果か |
|---|---|---|
| 二 | 他人の人生を体験できる | 「体験できるから感情を整理できる」は通らない |
| 三 | 感情を整理できる | 二と三は並列(一つには/もう一つには) |
隣り合っていても、因果とは限りません。中心文同士で因果テストをします。
型④を直す:役割で分ける
| 誤り | 直し |
|---|---|
| 一・二/三・四/五(数で) | 一/二〜四/五(役割で) |
序論は問いか話題、本論は根拠・例・転換、結論はまとめ・答え。長さは不均等で構いません。
例題:どの型か
「米の消費減」の文章で、第二段落と第三段落の関係を「第二段落の結果が第三段落」と答えた。
型③。「一つは〜もう一つは」で並列。どちらも第一段落への原因。
「物語」の文章を「一・二/三・四/五」に分けた。
型④。四は三の具体例なので三と同じ意味段落。正しくは「一/二〜四/五」。
よくある間違い
「〜のである」で終わる文を必ず中心文にする
具体例の段落にも「〜のである」はあります。段落頭の合図と合わせて判断します。
隣の段落は必ず関係が深いと思う
並列の段落は互いに独立です。関係は中心文同士で確かめます。
意味段落を均等に分ける
役割で分けます。結論が一段落だけのことはよくあります。
自分で確かめよう
確認1:「たとえば」の段落を主張と読んだ誤りの型と直し方
型②。段落頭の合図で役割を決める(具体例=材料)。
確認2:隣り合う段落が因果かどうかを確かめる方法
中心文同士で因果テスト(AがなければBは起きないか)。
確認3:意味段落は何で分けますか
役割(序論・本論・結論)。形式段落の数ではない。
まとめと次の一歩
誤りは、中心文の取り違え、具体例の段落を柱にする、順番だけで関係を決める、区切りの誤り、の四つに分けられます。中心文の選び方、段落頭の合図、中心文同士の確かめ、役割で分ける、で直せます。
次のレッスンでは、入試形式の構成問題で、段落の関係の読み取りを通して使います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。