接続語が示す関係:複数段落・入試で統合する
このレッスンの役割
ここは「接続語が示す関係」の出口です。対応表、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数段落の論説文と入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、空欄に接続語を補い、段落同士の関係を判定し、「しかし」「つまり」を手掛かりに主張を抜き出すことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
接続語は、三つの形で出ます。
- 空欄補充:「空欄に入る語として最も適切なものを選べ」
- 段落の関係:「第三段落は第二段落に対してどのような役割か」
- 主張の抜き出し:「筆者の主張を一文で抜き出せ」(「しかし」「つまり」の後)
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
便利な道具が増えると、人は楽になる。( A )、洗濯機は手洗いの時間をなくし、自動車は徒歩の時間をなくした。
( B )、楽になった分の時間が、別の忙しさで埋まっていくことも多い。空いた時間に新しい仕事や用事が入り、結局、以前より忙しくなったと感じる人もいる。
確かに、道具そのものに責任はない。( C )、時間が空いたときに何をするかを決めるのは、道具ではなく人だからだ。
( D )、便利さを本当に生かすには、空いた時間の使い方を自分で決める姿勢が必要なのである。
問1
空欄A〜Dに入る接続語を、次から選びなさい。ア しかし イ たとえば ウ つまり エ なぜなら
問2
第二段落は、第一段落に対してどのような役割を果たしているか。
問3
筆者の主張を一文で抜き出しなさい。
問4
「確かに、道具そのものに責任はない」は、筆者の主張か、譲歩か。
答えと判断
問1
A イ(たとえば:洗濯機・自動車は「楽になる」の具体例)。B ア(しかし:楽になる ⇔ 忙しくなる)。C エ(なぜなら:「責任はない」の理由、文末「からだ」)。D ウ(つまり:全体のまとめ)。
問2
第一段落の内容(便利で楽になる)に対して、反対の面(かえって忙しくなる)を示し、本論へ転換する役割。段落頭の「しかし」が合図。
問3
「便利さを本当に生かすには、空いた時間の使い方を自分で決める姿勢が必要なのである。」「つまり」の後、「必要なのである」で結ぶ最終文。
問4
譲歩。「確かに」で相手の見方を認めている。ただし、ここでは「しかし」で否定されず、「なぜなら」で理由づけされて主張の一部に取り込まれている。筆者はこれを認めたうえで「だから人が決める」と進んでいる。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| Bに「だから」 | 前後を読まずに選んだ | 関係の取り違えを直す(型②) |
| Cに「たとえば」 | 文末「からだ」を見ていない | 二つの情報を正しく分ける |
| 問3で「洗濯機は手洗いの時間をなくし〜」 | 「たとえば」の後を主張にした | 関係を矢印で表す(段階4) |
| 問4で「主張」とだけ | 「確かに」の譲歩を見落とした | 関係の取り違えを直す(型③) |
段落の骨組み
| 段落 | 頭の接続語 | 役割 | 記号 |
|---|---|---|---|
| 1 | (なし)+たとえば | 一般論+具体例 | 話題 ←例 |
| 2 | しかし | 反対の面(本論へ) | ⇔ |
| 3 | 確かに+なぜなら | 譲歩+理由 | 譲歩 ←理由 |
| 4 | つまり | まとめ(主張) | = |
線を引く場所:第二段落の頭、第四段落全体。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 空欄の前後両方を読んだか | 関係を決めてから選ぶ |
| 文末が「からだ」なら「なぜなら」か | 理由の合図 |
| 主張は「つまり」「しかし」の後か | 最終段落 |
| 「たとえば」の後を主張にしていないか | 具体例 |
| 「確かに」を譲歩と読んだか | 相手に認める部分 |
よくある間違い
空欄の選択肢を一つずつ当てはめて読み直す
先に前後の関係を決めれば、当てはめなくても選べます。
段落の役割を内容だけで答える
「反対の面を示す」だけでなく、「本論へ転換する」という文章全体の中での役割まで答えます。
「確かに」の段落を無視する
譲歩は主張の一部に取り込まれることもあります。「しかし」で否定されるか、「なぜなら」で支えられるかを見ます。
自分で説明しよう
確認1:段落の骨組みを図にする四段階
接続語に印、記号にする、文をつなぐ、「しかし」「つまり」の後に線。
確認2:段落頭の「しかし」が示す段落の役割
前の段落と反対の面を示し、本論へ転換する。
確認3:空欄に接続語を入れる手順
前の内容、後の内容を一言で言い、関係を決めてから、その関係の接続語を選ぶ。
セクションの出口
複数段落の論説文で、空欄に接続語を補い、段落頭の接続語から段落の役割を言い、「つまり」の後から主張を抜き出せたら完了です。
次のセクション「指示語が指す内容」では、「これ」「それ」「この〜」が指す内容を正しく置き換える方法を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。