文章と図表の情報をつなごう:関係を矢印で表す
このレッスンの役割
前のレッスンで、図表の読み取りの基本と本文との関係の種類を知りました。ここでは、本文の記述と図表の数値を一つずつ対応させる手順を一つに決めます。対応表ができれば、「本文と図表の両方から分かること」も「図表からは読み取れないこと」も機械的に判定できます。
今回の中心技能は、「図表の五項目を埋める → 本文の図表に関する文に印をつける → 記述と数値を一対一で対応させる → 対応しない部分を記録する」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
【本文】スマートフォンの利用時間は、年々増えている。特に十代の増加が大きく、一日三時間を超える人が半数以上になった。一方で、利用時間と学力の関係は、この調査からは分からない。
【表】一日三時間以上利用する人の割合(%):十代 2015年 28、2020年 55。二十代 2015年 31、2020年 42。
手順で対応させます。五項目:題は「三時間以上利用の割合」、項目は年代と年、単位は%、最大は十代2020年の55、変化は十代+27、二十代+11。印:「年々増えている」「十代の増加が大きく」「半数以上」「学力の関係は分からない」。対応:増えている⇔両年代とも増、十代が大きい⇔+27と+11、半数以上⇔55%。対応しない:「学力」は表にない(本文自身が「分からない」と限定)。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 図表の五項目を埋める | 題・項目・単位・最大最小・変化 |
| 2 | 本文の図表に関する文に印 | 増えている、十代、半数以上、学力 |
| 3 | 記述と数値を一対一で対応 | 下の表 |
| 4 | 対応しない部分を記録 | 学力は表にない |
段階3:対応表
| 本文の記述 | 図表の数値 | 対応 |
|---|---|---|
| 年々増えている | 十代28→55、二十代31→42 | ○ |
| 十代の増加が大きい | +27(十代)>+11(二十代) | ○ |
| 半数以上 | 55% | ○ |
| 学力との関係 | (なし) | ×(本文も「分からない」) |
段階2:印をつける文の合図
| 合図 | 例 |
|---|---|
| 図・表・グラフを指す語 | 図1を見ると、表に示したように |
| 数値・割合・倍 | 半数以上、二倍、三割 |
| 変化の語 | 増えている、減少、横ばい |
| 比較の語 | 特に、最も、〜より |
これらの文は、図表と対応させる候補です。
段階4:対応しない部分の種類
| 種類 | 例 | 設問での扱い |
|---|---|---|
| 本文にあって図表にない | 原因、評価、学力 | 「図表からは読み取れない」の答え |
| 図表にあって本文にない | 二十代の数値 | 「図表から新たに分かること」の答え |
| 本文と図表が合わない | 本文「半数」、図「42%」 | 「本文の誤り」や「別の年代」を疑う |
例題:図表から新たに分かること
本文は十代のことしか述べていませんが、表には二十代もあります。「図表から分かるが本文に書かれていないこと」は、「二十代も増えているが、十代ほどではない」。段階4の「図表にあって本文にない」から答えます。
設問の型と対応表の使い方
| 設問 | 見る欄 |
|---|---|
| 本文と図表の両方から分かること | 対応○の行 |
| 図表からは読み取れないこと | 本文にあって図表にない |
| 図表から新たに分かること | 図表にあって本文にない |
| 本文の記述を図表で確かめよ | 対応○の行の数値 |
よくある間違い
段階1を省いて本文から読み始める
図表の五項目を先に埋めないと、本文の「半数以上」がどの数値かが分かりません。
段階3で「増えている」を一つの数値に対応させる
変化は二つの数値の差です。28→55のように組で対応させます。
段階4を省く
対応しない部分こそ設問になります。必ず記録します。
自分で確かめよう
確認1:「十代の増加が大きい」に対応する図表の数値
十代+27(28→55)と二十代+11(31→42)の比較。
確認2:「図表からは読み取れないこと」は対応表のどの欄から答えますか
本文にあって図表にない部分。
確認3:本文の「半数」と図の「42%」が合わないとき、どうしますか
別の年代・年の数値ではないかを疑い、題と項目を確かめる。
まとめと次の一歩
手順は、五項目を埋める、本文の文に印、一対一で対応、対応しない部分を記録、の四段階です。対応表の○の行と対応しない部分が、設問の型ごとの答えになります。
次のレッスンでは、本文と図表の対応でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。