時間・順序・変化:複数段落・入試で統合する
このレッスンの役割
ここは「時間・順序・変化」の出口です。見分け方、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数段落の文章と入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、出来事を起きた順に並べ替え、変化を前後の組で記述し、きっかけを指摘することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
時間の関係は、三つの形で出ます。
- 順序の並べ替え:「次の出来事を起きた順に並べよ」
- 変化の記述:「〜はどのように変化したか。〜字以内で説明せよ」
- きっかけの指摘:「〜が変わるきっかけとなった出来事を答えよ」
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
今、この町の図書館は、休日になると席が足りないほどにぎわっている。
十年前、図書館は閉館の危機にあった。利用者は一日に数十人で、本も古いものばかりだった。転機は、新しく赴任した館長が、地元の高校生に「どんな図書館なら来たいか」を尋ねたことだった。
高校生たちは、勉強できる席と、話してもよい部屋を求めた。館長はまず、閲覧室の半分を自習席に変えた。次に、会話のできる交流室を作った。翌年には、高校生が選んだ本の棚も置かれた。
利用者は三年で五倍になり、やがて大人も訪れるようになった。図書館は、本を借りる場所から、人が集まる場所へと変わったのである。
問1
次のア〜エを、起きた順に並べなさい。ア 交流室を作った イ 館長が高校生に尋ねた ウ 利用者が五倍になった エ 閲覧室の半分を自習席に変えた
問2
図書館はどのように変化したか。「以前は〜が、今は〜」の形で四十字以内で説明しなさい。
問3
図書館が変わるきっかけとなった出来事を、本文の言葉で答えなさい。
問4
「やがて大人も訪れるようになった」の「やがて」は、何の後のことか。
答えと判断
問1
イ ⇒ エ ⇒ ア ⇒ ウ。「転機は〜尋ねたこと」が最初、「まず」自習席、「次に」交流室、「三年で五倍」はその後。
問2
「以前は本を借りる場所だったが、今は人が集まる場所になった。」(三十字)。最終段落の「本を借りる場所から、人が集まる場所へ」が前後の組。利用者数で書いてもよい(一日数十人 ⇒ 席が足りないほど)。
問3
新しく赴任した館長が、地元の高校生に「どんな図書館なら来たいか」を尋ねたこと。「転機は〜ことだった」の直後。自習席や交流室は経過。
問4
利用者が三年で五倍になった後。「やがて」は直前の出来事の後を指す。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で第一段落の「にぎわっている」を最初にした | 書かれた順を起きた順と見なした | 関係の取り違えを直す(型①) |
| 問2で「人が集まる場所になった」だけ | 変化の前を落とした | 関係の取り違えを直す(型②) |
| 問3で「自習席に変えたこと」 | きっかけと経過の混同 | 関係の取り違えを直す(型④) |
| 問4で「館長が尋ねた後」 | 「やがて」の直前を見ていない | 関係を矢印で表す |
時間の表
| 時期 | 出来事 | 状態 |
|---|---|---|
| 十年前 | 閉館の危機 | 一日数十人、古い本 |
| 転機 | 館長が高校生に尋ねた | きっかけ |
| まず | 自習席 | 経過① |
| 次に | 交流室 | 経過② |
| 翌年 | 高校生が選んだ棚 | 経過③ |
| 三年で | 利用者五倍 | 結果① |
| やがて | 大人も訪れる | 結果② |
| 今 | 席が足りないほど | 後の状態 |
書かれた順は「今 → 十年前 → …」。第一段落の「今」は最も後です。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 冒頭の「今」を最後に置いたか | 書かれた順≠起きた順 |
| 変化は前と後の組か | 以前は〜が、今は〜 |
| きっかけは「転機は」「きっかけは」の直後か | 経過と区別 |
| 「まず」「次に」「翌年」で順序を確かめたか | 順序の合図 |
| 「やがて」の直前は何か | 直前の出来事の後 |
よくある間違い
冒頭の段落を時間の最初だと思う
冒頭は「今」から始まる文章が多いです。「十年前」で過去に戻ります。
経過の最初をきっかけと取り違える
「まず自習席」は経過の最初です。きっかけは「転機は」の直後。
変化を利用者数だけで答えて役割の変化を落とす
最終段落の「〜から〜へ」が筆者のまとめた変化です。設問の字数に応じて選びます。
自分で説明しよう
確認1:出来事を起きた順に並べる四段階
出来事を取り出す、時間の合図で並べ直す、前後の状態を組にする、きっかけを対応させる。
確認2:「転機は〜ことだった」の直後は何ですか
きっかけ(変化の最初の一点)。
確認3:「〜から〜へ」の形が表すもの
変化の前と後の組。
セクションの出口
複数段落の文章で、冒頭の「今」を最後に置いて出来事を並べ替え、変化を前後の組で記述し、きっかけを経過と区別できたら完了です。
次のセクション「条件と仮定」では、「もし〜なら」「〜すれば」で情報がつながる関係を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。