LESSON 01

比較と対比

比較と対比:関係を矢印で表す

相手を二つ決める、観点を見つける、各観点でAとBの内容を表に入れる、筆者の立場を確かめるという四段階で、対比を表に整理する手順を一行ずつ使います。

比較と対比:関係を矢印で表す

このレッスンの役割

前のレッスンで、比較と対比の見分け方を知りました。ここでは、文章の中の対比を表に整理する手順を一つに決めます。観点が複数あるとき、表にすると取りこぼしが消えます。

今回の中心技能は、「相手を二つ決める → 観点を見つける → 各観点でAとBの内容を入れる → 筆者の立場を確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

手紙は、書くのに時間がかかり、届くまでにも日数がかかる。しかし、その時間が、相手を思う気持ちを形にする。メールは、すぐに書けてすぐに届く。ただ、手軽さの分だけ、言葉が軽くなりやすい。

表に整理します。相手:手紙とメール。観点:速さ、気持ちの重さ。手紙は遅いが気持ちが形になる、メールは速いが言葉が軽い。筆者の立場:「しかし」の後と「ただ」の後が評価で、手紙を重く見ています。

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 相手を二つ決める 手紙 ⇔ メール
2 観点を見つける 速さ、気持ちの重さ
3 各観点でAとBの内容を表に入れる 下の表
4 筆者の立場を確かめる 手紙を重く見る(しかし、ただ)

段階3:対比の表

観点 手紙 メール
速さ 遅い 速い
気持ちの重さ 形になる 軽くなりやすい

表が埋まらない欄があれば、本文から探すか、「書かれていない」と記録します。

段階2:観点の見つけ方

手掛かり 例
同じ形の文の、違う部分 「時間がかかる」⇔「すぐに」→ 速さ
「〜の点で」「〜において」 速さの点では
評価語の対 重い⇔軽い、豊か⇔便利

観点は本文の言葉をそのまま使えないことが多く、自分で名づけます。「速さ」「気持ちの重さ」のように短い名詞にします。

段階4:立場の確かめ

手掛かり 今日の問い
「しかし」「ただ」の後 手紙の良さ、メールの弱さ
評価語 形にする(+)、軽くなりやすい(−)
配置 手紙の良さが「しかし」の後に強調

立場が読めたら、「筆者は手紙を重く見ている」と一行で書きます。

例題:観点が三つ

都会は仕事の選択肢が多く、交通も便利だ。しかし、家賃が高く、自然が少ない。地方は仕事が限られ、車がないと動けない。だが、家賃が安く、自然が近い。

観点 都会 地方
仕事 選択肢が多い 限られる
交通 便利 車が必要
家賃 高い 安い
自然 少ない 近い

四つの観点。立場は、「しかし」「だが」の後がどちらにもあるので中立に近い。

記述への応用

「AとBの違いを説明せよ」は、表の一行を文にします。「手紙は届くまでに時間がかかるが、メールはすぐに届くという違い。」観点を入れて「〜という点で」と書くと明確です。

よくある間違い

段階1で相手を一つしか置かない

対比は二つで一組です。片方が省略されていても、文脈から補います。

段階2で観点を本文の語で探す

観点は名づけるものです。見つからないときは「違う部分」に名前をつけます。

段階4で「しかし」の後をどちらか一方にしか見ない

両側に「しかし」があれば中立に近い。配置を全部見ます。

自分で確かめよう

確認1:「紙の本は重さで量が分かるが、電子書籍は変わらない」を四段階で

紙⇔電子 → 観点:重さで量が分かるか → 紙は分かる、電子は分からない → 立場は書かれていない(中立)。

確認2:観点を本文の語で探せないとき、どうしますか

違う部分に短い名詞で名前をつける。

確認3:「違いを説明せよ」の記述の形

「Aは〜だが、Bは〜という違い。」(観点を「〜という点で」で入れる)

まとめと次の一歩

手順は、相手を二つ決める、観点を見つける、表に入れる、立場を確かめる、の四段階です。観点は自分で名づけ、立場は「しかし」の後と評価語の配置で読みます。

次のレッスンでは、比較・対比でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:対比を表に整理する

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    対比を表に整理する四段階の段階2はどれですか。
  2. 設問 1
    「手紙は書くのに時間がかかる。メールはすぐに書ける」の観点として適切なものはどれですか。
  3. 設問 2
    観点が本文の語でそのまま見つからないとき、どうしますか。
  4. 設問 3
    「都会は便利だ。しかし家賃が高い。地方は不便だ。だが家賃が安い」の筆者の立場はどれですか。
  5. 設問 4
    「AとBの違いを説明せよ」の記述の形として適切なものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。