文章と図表の情報をつなごう:二つの情報を正しく分ける
このレッスンの役割
近年の入試では、本文にグラフや表が添えられ、「本文と図表の両方から分かること」を問う形が増えています。図表の情報と本文の情報を区別し、対応させる力が必要です。ここでは、図表の読み取りの基本と、本文との関係の種類をつかみます。
今回の中心技能は、図表から「数値・傾向」を取り出し、本文の「説明・主張」と区別できることです。目安時間は8分です。
今日の問い
【本文】日本の米の消費量は、長期的に減り続けている。
【図】一人あたりの年間米消費量(kg):1965年 112、1985年 75、2005年 61、2020年 51
本文は「減り続けている」という傾向の説明、図は年ごとの数値です。図から「1965年から2020年で半分以下になった」という具体的な事実が読めます。本文の主張を図が裏づけています。
図表の情報と本文の情報
| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| 図表の情報 | 数値、順位、変化の向き、差 | 112から51へ、半分以下 |
| 本文の情報 | 説明、原因、評価、主張 | 減り続けている、洋風化が原因 |
図表は「事実」、本文は「事実+意見」。図表からは意見は読めません。
図表の読み取りの五項目
| 項目 | 問い | 今日の問い |
|---|---|---|
| 題 | 何の図か | 一人あたり年間米消費量 |
| 項目 | 何と何が並ぶか | 年 |
| 単位 | 何で測るか | kg |
| 最大・最小 | どこが一番か | 1965年が最大、2020年が最小 |
| 変化・差 | 増えたか減ったか、どれだけ | 一貫して減少、61kg減 |
この五つを先に埋めると、設問に合わせて取り出せます。
本文と図表の関係の種類
| 関係 | 内容 | 合図 |
|---|---|---|
| 裏づけ | 本文の主張を図が支える | 図に示すように、グラフを見ると |
| 補足 | 本文にない情報を図が加える | 一方、図では |
| 矛盾・限界 | 本文の主張と図が合わない部分 | ただし、図からは〜は分からない |
設問「本文と図表から分かること」は、裏づけが基本。「図表からは読み取れないもの」は、本文の意見や図にない項目が答えになります。
例題:読み取れるか
図(1965〜2020年の米消費量)から読み取れるものはどれか。
| 選択肢 | 判定 |
|---|---|
| 消費量は一貫して減っている | ○(数値の向き) |
| 2020年は1965年の半分以下 | ○(51/112) |
| 減少の原因は食事の洋風化 | ×(原因は図にない) |
| 今後も減り続ける | ×(将来は図にない) |
原因・将来・評価は図からは読めません。
よくある間違い
図表に原因や評価が書いてあると思う
図表は数値だけです。原因・評価・将来は本文の情報。
題と単位を見ずに数値だけ読む
「一人あたり」と「全体」では意味が違います。題と単位を先に。
本文の主張を図表が「証明した」と言い切る
図は裏づけですが、本文の「原因」までは示しません。何を裏づけているかを限定します。
自分で確かめよう
確認1:図表から読めないもの三つ
原因、将来、評価(意見)。
確認2:図表の読み取りの五項目
題、項目、単位、最大・最小、変化・差。
確認3:「図に示すように」の後の本文と図の関係
裏づけ(本文の主張を図が支える)。
まとめと次の一歩
図表は数値・傾向の事実、本文は説明・主張です。五項目で図を読み、本文との関係を裏づけ・補足・矛盾のどれかで決めます。原因・将来・評価は図から読めません。
次のレッスンでは、本文の記述と図表の数値を一つずつ対応させる手順を一行ずつ使えるようにします。
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