条件と仮定:関係の取り違えを直す
このレッスンの役割
条件の取り違えは、仮定の帰結を本文の事実として選ぶ、条件の裏を言える気になる、反事実の中の後悔や批判を読み落とす、という形で現れます。ここでは、よく起きる誤りを四つの型に分け、直します。
今回の中心技能は、誤答を見て「帰結を事実と見なした」「条件の裏を言った」「反事実を読めなかった」「条件の一部だけで成り立つと見なした」のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「すべての人が自転車に乗れば、空気はきれいになるだろう。しかし現実にはできない」で、「本文から言えること」に「町の空気はきれいになる」を選んだ人がいます。どこで誤ったのでしょうか。
条件が成り立たないと本文が言っているのに、帰結を事実にしています。帰結を事実と見なす、型①です。
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 帰結を事実と見なす | 条件の確認を飛ばす | 空気はきれいになる | 段階3(成り立つか)を必ず通す |
| ② 条件の裏を言う | 「AならB」から「AでなければBでない」 | 雨が降らなければ中止でない | 裏は言えないと覚える |
| ③ 反事実を読めない | 「〜ていれば〜はずだ」を予想と読む | 父はこれから元気になる | 「はずだった」「のに」は反事実、事実を逆算 |
| ④ 条件の一部で成り立つと見なす | 「AかつB」のAだけ確かめる | 晴れて、かつ風がなければ飛ぶ → 晴れたから飛ぶ | 条件を全部数えて確かめる |
型①を直す:段階3の確認
| 帰結 | 条件 | 本文 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 空気はきれいになる | 全員が自転車 | 現実にはできない | 言えない |
| 補強が必要 | 一万台超 | 一万二千台 | 言える |
「〜だろう」「〜はずだ」の文を選択肢で見たら、条件に戻ります。
型②を直す:裏と対偶
| 元 | 言えるか |
|---|---|
| 雨が降れば中止(元) | ○ |
| 雨が降らなければ中止でない(裏) | ×(他の理由で中止もある) |
| 中止でなければ雨は降っていない(対偶) | ○ |
選択肢に裏が並ぶことが多いです。「〜でなければ〜でない」は疑います。
型③を直す:反事実の逆算
| 反事実 | 事実 | 読み取れる気持ち |
|---|---|---|
| 助言を聞いていれば元気だったはずだ | 聞かず、元気でない | 後悔 |
| 予算があれば図書館を建てられたのに | 予算がなく、建てられない | 不満・批判 |
| 私が鳥なら飛べるのに | 鳥でなく、飛べない | 願望 |
「のに」「はずだった」「だろうに」が合図。設問「筆者の気持ち」は、逆算した事実への気持ちです。
型④を直す:条件を数える
| 条件文 | 条件の数 | 確かめ |
|---|---|---|
| 晴れて、かつ風がなければ飛ぶ | 二 | 両方 |
| 雨か雪なら中止 | 二(どちらか) | 一方でよい |
| 一万台を超えれば | 一 | 一つ |
「かつ」「〜て〜なら」は両方、「か」「または」はどちらか。
例題:どの型か
「練習を毎日続ければ上達する」から「毎日続けなければ上達しない」を選んだ。
型②(裏)。たまに休んでも上達する人はいる。
「予算があれば図書館を建てられたのに」で、筆者はこれから図書館を建てると読んだ。
型③。「のに」は反事実。事実は「予算がなく建てられない」で、筆者は不満。
よくある間違い
「〜だろう」の文を本文の事実として選ぶ
条件つきの帰結です。条件が成り立つかを見ます。
「〜でなければ〜でない」を元の文と同じだと思う
裏です。言えません。
反事実を「これから起きること」と読む
「はずだった」「のに」は、起きなかったことへの気持ちです。
自分で確かめよう
確認1:「空気はきれいになる」を本文の事実として選んだ誤りの型と直し方
型①。条件(全員が自転車)が成り立つかを確かめる。本文は「できない」なので言えない。
確認2:「雨が降れば中止」から言えるものは、裏と対偶のどちらですか
対偶(中止でなければ雨は降っていない)。裏は言えない。
確認3:「予算があれば建てられたのに」から読み取れる事実と気持ち
予算がなく建てられなかった。不満・批判。
まとめと次の一歩
誤りは、帰結を事実と見なす、条件の裏を言う、反事実を読めない、条件の一部で成り立つと見なす、の四つに分けられます。段階3の確認、裏は言えない、反事実の逆算、条件を数える、で直せます。
次のレッスンでは、複数段落の論説文と入試形式の問題で、条件と仮定の読み取りを通して使います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。