段落同士の関係:関係を矢印で表す
このレッスンの役割
前のレッスンで、段落の関係の見分け方を知りました。ここでは、文章全体を段落の図にして、序論・本論・結論の構成を読む手順を一つに決めます。「本文を三つの意味段落に分けよ」「第三段落の役割を答えよ」は、この図で解けます。
今回の中心技能は、「中心文を取り出す → 段落頭の合図で関係を記号にする → 段落を図につなぐ → 序論・本論・結論に分ける」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
【一】なぜ、人は物語を読むのだろうか。
【二】一つには、他人の人生を体験できるからだ。自分が経験できない出来事を、登場人物を通して味わえる。
【三】もう一つには、感情を整理できるからだ。物語の中で怒りや悲しみを追体験することで、自分の感情に名前がつく。
【四】たとえば、失恋した人が恋愛小説を読んで泣くのは、自分の悲しみを物語に重ねているのである。
【五】このように、物語は、経験を広げ、感情を整える働きを持っている。だから、人は物語を読むのだ。
手順で図にします。中心文:一「なぜ読むか」、二「他人の人生を体験できる」、三「感情を整理できる」、四「失恋の例」、五「経験を広げ感情を整える。だから読む」。記号:一は問い、二+三は答え(並列)、四は三の具体(←)、五は全体のまとめ(=)で問いへの答え。構成:序論=一(問題提起)、本論=二〜四(答えと例)、結論=五。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 各段落の中心文を取り出す | 五つの中心文 |
| 2 | 段落頭の合図で関係を記号にする | 問、+、←、= |
| 3 | 段落を図につなぐ | 一(問)← 二+三(←四)=五(答) |
| 4 | 序論・本論・結論に分ける | 一/二〜四/五 |
段階1:中心文の位置
| 位置 | 合図 |
|---|---|
| 段落の最初 | 一般論、問い、主張の提示 |
| 段落の最後 | 「〜のである」「〜なのだ」でまとめ |
| 「つまり」「要するに」の後 | 段落内のまとめ |
残りの文は具体例・理由・補足です。中心文を一文選ぶ練習が、要約の基礎になります。
段階2:段落頭の合図と記号
| 段落頭 | 記号 | 関係 |
|---|---|---|
| 一つには、第一に、また | + | 並列 |
| たとえば | ← | 具体 |
| しかし、一方 | ⇔ | 対比・転換 |
| だから、そのため | → | 因果 |
| このように、つまり | = | まとめ |
| なぜ〜か | 問 | 問題提起 |
段階4:構成の型
| 型 | 序論 | 本論 | 結論 |
|---|---|---|---|
| 問題提起型 | 問い | 答えの根拠・例 | 答え |
| 主張先行型 | 主張 | 根拠・例 | 主張の再確認 |
| 対比型 | 話題 | A ⇔ B | 筆者の立場 |
| 変化型 | 昔 | 変化の経過 | 今・提案 |
今日の問いは問題提起型。「問い」の段落と「答え」の段落を線でつなぐと、文章の軸が見えます。
意味段落に分ける
「三つの意味段落に分けよ」は、段階4の区切りを答えます。
| 意味段落 | 形式段落 | 役割 |
|---|---|---|
| 序論 | 一 | 問題提起 |
| 本論 | 二〜四 | 答えの根拠と例 |
| 結論 | 五 | 答え |
本論の中で「しかし」で転換があれば、本論をさらに二つに分けることもあります。
よくある間違い
段階1で段落の一文目を機械的に中心文にする
「〜のである」で終わる最後の文が中心のこともあります。段落の内容を一文で表す文を選びます。
段階2で「たとえば」の段落を本論の柱にする
具体例の段落は、前の段落を支える材料です。柱は中心文の段落。
段階4で形式段落の数で機械的に三等分する
役割で分けます。序論が一段落、本論が三段落、結論が一段落でも構いません。
自分で確かめよう
確認1:中心文が置かれやすい位置を二つ
段落の最初、段落の最後(「〜のである」)。
確認2:問題提起型の文章で、線でつなぐ二つの段落
問いの段落と答えの段落。
確認3:「たとえば」で始まる段落の役割
前の段落の具体例(材料であって柱ではない)。
まとめと次の一歩
手順は、中心文を取り出す、合図で記号にする、図につなぐ、序論・本論・結論に分ける、の四段階です。構成の型を知っておくと、問いと答え、主張と根拠の位置が予測できます。
次のレッスンでは、段落の関係でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。