並列・添加・選択:複数段落・入試で統合する
このレッスンの役割
ここは「並列・添加・選択」の出口です。見分け方、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数段落の論説文と入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、並べられた項目を漏れなく列挙し、添加で強調された情報を指摘し、選択を正しく読むことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
並べる関係は、三つの形で出ます。
- 項目の列挙:「筆者が挙げている〜を三つ、本文の言葉で答えよ」
- 強調の指摘:「筆者が特に付け加えている点は何か」
- 段落の役割:「第二段落と第三段落はどのような関係か」(並列の段落)
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
地域の祭りには、いくつかの役割がある。
第一に、祭りは季節の節目を知らせる。田植えの前、収穫の後といった時期に行われ、人々の暮らしに区切りをつける。
第二に、祭りは世代をつなぐ。準備や練習を通して、年長者から若者へ技や作法が伝わる。
第三に、祭りは地域の外との接点になる。見物に来た人が町を知り、地元の人も外の目で町を見直す。
さらに、近年は防災の面でも注目されている。祭りで顔を合わせる関係が、災害時の助け合いの土台になるからだ。
祭りを続けるには、担い手を地域の中で育てるか、外から呼び込むか、どちらかの道を選ばなければならない。
問1
筆者が挙げている祭りの役割を、「第一に」から「第三に」の三つ、それぞれ十字以内で答えなさい。
問2
筆者が「さらに」で付け加えている役割は何か。また、その役割が注目される理由を本文から抜き出しなさい。
問3
第二段落から第四段落の関係として適切なものを選びなさい。ア 原因と結果 イ 対等に並ぶ ウ 具体と抽象 エ 対比
問4
最終段落で筆者が示している「担い手を確保する道」について、正しいものを選びなさい。ア 両方を同時に行う イ どちらか一方を選ぶ ウ どちらも行わない エ 外から呼び込むべきだ
答えと判断
問1
季節の節目を知らせる/世代をつなぐ/地域の外との接点になる。「第一に」「第二に」「第三に」の直後の文。
問2
防災の役割。理由:「祭りで顔を合わせる関係が、災害時の助け合いの土台になるからだ」。「さらに」は添加で、三つの外に上乗せした強調。理由は「からだ」の文。
問3
イ。「第一に」「第二に」「第三に」で対等に並べている(並列)。
問4
イ。「〜か、〜か、どちらかの道を選ばなければならない」は選択。両方ではなく一方。筆者はどちらとも言っていないのでエは誤り。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で二つしか書けない | 項目の取りこぼし | 関係の取り違えを直す(型①) |
| 問1に「防災」を入れた | 添加を並列に混ぜた(設問は三つ) | 関係の取り違えを直す(型③) |
| 問3でア | 並列を因果と取り違えた | 二つの情報を正しく分ける |
| 問4でア | 選択を並列と取り違えた | 関係の取り違えを直す(型④) |
並べる関係の表
| 段落 | 合図 | 関係 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 2 | 第一に | 並列① | 季節の節目 |
| 3 | 第二に | 並列② | 世代をつなぐ |
| 4 | 第三に | 並列③ | 外との接点 |
| 5 | さらに | 添加(強調) | 防災 |
| 6 | か、か、どちらか | 選択 | 育てる/呼び込む |
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 「第一に」〜「第三に」を全部拾ったか | 三つ |
| 「さらに」の後を設問に応じて入れたか外したか | 三つ、すべて、付け加え |
| 並列の段落を因果や対比と取り違えていないか | 同じ形の段落 |
| 「か、か」を一方として読んだか | どちらか |
| 選択で筆者の立場を勝手に決めていないか | 本文に書かれていない |
よくある間違い
「さらに」の後を「第四に」と同じに扱う
添加は三つの外に上乗せしたものです。設問の「三つ」には入れず、「付け加えている点」には答えます。
並列の段落に因果の矢印を引く
「第一に」「第二に」は横並びです。前が後の原因ではありません。
選択で筆者がどちらを勧めているかを想像で答える
本文に書かれていなければ、「どちらかを選ぶ」までが読み取れる内容です。
自分で説明しよう
確認1:並べられた情報を取り出す四段階
軸を決める、合図で切る、項目を一つずつ取り出す、記号をつけて数を確かめる。
確認2:「第一に、第二に、第三に。さらに〜」の「さらに」の役割
三つの外に上乗せした添加。筆者が付け加えて強調したい情報。
確認3:「AかBか、どちらかを選ぶ」で答えてよいもの
一方を選ぶ関係であること。筆者がどちらを選ぶかは本文になければ答えない。
セクションの出口
複数段落の論説文で、並列の項目を漏れなく列挙し、添加の強調を指摘し、選択を一方として読めたら完了です。
次のセクション「時間・順序・変化」では、情報が時間の流れに沿って並ぶ関係を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。