LESSON 01

具体と抽象

具体と抽象:関係を矢印で表す

抽象の文を決める、それを支える具体を集める、具体の共通点を言う、共通点が抽象と一致するか確かめるという四段階で、具体と抽象の対応を矢印で表す手順を一行ずつ使います。

具体と抽象:関係を矢印で表す

このレッスンの役割

前のレッスンで、具体と抽象の見分け方を知りました。ここでは、文章の中で抽象とそれを支える具体を対応させ、矢印で表す手順を一つに決めます。抽象の意味は、具体の共通点で決まります。

今回の中心技能は、「抽象の文を決める → 支える具体を集める → 具体の共通点を言う → 共通点が抽象と一致するか確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

彼は誠実な人だ。約束の時間には必ず来る。借りた物は翌日に返す。間違えたときはすぐに謝る。

「誠実」とはどういうことか、手順で決めます。抽象の文:誠実な人だ。具体:必ず来る、翌日に返す、すぐに謝る。共通点:当たり前のことをきちんと守る。一致:「誠実=当たり前のことをきちんと守る」で通ります。矢印は、誠実 ←(抽象←具体)← 三つの行動。

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 抽象の文を決める 誠実な人だ
2 支える具体を集める 必ず来る、翌日に返す、すぐに謝る
3 具体の共通点を言う 当たり前のことをきちんと守る
4 共通点が抽象と一致するか確かめる 誠実=きちんと守る → 一致

段階2:具体の集め方

場所 合図
抽象の直後 たとえば、具体的には
抽象の直前 〜。このように〜(抽象)
列挙 〜たり〜たり、〜や〜、〜も
段落の中の固有名詞・数字 合図なし

複数の具体を全部集めます。一つでは共通点が取れません。

段階3:共通点の取り方

具体 共通点の候補
必ず来る、翌日に返す、すぐに謝る 約束を守る?(謝るは約束ではない)→ 当たり前のことをきちんとする
描かない部分、止めた瞬間、言わない部分 何もしない部分が意味を持つ
声をかける、席をゆずる 困っている人を助ける

全部の具体に当てはまり、かつ他と区別できる言葉を選びます。

段階4:一致の確かめ

抽象 共通点 判定
誠実 当たり前のことをきちんと守る 一致
誠実 時間に正確 「謝る」に当てはまらない → 不一致(狭すぎ)
誠実 良い人 他の性質と区別できない → 不一致(広すぎ)

不一致なら、段階3の共通点を取り直します。

例題:逆方向(抽象→具体)

現代社会は情報過多だ。

具体が本文にないとき、自分で具体を置いて抽象の意味を確かめます。スマートフォンの通知、絶え間ないニュース、検索結果の多さ。共通点「必要以上に情報が多く処理しきれない」。これが「情報過多」の意味。

記述への応用

「〜とはどういうことか」は、抽象を具体の共通点で言い換える設問です。段階3の共通点が答えの骨組みになります。「誠実とはどういうことか」→「当たり前のことをきちんと守ること」。

よくある間違い

段階2で具体を一つしか集めない

共通点は二つ以上から取ります。

段階3で共通点を具体の一つで言う

「誠実=必ず来ること」は一つの例の写しです。全部に当てはまる言葉にします。

段階4を省く

共通点が狭すぎたり広すぎたりしても気づけません。一致を確かめます。

自分で確かめよう

確認1:「彼女は視野が広い。専門以外の本も読み、異なる世代の人とも話す」を四段階で

抽象:視野が広い → 具体:専門外の本、異世代の人 → 共通点:自分の範囲の外にも目を向ける → 一致。

確認2:共通点が「狭すぎる」とはどういう状態ですか

具体の一部にしか当てはまらない(時間に正確、など)。

確認3:本文に具体がない抽象語の意味を確かめる方法

自分で具体を置いて共通点を取る。

まとめと次の一歩

手順は、抽象の文を決める、具体を集める、共通点を言う、一致を確かめる、の四段階です。共通点は全部の具体に当てはまり他と区別できる言葉で、記述の骨組みになります。

次のレッスンでは、具体と抽象の対応でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:具体と抽象の対応

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「彼は誠実だ。必ず来る。翌日に返す。すぐに謝る」の具体の共通点として、ちょうどよいものはどれですか。
  2. 設問 1
    共通点が「狭すぎる」とはどういう状態ですか。
  3. 設問 2
    具体と抽象を対応させる四段階の段階3はどれですか。
  4. 設問 3
    本文に具体がない抽象語の意味を確かめる方法はどれですか。
  5. 設問 4
    「〜とはどういうことか」の記述の骨組みになるものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。