LESSON 01

情報を一つずつ取り出そう

情報を一つずつ取り出そう:複数段落・入試で統合する

複数段落の物語文で、登場人物ごとの行動を表に整理し、「誰が何をしたか」を問う入試形式の設問に答える型をまとめます。

情報を一つずつ取り出そう:複数段落・入試で統合する

このレッスンの役割

ここは「情報を一つずつ取り出そう」の出口です。情報の単位、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数段落の文章と入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、複数段落の文章から登場人物ごとの行動を表に整理し、「誰が何をしたか」「それは何を指すか」を答えることです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

情報の取り出しは、三つの形で出ます。

  1. 主語の指摘:「──線部の動作をしたのは誰か」
  2. 対象の指摘:「──線部『それ』は何を指すか」
  3. 行動の整理:「〜が〜したのはなぜか」(原因の文を探す前提として、行動を正確に取り出す)

物語文では、登場人物が複数いて主語が頻繁に省略されるので、表にする力が効きます。

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

放課後、健太は忘れ物に気づいて教室に戻った。机の上に、見覚えのないノートが置いてあった。開くと、美咲の名前が書いてあった。翌朝、それを彼女に渡した。美咲は少し驚いた顔をして、小さく礼を言った。健太は、なぜか少しうれしくなった。

問1

「開くと」の動作をしたのは誰か。

問2

「それを彼女に渡した」の「それ」と「彼女」はそれぞれ何・誰を指すか。

問3

美咲の行動を、「誰が・何を・どうした」で全部書き出しなさい。

問4

健太の行動を、順番に四つ書き出しなさい。

答えと判断

問1

健太。前の文の主語「健太は」が省略されて続いている。「ノートが置いてあった」の主語は「ノートが」だが、「開く」のはノートではなく人なので健太。

問2

「それ」はノート(美咲の名前が書いてあったノート)。「彼女」は美咲。

問3

美咲は 驚いた顔を した/美咲は(健太に)礼を 言った。二つ。

問4

健太は 忘れ物に 気づいた/健太は 教室に 戻った/健太は ノートを 開いた/健太は ノートを 美咲に 渡した。(「うれしくなった」を含めて五つでも可。設問の「行動」としては四つ。)

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1で「ノート」 主語の取り違え(直前の名詞を主語にした) 関係の取り違えを直す(型①)
問2で「それ=名前」 指示語の指す範囲を誤った 関係の取り違えを直す(型③)
問3で「礼を言った」のみ 「驚いた顔をして」の述語を見落とした 関係の取り違えを直す(型④)
問4で「渡した」の対象なし 対象の落とし 関係の取り違えを直す(型②)

登場人物ごとの表

番号 誰が 何を どうした
1 健太は 忘れ物に 気づいた
2 健太は 教室に 戻った
3 ノートが 机の上に 置いてあった
4 健太は ノートを 開いた
5 名前が ノートに 書いてあった
6 健太は ノートを美咲に 渡した
7 美咲は 驚いた顔を した
8 美咲は 礼を 言った
9 健太は ― うれしくなった

この表があれば、四問全部に答えられます。

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
主語は明示を優先したか 「美咲は」が出たら切り替え
省略は前の文から補ったか 「開くと」「渡した」は健太
指示語を置き換えたか それ=ノート、彼女=美咲
途中の述語を拾ったか 驚いた顔をして/礼を言った
対象を書いたか ノートを、美咲に

よくある間違い

直前の名詞を主語にする

「ノートが置いてあった。開くと」で、開いたのはノートではありません。意味で判断します。

物語の心情(うれしくなった)を行動と混同する

設問が「行動」を問うなら、心情は別です。設問の語を確かめます。

表を作らずに設問ごとに本文を読み直す

一度表を作れば、全設問に使えます。

自分で説明しよう

確認1:情報を取り出す四段階

述語に印、主語と対象を補う、表にする、矢印で結ぶ。

確認2:省略された主語を補うときの優先順位

明示されていればそれ、なければ前の文の主語、会話なら話し手、それでも決まらなければ段落の話題の人物。

確認3:登場人物ごとの表を作る利点

誰が何をしたか、指示語が何を指すかが一目で分かり、全設問に使える。

セクションの出口

複数段落の文章から登場人物ごとの行動を表に整理し、主語・対象・指示語の設問に答えられたら完了です。

次のセクション「原因と結果」では、取り出した情報の間の因果関係を、接続語がなくても捉える方法を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:情報の取り出しを入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「机の上にノートが置いてあった。開くと、美咲の名前が書いてあった」の「開く」の主語はどれですか(前の文の主語は健太)。
  2. 設問 1
    「翌朝、それを彼女に渡した」の「それ」と「彼女」は何を指しますか(ノートに美咲の名前があった)。
  3. 設問 2
    「美咲は少し驚いた顔をして、小さく礼を言った」の美咲の行動の数はいくつですか。
  4. 設問 3
    「ノートが置いてあった。開くと」で「開く」の主語を「ノート」とする誤りの原因はどれですか。
  5. 設問 4
    登場人物ごとの表を作る利点はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。