LESSON 01

指示語が指す内容

指示語が指す内容:複数段落・入試で統合する

複数段落の論説文で、指示語の内容の記述、段落をまたぐ指示語、指示語を含む一文の書き直しを入試形式で解き、指示語の読み取りを本番で使える形にまとめます。

指示語が指す内容:複数段落・入試で統合する

このレッスンの役割

ここは「指示語が指す内容」の出口です。二つの原則、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数段落の論説文と入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、指示語の内容を設問の形で記述し、段落をまたぐ指示語を前段落から取り、指示語を含む一文を書き直すことです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

指示語は、三つの形で出ます。

  1. 内容の記述:「──線部『これ』は何を指すか。〜字以内で答えよ」
  2. 本文からの抜き出し:「──線部『そのような』の内容を本文から〜字で抜き出せ」
  3. 書き直し:「──線部の指示語の内容を明らかにして、一文を書き直せ」

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

人は、知らないことに出会うと、まず自分の知っていることに当てはめて理解しようとする。①これは自然な反応だが、ときに誤解を生む。

たとえば、初めて見た外国の料理を「日本の〜に似ている」と言う。②そのとき、その料理が持つ独自の意味は見えなくなっている。

③このような理解の仕方を乗り越えるには、「似ているが違う」という感覚を保つことが必要だ。似ている点を手掛かりにしながら、違う点にこそ目を向ける。④それが、知らないものを本当に知る入り口になる。

問1

①「これ」は何を指すか。「〜こと」の形で三十字以内で答えなさい。

問2

②「そのとき」とはどのようなときか。本文の言葉を使って答えなさい。

問3

③「このような理解の仕方」の内容を、第一段落から二十五字以内で抜き出しなさい。

問4

④「それ」の内容を明らかにして、④を含む一文を書き直しなさい。

答えと判断

問1

「知らないことを自分の知っていることに当てはめて理解しようとすること。」(三十字)。直前の文の述部を「〜こと」に。「人」は省いてよい。

問2

初めて見た外国の料理を「日本の〜に似ている」と言うとき。直前の文。

問3

「自分の知っていることに当てはめて理解しようとする」(二十三字)。段落をまたいで第一段落の実体に戻る。第二段落の「料理」は具体例で、「理解の仕方」の一般的な内容ではない。

問4

「似ている点を手掛かりにしながら違う点にこそ目を向けることが、知らないものを本当に知る入り口になる。」直前の文を主語の位置に置き換える。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1で「知らないこと」 直前の名詞だけを取った 関係の取り違えを直す(型①)
問3で「初めて見た外国の料理を〜と言う」 具体例で答えた(範囲の誤り) 関係の取り違えを直す(型②)
問3で「このような理解の仕方」を含めた 指示語自身を含めた 関係の取り違えを直す(型②)
問4で「それ」を「違う点」とした 範囲が狭すぎる 関係の取り違えを直す(型②)

指示語の表

指示語 直前 内容 形
①これ 第一段落第一文 知っていることに当てはめて理解しようとすること 〜こと
②そのとき 第二段落第一文 外国の料理を日本の〜に似ていると言うとき 〜とき
③このような理解の仕方 第一・二段落(段落をまたぐ) 知っていることに当てはめる理解 抜き出し
④それ 第三段落第二文 似ている点を手掛かりに違う点に目を向けること 書き直し

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
置き換えて通るか 意味が逆・内容が落ちていないか
直前の名詞だけになっていないか 〜こと
具体例で答えていないか 一般の内容へ
指示語自身を含めていないか 抜き出しの範囲
文末は設問の名詞に合っているか とき、仕方、こと

よくある間違い

段落をまたぐ指示語を同じ段落で探す

「このような」が段落の頭にあれば、前の段落の内容です。

具体例の中の語で答える

「料理」は例です。指示語が指すのは例がもとづく一般の内容。

書き直しで指示語だけ消して文をつなげない

置き換えた内容が主語になるので、「〜ことが、」と助詞を整えます。

自分で説明しよう

確認1:指示語の内容を決める四段階

指示語に印、直前から候補、置き換えて確かめる、設問の形に整える。

確認2:段落頭の「このような」が指す範囲

前の段落の内容(具体例があれば、その一般の内容)。

確認3:「一文を書き直せ」で気をつけること

指示語の位置に内容を入れ、助詞を整えて文が通るようにする。

セクションの出口

複数段落の論説文で、指示語の内容を設問の形で記述し、段落をまたぐ指示語を前段落の一般の内容から取り、一文を書き直せたら完了です。

次のセクション「段落同士の関係」では、ここまでの関係を段落の単位で使い、文章全体の構成を読む方法を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:指示語を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「人は知らないことに出会うと、知っていることに当てはめて理解しようとする。これは自然な反応だ」の「これ」はどれですか。
  2. 設問 1
    第二段落で「たとえば、外国の料理を日本の〜に似ていると言う」とあり、第三段落の頭に「このような理解の仕方」とあるとき、指す内容はどれですか。
  3. 設問 2
    「そのとき」とはどのようなときか、と問われたときの答えの文末はどれですか。
  4. 設問 3
    「それが、知らないものを知る入り口になる」の一文を書き直すとき、気をつけることはどれですか。
  5. 設問 4
    抜き出し問題で指示語の内容を答えるとき、範囲に含めてはいけないものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。