文章と図表の情報をつなごう:複数段落・入試で統合する
このレッスンの役割
ここは「文章と図表の情報をつなごう」の出口です。五項目、対応表の四段階、誤りの四つの型を、本文と図表を組み合わせた入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、本文と図表の両方から分かることを選び、図表から読み取れないことを判定し、図表を根拠にして記述することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
本文と図表は、三つの形で出ます。
- 両方から分かること:「本文と資料の両方から読み取れることを選べ」
- 読み取れないこと:「資料からは読み取れないものを選べ」
- 図表を根拠にした記述:「資料の数値を根拠にして、筆者の主張を〜字以内で説明せよ」
総合問題
次の文章と資料を読んで、あとの問いに答えなさい。
【本文】 読書をする中学生が減っていると言われる。確かに、一か月に一冊も本を読まない生徒の割合は、ここ十年で増えた。
しかし、読む生徒に目を向けると、別の姿が見える。読む生徒の平均冊数は、むしろ増えているのだ。つまり、読書は「みんなが少しずつ」から「読む人がたくさん」へと、形を変えている。
読書推進を考えるなら、全員に一律に本を配るよりも、読まない生徒が最初の一冊に出会う機会を作ることが大切ではないだろうか。
【資料】中学生の読書(2015年→2025年) 一か月に一冊も読まない生徒の割合:15% → 28% 読む生徒の一か月の平均冊数:3.2冊 → 4.5冊
問1
本文と資料の両方から読み取れることを選びなさい。ア 中学生全体の平均冊数は減った イ 読まない生徒の割合は約二倍になった ウ 読む生徒の平均冊数は減った エ 読まない生徒は本に興味がない
問2
資料からは読み取れないものを選びなさい。ア 読まない生徒の割合の変化 イ 読む生徒の平均冊数の変化 ウ 読まない生徒が増えた原因 エ 2025年に読まない生徒の割合
問3
「読書は『みんなが少しずつ』から『読む人がたくさん』へと、形を変えている」を、資料の数値を根拠にして六十字以内で説明しなさい。
問4
筆者の提案を本文から抜き出しなさい。
答えと判断
問1
イ。15%→28%で約二倍。本文「ここ十年で増えた」と対応。アは全体の平均冊数が資料にない。ウは資料と逆。エは興味という評価で、どちらにもない。
問2
ウ。原因は資料に書かれていない(本文にも書かれていない)。ア・イ・エは資料の数値そのもの。
問3
「一冊も読まない生徒の割合が15%から28%に増えた一方、読む生徒の平均冊数は3.2冊から4.5冊に増えており、読む人と読まない人が分かれてきたということ。」(五十九字)。二つの数値を対の形で挙げ、「形を変えている」を言い換える。
問4
「読まない生徒が最初の一冊に出会う機会を作ることが大切ではないだろうか。」最終段落の「〜ではないだろうか」。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1でア | 資料にない「全体の平均」を読んだ(題の見落とし) | 関係の取り違えを直す(型②) |
| 問1でエ | 評価を資料から読んだ | 関係の取り違えを直す(型①) |
| 問3で片方の数値だけ | 「形を変える」の対比を片側で書いた | 関係を矢印で表す(段階3) |
| 問4で「一冊も読まない生徒の割合は増えた」 | 事実を提案と取り違えた | 事実と意見(前のセクション) |
対応表
| 本文の記述 | 資料の数値 | 対応 |
|---|---|---|
| 読まない生徒の割合がここ十年で増えた | 15%→28% | ○ |
| 読む生徒の平均冊数は増えている | 3.2→4.5冊 | ○ |
| 「みんなが少しずつ」→「読む人がたくさん」 | 二つの数値の組 | ○(まとめ) |
| 最初の一冊に出会う機会 | (なし) | 本文の提案(資料にない) |
| 全体の平均冊数 | (なし) | 資料にない |
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 資料の題と項目を読んだか | 「読まない生徒の割合」と「読む生徒の平均」は別 |
| 選択肢の数値は資料のものか | 全体の平均は資料にない |
| 原因・評価を資料から読んでいないか | 興味、原因 |
| 記述に二つの数値を対で入れたか | 増と増の対比 |
| 提案は「〜ではないだろうか」の文か | 事実ではない |
よくある間違い
「読まない生徒」と「読む生徒」の資料を混ぜる
項目が違います。全体の平均は、この二つからは計算できません。
記述で資料の数値を写すだけ
数値を挙げたうえで、本文の「形を変える」の意味(二極化)を言い換えます。
「確かに」の段落の事実を筆者の主張にする
事実は譲歩の材料です。主張は「しかし」の後と最終段落。
自分で説明しよう
確認1:本文と図表を対応させる四段階
五項目を埋める、本文の文に印、一対一で対応、対応しない部分を記録。
確認2:「資料からは読み取れないもの」になりやすいもの
原因、評価、将来、資料にない項目(全体の平均など)。
確認3:「資料の数値を根拠にして説明せよ」の答え方
数値を挙げ(対比なら対で)、本文の表現を言い換えて結ぶ。
セクションの出口
本文と資料の問題で、両方から分かることを対応表で選び、読み取れないものを判定し、数値を根拠に本文の表現を説明できたら完了です。
次のセクション「情報の関係マスターチェック」では、このコースの全関係を一つの文章で判定し、入試形式の総合問題で仕上げます。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。