情報の関係マスターチェック:関係の図を文章全体で描く
このレッスンの役割
各セクションで「関係を矢印で表す」四段階を学びました。ここでは、それらを一つの流れに統合し、論説文を一枚の関係の図にして、どの設問にもその図から答える手順を確かめます。
今回の中心技能は、「接続語・指示語に印 → 段落の中心文を取る → 中心文同士の関係を記号にする → 問いと答え(主張と根拠)をつなぐ → 設問を図に当てる」の五段階を一つの文章で通せることです。目安時間は12分です。
統合した五段階
| 段階 | すること | 使うセクション |
|---|---|---|
| 1 | 接続語・指示語に印をつける | 接続語、指示語 |
| 2 | 各段落の中心文を取る | 段落同士の関係 |
| 3 | 中心文同士の関係を記号にする | 因果〜条件の八関係 |
| 4 | 問いと答え、主張と根拠をつなぐ | 意見と根拠、事実と意見 |
| 5 | 設問を図に当てる | 全セクションの入試形式 |
練習の文章
【一】日本の学校では、掃除を生徒自身が行う。海外から来た人は、①これに驚くことが多い。
【二】なぜ、生徒が掃除をするのだろうか。一つには、自分の使う場所を自分で整える態度を育てるためだ。もう一つには、全員で同じ作業をすることで、役割を分け合う経験をさせるためだ。
【三】②確かに、専門の職員が掃除をすれば、生徒は学習に時間を使える。海外の多くの学校はそうしている。
【四】しかし、ある調査では、掃除を経験した生徒のほうが、公共の場所を汚さない傾向が強かった。掃除は、時間を奪うのではなく、生活の習慣を作っているのだ。
【五】つまり、学校の掃除は、教科の学習とは別の、生活の学びの時間なのである。
段階1〜2:印と中心文
| 段落 | 印 | 中心文 |
|---|---|---|
| 一 | これ | 日本では生徒が掃除をする |
| 二 | なぜ、一つには、もう一つには | 生徒が掃除をする理由は二つ |
| 三 | 確かに | 職員が掃除をすれば学習に時間を使える |
| 四 | しかし、調査、のだ | 掃除は生活の習慣を作っている |
| 五 | つまり | 掃除は生活の学びの時間 |
段階3:関係の記号
| 段落の組 | 関係 | 記号 |
|---|---|---|
| 一 → 二 | 話題 → 問い | 問 |
| 二の二つの理由 | 並列 | + |
| 三 ⇔ 四 | 譲歩 ⇔ 反論 | ⇔ |
| 四の調査 → 四の主張 | 根拠(データ)← 主張 | ← |
| 五 = 全体 | まとめ | = |
段階4:問いと答えをつなぐ
| 問い(二) | 答え |
|---|---|
| なぜ生徒が掃除をするのか | 態度を育てる+役割を分け合う(二)、生活の習慣を作る(四)、生活の学び(五) |
主張:五「生活の学びの時間」。根拠:二の二つの理由(理由)、四の調査(データ)。譲歩:三。
段階5:設問を図に当てる
| 設問 | 図のどこを見るか | 答え |
|---|---|---|
| ①「これ」の内容 | 一の直前 | 日本の学校で生徒自身が掃除を行うこと |
| ②「確かに」の段落の役割 | 三 ⇔ 四 | 反対の見方を認める譲歩。四で反論される |
| 筆者が掃除を肯定する根拠を二種類 | 二と四 | 理由(態度・役割)とデータ(汚さない傾向) |
| 第四段落の「のだ」の文は事実か意見か | 四 | 意見(「作っている」は解釈)。調査が事実 |
| 本文の主張を抜き出せ | 五 | 学校の掃除は〜生活の学びの時間なのである |
| 三つの意味段落に分けよ | 一/二〜四/五 | 話題と問い/理由・譲歩・反論/まとめ |
どの設問も、図のどこかを指しています。
図を描く時間の目安
| 段階 | 時間 |
|---|---|
| 1〜2 | 本文を読みながら(追加時間なし) |
| 3〜4 | 読み終えてから一分 |
| 5 | 設問ごとに十〜三十秒 |
図を描く一分が、設問ごとの読み直しをなくします。
よくある間違い
図を描かずに設問から本文を探す
設問ごとに本文を読み直すと、時間が足りなくなります。先に図。
中心文を段落ごとに二つ以上取る
一段落一文。残りは材料です。
譲歩の段落を根拠に入れる
三は相手の見方です。筆者の根拠は二と四。
自分で確かめよう
確認1:統合した五段階
印をつける、中心文を取る、関係を記号にする、問いと答えをつなぐ、設問を図に当てる。
確認2:練習の文章で、筆者の根拠の二種類
理由(二:態度を育てる、役割を分け合う)とデータ(四:調査)。
確認3:図を描くのにかける時間の目安
読み終えてから一分(印と中心文は読みながら)。
まとめと次の一歩
五段階で論説文を一枚の図にすれば、指示語・段落の役割・根拠・事実と意見・主張・意味段落の設問は、すべて図の一か所を指して答えられます。
次のレッスンでは、各セクションの誤りの型を横断して集め、自分がどの型で落としやすいかを診断します。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。