条件と仮定:関係を矢印で表す
このレッスンの役割
前のレッスンで、条件と帰結の見分け方を知りました。ここでは、文章の条件を取り出し、本文の中で成り立つかどうかを確かめ、成り立つときだけ帰結を事実として扱う手順を一つに決めます。
今回の中心技能は、「条件と帰結を切る → 条件の型を決める → 本文で条件が成り立つかを確かめる → 成り立つなら帰結を事実に移す」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
この橋は、一日の通行量が一万台を超えれば、補強が必要になる。昨年の調査では、通行量は一日一万二千台だった。
手順で確かめます。条件:一万台を超えれば。帰結:補強が必要。型:一般の規則。成り立つか:一万二千台なので超えている。帰結を事実に:この橋は補強が必要である。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 条件と帰結を切る | 一万台を超えれば ⊃ 補強が必要 |
| 2 | 条件の型を決める | 一般の規則 |
| 3 | 本文で条件が成り立つかを確かめる | 一万二千台 → 成り立つ |
| 4 | 成り立つなら帰結を事実に移す | 補強が必要である |
段階1:切る位置
| 合図 | 切り方 |
|---|---|
| 〜すれば、〜なら、〜たら | 合図の直後で切る |
| もし〜、仮に〜 | 「もし」から合図まで条件 |
| 〜の場合、〜限り | 直後で切る |
条件が二つ以上あることもあります。「AかつBなら」は両方成り立つ必要があります。
段階3:成り立つかの確かめ
| 本文の情報 | 判定 |
|---|---|
| 条件を満たす事実がある | 成り立つ → 段階4へ |
| 条件を満たさない事実がある | 成り立たない → 帰結は言えない |
| 本文に書かれていない | 未定 → 帰結は仮定のまま |
成り立たないとき、筆者は「しかし現実には」「残念ながら」で続けることが多いです。
段階4:事実に移す
| 条件つきの文 | 事実に移した文 |
|---|---|
| 一万台を超えれば補強が必要になる(+一万二千台) | この橋は補強が必要である |
| 毎日続ければ上達する(+彼は毎日続けた) | 彼は上達する |
設問「本文から言えることを選べ」は、段階4まで進んだ文だけが正解になります。
例題:成り立たない場合
すべての人が自転車に乗れば、空気はきれいになるだろう。しかし、現実には自転車だけでまかなうことはできない。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 全員が自転車に乗れば ⊃ 空気がきれいになる |
| 2 | 予想(反事実に近い) |
| 3 | 「現実にはできない」→ 成り立たない |
| 4 | 進まない。「空気はきれいになる」は言えない |
筆者の言いたいことは、帰結ではなく「現実にはできない」の側です。
例題:反事実
もしあのとき医師の助言を聞いていれば、父は今も元気だったはずだ。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 助言を聞いていれば ⊃ 今も元気 |
| 2 | 反事実(「はずだ」「いれば」) |
| 3 | 聞かなかった(成り立たない) |
| 4 | 進まない。筆者の後悔が読み取れる |
反事実は、事実としては「助言を聞かず、父は元気ではない」を伝えています。
よくある間違い
段階3を省いて帰結を事実にする
「補強が必要」は条件が成り立つと確かめてから言えます。
成り立たない条件の帰結を筆者の主張にする
「空気がきれいになる」は主張ではなく、成り立たない仮定の帰結です。主張は「しかし」の後。
反事実から事実を逆算しない
「聞いていれば元気だった」は、「聞かず、元気でない」を含みます。逆算して読みます。
自分で確かめよう
確認1:「通行量が一万台を超えれば補強が必要。昨年は一万二千台」を四段階で
超えれば ⊃ 補強 → 規則 → 一万二千台で成り立つ → 補強が必要である。
確認2:条件が成り立たないとき、帰結はどう扱いますか
事実には移さない(言えない)。筆者の主張は「しかし」の後にある。
確認3:反事実「聞いていれば元気だったはずだ」から読み取れる事実
助言を聞かず、父は元気ではない。
まとめと次の一歩
手順は、条件と帰結を切る、型を決める、成り立つかを確かめる、成り立つなら事実に移す、の四段階です。成り立たないときは帰結を言わず、反事実は事実を逆算します。
次のレッスンでは、条件と仮定でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。