原因と結果:関係を矢印で表す
このレッスンの役割
前のレッスンで、原因と結果の見分け方を知りました。ここでは、文章の中で因果が連鎖しているときに、鎖全体を矢印で表す手順を一つに決めます。入試の「なぜか」は、直前の原因だけでなく、その原因の原因まで問うことがあります。
今回の中心技能は、「結果を決める → 合図とテストで原因を探す → 原因の原因をさかのぼる → 鎖を矢印で書く」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
今年は雨が少なかった。そのため、川の水位が下がった。水位が下がると、魚が減る。魚が減ったので、漁師の収入も減った。
「漁師の収入が減った」のはなぜでしょうか。直前の原因は「魚が減った」。その原因は「水位が下がった」。さらにその原因は「雨が少なかった」。鎖は、雨が少ない → 水位が下がる → 魚が減る → 収入が減る。設問によって、どこまでさかのぼるかが変わります。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 結果を決める | 収入が減った |
| 2 | 合図とテストで原因を探す | 「ので」の前:魚が減った |
| 3 | 原因の原因をさかのぼる | 水位が下がった ← 雨が少なかった |
| 4 | 鎖を矢印で書く | 雨少 → 水位低下 → 魚減少 → 収入減 |
段階2:原因を探す場所
| 場所 | 合図 |
|---|---|
| 同じ文の前半 | ので、ため、から、と |
| 直前の文 | だから、そのため、すると(結果の文の頭に付く) |
| 直後の文 | なぜなら、からだ、というのも |
| 離れた段落 | 合図なし。テストで探す |
段階3:どこまでさかのぼるか
| 設問 | さかのぼる範囲 |
|---|---|
| 「直接の原因を答えよ」 | 一つ前まで |
| 「なぜか。本文中の語を使って答えよ」 | 設問の字数に合うところまで |
| 「根本的な原因は何か」 | 鎖の最初まで |
設問の語(直接、根本的)と字数で決めます。
例題1:原因が離れている
兄は昨年、足を骨折した。長いリハビリを経て、今は普通に歩ける。しかし、激しい運動はまだ医者に止められている。
「激しい運動を止められている」の原因は、直前の「普通に歩ける」ではなく、離れた「足を骨折した」。「しかし」の後なので、「歩ける」とは逆の方向の情報です。テスト「骨折がなければ止められない」で確定。
例題2:原因が二つ
風が強く、雨も降っていたので、船は出なかった。
船が出なかった ← 風が強い、雨が降った。原因が二つあるときは、矢印を二本引きます。設問「なぜ船は出なかったか」には「風が強く雨も降っていたから」と両方書きます。
例題3:結果が二つ
大雪で、電車が止まり、学校も休みになった。
大雪 → 電車が止まった、大雪 → 学校が休み。一つの原因から二つの結果。
矢印の鎖の書き方
雨が少なかった → 水位が下がった → 魚が減った → 収入が減った
一行に並べると、設問の「なぜ」にどの段階で答えるかが見えます。
よくある間違い
段階2で直前の文を機械的に原因にする
直前の文が原因とは限りません。合図とテストで決めます。
段階3でさかのぼりすぎる・足りない
設問の語(直接/根本的)と字数で範囲を決めます。
原因が複数あるときに一つしか答えない
「風が強く雨も降った」の両方が原因なら、両方書きます。
自分で確かめよう
確認1:「寝坊した。朝食を抜いた。授業中に集中できなかった」の鎖
寝坊した → 朝食を抜いた → 集中できなかった。
確認2:「直接の原因」と「根本的な原因」の違い
直接は一つ前、根本的は鎖の最初。
確認3:原因が二つあるとき、矢印は何本ですか
二本(両方から結果へ)。
まとめと次の一歩
手順は、結果を決める、合図とテストで原因を探す、原因の原因をさかのぼる、鎖を矢印で書く、の四段階です。設問の語と字数でさかのぼる範囲を決め、原因が複数なら全部書きます。
次のレッスンでは、因果の読みでよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。