並列・添加・選択:関係の取り違えを直す
このレッスンの役割
並べる関係の取り違えは、「三つ答えよ」で二つしか書けない、強調された情報を見落とす、「どちらか」に両方答える、という形で現れます。ここでは、よく起きる誤りを四つの型に分け、直します。
今回の中心技能は、誤答を見て「項目を取りこぼした」「二つを一つにまとめた」「添加の強調を落とした」「選択を並列と取り違えた」のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「森には三つの働きがある。洪水を防ぐこと、空気をきれいにすること、そして、すみかになることだ」で、「森の働きを三つ答えよ」に「洪水を防ぐこと、空気をきれいにすること」と二つしか書けなかった人がいます。どこで誤ったのでしょうか。
「そして」の後の項目を落としています。「そして」は最後の項目の前に置かれる合図です。項目の取りこぼし、型①です。
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 項目の取りこぼし | 「そして」「また」の後を落とす | 三つのうち二つ | 合図を全部マークしてから数える |
| ② 二つを一つにまとめる | 読点で切れる二つを一項目にする | 洪水を防ぎ空気をきれいにすること | 読点と「こと」で切る |
| ③ 添加の強調を落とす | 「さらに」の後を並列と同じ重みで読む | 四つを平らに並べる | 「さらに」の後は筆者の念押しと記録 |
| ④ 選択を並列と取り違える | 「か」「または」を「と」と読む | 春と秋に行く | 「/」をつけて一つを選ぶ |
型①を直す:合図を全部マーク
| 本文 | マーク |
|---|---|
| 洪水を防ぐこと、空気をきれいにすること、そして、すみかになることだ | 読点①、読点②、そして③ → 三項目 |
合図の数+1が項目の数の目安です(読点二つ+「そして」なら三つ)。
型②を直す:切る位置
| 誤り | 直し |
|---|---|
| 洪水を防ぎ空気をきれいにすること | 洪水を防ぐこと/空気をきれいにすること |
| 体力をつけストレスを減らす | 体力をつける/ストレスを減らす |
「〜し、〜する」「〜て、〜する」の読点は、項目の切れ目のことが多いです。
型③を直す:添加の記録
| 本文 | 読み |
|---|---|
| 三つの働きがある。〜。さらに、心を落ち着かせる効果もある | 四つ目は上乗せで、筆者が付け加えたかった情報 |
設問「筆者が特に付け加えている働きは何か」には、添加の後を答えます。平らに並べると答えられません。
型④を直す:選択の記号
| 本文 | 誤り | 直し |
|---|---|---|
| 春か秋に訪れる | 春と秋に訪れる(両方) | 春/秋(一方) |
| 電話またはメール | 電話とメールの両方 | 電話/メール(一つで足りる) |
「か」「または」「あるいは」を見たら「/」。
例題:どの型か
「運動は体力をつける。また、ストレスを減らす。しかも、仲間ができる」で、「運動の効果を三つ」に「体力、ストレス」と答えた。
型①。「しかも」の後を落とした。三つ目は「仲間ができる」。
「週に二回または三回」で、「週に何回か」に「二回と三回」と答えた。
型④。選択なので「二回か三回のどちらか」。
よくある間違い
「〜こと、〜こと」の読点を文の途中の読点と同じに見る
項目の切れ目です。「こと」の数を数えます。
「さらに」の後を「おまけ」として無視する
逆です。筆者が念を押したい情報です。
「か」を「と」のように読む
選択は一方です。両方書くと誤りになります。
自分で確かめよう
確認1:「そして」の後を落とした誤りの型と直し方
型①(項目の取りこぼし)。合図を全部マークしてから数える。
確認2:「さらに」の後の情報の扱い
上乗せの強調として記録する(筆者の念押し)。
確認3:「春か秋」を「春と秋」と読む誤りの型
型④(選択を並列と取り違えた)。「/」をつけて一方を選ぶ。
まとめと次の一歩
誤りは、項目の取りこぼし、二つを一つにまとめる、添加の強調を落とす、選択を並列と取り違える、の四つに分けられます。合図のマーク、読点で切る、添加の記録、「/」の記号、で直せます。
次のレッスンでは、複数段落の論説文と入試形式の問題で、並べられた情報の取り出しを通して使います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。