接続語が示す関係:二つの情報を正しく分ける
このレッスンの役割
ここまで、情報と情報の関係を一つずつ学びました。接続語は、その関係を一語で前もって知らせる道具です。接続語を見た瞬間に「次に来る情報の役割」が分かれば、読む速さと正確さが上がります。
今回の中心技能は、接続語を関係の種類に対応させ、「この接続語の後には何が来るか」を言えることです。目安時間は8分です。
今日の問い
彼は毎日練習した。だから、大会で優勝した。しかし、翌年はけがで出場できなかった。つまり、努力だけでは結果は決まらないのだ。
「だから」の後は結果、「しかし」の後は前と反対の内容、「つまり」の後は前をまとめた言い換え。三つの接続語が、三つの関係を前もって知らせています。
接続語と関係の対応表
| 種類 | 接続語 | 後に来るもの | 記号 |
|---|---|---|---|
| 順接(因果) | だから、したがって、そのため、すると | 結果 | → |
| 逆接 | しかし、だが、ところが、けれども、それでも | 前と反対・予想外の内容 | ⇔ |
| 並列 | また、および、ならびに | 対等な情報 | + |
| 添加 | さらに、しかも、そのうえ、それに | 上乗せの情報(強調) | + |
| 選択 | または、あるいは、それとも | 選ぶ候補 | / |
| 言い換え・まとめ | つまり、すなわち、要するに | 前の抽象化・要約 | = |
| 例示 | たとえば、具体的には | 具体例 | ←具体 |
| 転換 | さて、ところで、では | 新しい話題 | ∥ |
読むときに最も重要な三つ
| 接続語 | 理由 |
|---|---|
| しかし(逆接) | 後に筆者の本当の主張が来やすい |
| つまり(まとめ) | 後に筆者のまとめ(抽象)が来る |
| たとえば(例示) | 後は具体例で、主張ではない |
「しかし」「つまり」の後は線を引く、「たとえば」の後は材料として読む。これだけで論説文の骨組みが見えます。
接続語がないときの補い
接続語が省かれていることは多いです。前後の関係から補います。
| 文 | 補える接続語 | 関係 |
|---|---|---|
| 雨が降った。試合は中止になった | だから | 因果 |
| 彼は努力した。結果は出なかった | しかし | 逆接 |
| 彼は親切だ。席をゆずる | たとえば | 例示 |
設問「空欄に入る接続語を選べ」は、この補いをそのまま問うものです。
例題:空欄を埋める
読書は語彙を増やす。( ① )、考える力も育てる。( ② )、読書の時間は年々減っている。( ③ )、読書の大切さを伝える工夫が必要だ。
| 空欄 | 前後の関係 | 接続語 |
|---|---|---|
| ① | 語彙+考える力(上乗せ) | さらに/また |
| ② | 良いこと ⇔ 減っている | しかし |
| ③ | 減っている → 工夫が必要 | だから/したがって |
前後の内容を先に読み、関係を決めてから接続語を選びます。
よくある間違い
接続語を覚えるだけで関係に結びつけない
「だから=結果が来る」「しかし=反対が来る」のように、後に来るものとセットで覚えます。
「また」と「さらに」を同じに扱う
「また」は対等、「さらに」は上乗せの強調です。空欄問題では、文脈が強調かどうかで選びます。
「たとえば」の後を主張だと思う
具体例です。主張は「つまり」「しかし」の側。
自分で確かめよう
確認1:「しかし」「つまり」「たとえば」の後に来るもの
反対の内容(主張が来やすい)、まとめ(抽象)、具体例。
確認2:「雨が降った。試合は中止になった」に補える接続語
だから(因果)。
確認3:「語彙を増やす。( )、考える力も育てる」に入る接続語
さらに(または、また)。「も」があるので添加・並列。
まとめと次の一歩
接続語は、後に来る情報の役割を前もって知らせます。順接・逆接・並列・添加・選択・言い換え・例示・転換の八種類を、「後に来るもの」とセットで覚え、省かれていれば前後から補います。
次のレッスンでは、接続語を手掛かりに段落の骨組みを図にする手順を一行ずつ使えるようにします。
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