LESSON 01

指示語が指す内容

指示語が指す内容:関係を矢印で表す

指示語に印をつける、直前から候補を取る、置き換えて確かめる、設問の形に整えるという四段階で、指示語の内容を決めて記述する手順を一行ずつ使います。

指示語が指す内容:関係を矢印で表す

このレッスンの役割

前のレッスンで、指示語の二つの原則を知りました。ここでは、指示語の内容を決めて設問の形に整える手順を一つに決めます。指示語が連なるとき、指す内容が文をまたぐときも、同じ手順で解けます。

今回の中心技能は、「指示語に印をつける → 直前から候補を取る → 置き換えて確かめる → 設問の形に整える」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

人は、自分の意見に合う情報ばかりを集めがちだ。これを「確証バイアス」と呼ぶ。この傾向は、インターネットの普及でいっそう強まった。

「この傾向」は何を指すでしょうか。手順で決めます。印:これ、この傾向。候補:「これ」は直前の「自分の意見に合う情報ばかりを集めがちなこと」。「この傾向」は、直前の「確証バイアス」=さらに前の「自分の意見に合う情報ばかりを集める傾向」。置き換え:「自分の意見に合う情報ばかりを集める傾向は、普及でいっそう強まった」で通る。整える:「人が自分の意見に合う情報ばかりを集めがちな傾向。」

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 指示語に印をつける これ、この傾向
2 直前から候補を取る 合う情報ばかり集めがち
3 置き換えて確かめる 「〜傾向は強まった」→ 通る
4 設問の形に整える 〜傾向。/〜こと。

段階2:候補の取り方

指示語 候補の範囲
これ、それ 直前の文の述部、または文全体
この+名詞 直前で、その名詞に当たる内容
そのような、このように 直前の一文〜数文の様子
それ(指示語の連鎖) 直前の指示語の内容までさかのぼる

連鎖(これ → 確証バイアス → この傾向)は、最初の実体まで戻って答えます。「確証バイアス」と答えても、それ自体が指示語で定義された語なので、元の内容「合う情報ばかり集める傾向」まで戻ります。

段階3:置き換えの実例

候補 置き換えた文 判定
インターネット インターネットは普及でいっそう強まった ×
確証バイアス 確証バイアスは普及でいっそう強まった △(元の内容へ)
合う情報ばかりを集める傾向 合う情報ばかりを集める傾向は普及で強まった ○

段階4:設問の形

設問 答えの形
「これ」は何を指すか 〜こと。
「この傾向」とはどのような傾向か 〜という傾向。
「そのような」とはどのような様子か 〜という様子。
本文の言葉で答えよ 本文の語句をそのまま(文末だけ整える)
〜字以内で 候補を圧縮

例題:段落をまたぐ

都市では、隣に誰が住んでいるかを知らない人が多い。

災害時に、この状況は大きな問題になる。助け合いの最初の相手が、顔も名前も分からない人だからだ。

段階 内容
1 この状況
2 前の段落の「隣に誰が住んでいるかを知らない人が多い」
3 「隣人を知らない状況は問題になる」→ 通る
4 都市では隣に誰が住んでいるかを知らない人が多いという状況。

段落の頭の指示語は、前の段落全体の内容を指すことが多いです。

記述への応用

「──線部『これ』の内容を明らかにして、一文を書き直せ」は、段階3の置き換えた文をそのまま答えにします。「人が自分の意見に合う情報ばかりを集めがちなことを、確証バイアスと呼ぶ。」

よくある間違い

段階2で直前の名詞だけを取る

「これ」は文全体を指すことが多いです。「〜こと」で取ります。

段階3を省いて最初の候補で決める

置き換えて通らなければ、候補が違います。

連鎖の途中で止める

「この傾向=確証バイアス」で止めると、内容を答えたことになりません。実体まで戻ります。

自分で確かめよう

確認1:「隣人を知らない人が多い。災害時に、この状況は問題になる」の「この状況」を四段階で

この状況 → 隣人を知らない人が多い → 置き換えて通る → 隣に誰が住んでいるか知らない人が多いという状況。

確認2:指示語の連鎖で、どこまで戻って答えますか

指示語でない実体の内容まで。

確認3:「本文の言葉で答えよ」のときの注意

本文の語句をそのまま使い、文末だけ「〜こと」などに整える。

まとめと次の一歩

手順は、指示語に印、直前から候補、置き換えて確かめる、設問の形に整える、の四段階です。連鎖は実体まで戻り、段落頭の指示語は前段落全体を指します。

次のレッスンでは、指示語でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:指示語の内容を決める手順

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    指示語の内容を決める四段階の段階3はどれですか。
  2. 設問 1
    「これを確証バイアスと呼ぶ。この傾向は強まった」の「この傾向」の内容を答えるとき、どこまで戻りますか。
  3. 設問 2
    段落の頭にある「この状況」は、ふつう何を指しますか。
  4. 設問 3
    「この傾向とはどのような傾向か」の答えの文末はどれですか。
  5. 設問 4
    「指示語の内容を明らかにして一文を書き直せ」では何を答えにしますか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。