LESSON 01

事実・意見・推測を分けよう

事実・意見・推測を分けよう:複数資料・入試で判断する

同じ話題の複数資料から事実・意見・推測を分け、各資料の文の分類、資料間で一致する事実の抽出、推測の支えの有無の判定、事実だけを使った要約を入試形式で解き、事実・意見・推測の区別を本番で使える形にまとめます。

事実・意見・推測を分けよう:複数資料・入試で判断する

このレッスンの役割

ここは「事実・意見・推測を分けよう」の出口です。三つの問い、混ざる形、四段階の手順、誤りの四つの型を、複数の資料を読む入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、各資料の文を分類し、資料間で一致する事実を取り出し、推測の支えを判定し、事実だけで要約することです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

事実・意見・推測は、四つの形で出ます。

  1. 分類:「次の文を事実・意見・推測に分けよ」
  2. 一致する事実:「二つの資料に共通して書かれている事実を書け」
  3. 推測の支え:「資料Aの推測を支える事実が資料Bにあるか答えよ」
  4. 事実の要約:「意見や推測を除き、事実だけを〜字でまとめよ」

総合問題

「中学校の部活動の地域移行」についての三つの資料を読んで、あとの問いに答えなさい。

【資料A】教育委員会の説明資料 「本市では令和七年度から、休日の部活動を段階的に地域のスポーツクラブ等へ移行します。教員の休日の指導時間は、令和五年度の調査で平均月十二時間でした。移行により教員の負担軽減と、専門的な指導の充実が期待されます。」

【資料B】保護者会のアンケート結果(回答二百十名) 「地域移行に『不安がある』と答えた保護者は六十八%。理由は『費用がかかりそう』『送迎が必要になるかもしれない』が多数。『子どもの選択肢が広がるのはよいことだ』という意見も二十三%あった。」

【資料C】生徒の投稿 「部活が地域に移ると、仲のいい友達と別々になるかも。先生が来なくなるのは寂しい。でも専門のコーチに教わればうまくなるに決まってる。」

問1

資料Aの「移行により教員の負担軽減と、専門的な指導の充実が期待されます」は、事実・意見・推測のどれですか。理由も書きなさい。

問2

資料Aと資料Bに共通して読み取れる事実を一つ書きなさい。

問3

資料Cの「専門のコーチに教わればうまくなるに決まってる」を支える事実は、資料A・Bにありますか。答えと理由を書きなさい。

問4

三つの資料から、意見と推測を除いた事実だけを六十字以内でまとめなさい。

答えと判断

問1

推測。「期待されます」は将来の見込みで、確かめる方法がまだない。負担軽減は「月十二時間」の事実から一部支えられるが、「専門的な指導の充実」には支える事実がない。

問2

「令和七年度から休日の部活動が地域へ移行される(予定)」。Aは決定として、Bは前提として書いている。または「保護者の多くが費用や送迎を心配している」はBのみの事実。

問3

ない。資料Aの「専門的な指導の充実が期待される」も推測で、事実ではない。資料Cの「に決まってる」は断定の形をした推測で、支える事実はどの資料にもない。

問4

「市は令和七年度から休日の部活動を地域へ移行する。教員の休日指導は月平均十二時間で、保護者の六十八%が不安と答えた。」(五十九字)。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1で事実 「期待されます」を公式の断定と読んだ 印象に流された判断を直す(型③)
問2で「負担が減る」 推測を事実として共通点にした 出典・根拠を手順で調べる(段階2)
問3で「Aにある」 Aの「期待される」も推測 確かめる観点をつかむ(推測の文末)
問4に「不安だ」「寂しい」 意見を残した 出典・根拠を手順で調べる(段階1)
問4に「費用がかかる」 「かかりそう」は保護者の推測 印象に流された判断を直す(型②)

三つの資料の表

資料 事実 推測 意見
A 令和七年度から移行、月十二時間 負担軽減・指導充実が期待 ―
B 六十八%が不安、二十三%が肯定 費用がかかりそう、送迎が必要かも 選択肢が広がるのはよい
C ― 別々になるかも、うまくなるに決まってる 寂しい

公式資料(A)にも推測が含まれ、投稿(C)には事実がありません。発信者の種類と、文の種類は別に見ます。

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
「期待される」「見込み」を推測としたか A
アンケートの「割合」は事実、「理由の内容」は回答者の推測と分けたか B
「に決まってる」を断定の推測としたか C
事実の要約に評価の語を入れていないか 不安だ、寂しい、よい

よくある間違い

公式資料の文は全部事実だと思う

Aの「期待されます」は推測。発信者が当事者でも、文の種類は文末で決まります。

アンケートの「理由」を事実だと思う

「六十八%が不安と答えた」は事実。「費用がかかりそう」は回答者の推測で、費用がかかることは確かめられていません。

事実の要約に「不安」を「事実」として入れる

「不安と答えた割合」は事実、「不安だ」は意見。書き方で変わります。

自分で説明しよう

確認1:事実・意見・推測を見分ける三つの問い

確かめる方法があるか、価値の語があるか、推量の文末があるか。

確認2:事実を取り出す四段階

分ける、札をつける、事実に確かめる方法と出典、推測と意見に支えの有無。

確認3:区別の誤りの四つの型

評価つきの事実、原因の推測を事実に、断定の推測を事実に、意見を間違いと決める。

セクションの出口

複数の資料の文を事実・意見・推測に分け、一致する事実を取り出し、推測の支えを資料間で確かめ、事実だけで要約できたら完了です。

次のセクション「一次情報と二次情報」では、事実の出どころをさらにたどり、調査結果や原文(一次)と、それを解説・編集した情報(二次)の違いを扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:事実・意見・推測を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    教育委員会の「移行により教員の負担軽減と専門的な指導の充実が期待されます」の種類はどれですか。
  2. 設問 1
    「教員の休日の指導時間は調査で平均月十二時間だった」の種類はどれですか。
  3. 設問 2
    保護者アンケートの「費用がかかりそう」の種類はどれですか。
  4. 設問 3
    生徒の「専門のコーチに教わればうまくなるに決まってる」を支える事実はありますか。
  5. 設問 4
    事実だけの要約に入れてよいものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。