LESSON 01

一次情報と二次情報

一次情報と二次情報:複数資料・入試で判断する

調査報告の原文と、それを伝える記事・投稿を並べ、一次・二次・三次の分類、記事で起きた変化の指摘、投稿で追加された内容の特定、一次情報に基づく正確な引用文の作成を入試形式で解き、一次・二次の扱いを本番で使える形にまとめます。

一次情報と二次情報:複数資料・入試で判断する

このレッスンの役割

ここは「一次情報と二次情報」の出口です。一次と二次の区別、三つの変化と追加、四段階の手順、誤りの四つの型を、原文と記事を比べる入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、資料を一次・二次・三次に分類し、記事で起きた変化を指摘し、追加された内容を特定し、一次情報に基づいて正確に引用することです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

一次・二次は、四つの形で出ます。

  1. 分類:「資料A〜Cを一次情報・二次情報・三次情報に分けよ」
  2. 変化の指摘:「記事は原文をどのように変えているか、二つ書け」
  3. 追加の特定:「投稿にあって原文にない内容を書け」
  4. 正確な引用:「原文に基づいて、記事の見出しを正確に書き直せ」

総合問題

次の三つの資料を読んで、あとの問いに答えなさい。

【資料A】県の「中学生の読書に関する調査」報告書(令和五年十一月、対象:県内中学二年生三千二百人) 「一か月に読んだ本の冊数(教科書・漫画を除く):〇冊 三十一%、一〜二冊 三十八%、三〜五冊 二十二%、六冊以上 九%。〇冊と答えた生徒の理由(複数回答):『時間がない』六十二%、『読みたい本がない』四十一%、『読書が嫌い』十八%。」

【資料B】○○新聞の記事(令和五年十一月二十日) 「県の調査によると、中学生の三人に一人が『一か月に一冊も本を読まない』ことが分かった。読まない理由では『読書が嫌い』が二割に上り、読書離れの深刻さが浮き彫りになった。」

【資料C】SNSの投稿 「新聞に出てたけど、今の中学生って三分の一が本を読まないんだって。漫画ばっかり読んでるからだよね。」

問1

資料A〜Cを、一次情報・二次情報・三次情報に分けなさい。

問2

資料Bが資料Aを変えている点を、「省略」「強調」の語を使って二つ書きなさい。

問3

資料Cにあって、資料A・Bのどちらにもない内容を書きなさい。

問4

資料Bの「三人に一人が一か月に一冊も本を読まない」を、資料Aに基づいて、調査の対象と条件が分かるように五十字以内で書き直しなさい。

答えと判断

問1

A:一次情報(調査した県の報告書そのもの)。B:二次情報(Aを記者が要約)。C:三次情報(Bを投稿者が要約)。

問2

省略:調査の対象が「中学二年生」であること、「教科書・漫画を除く」という条件、〇冊の理由の一位が「時間がない」六十二%であることが省かれている。強調:理由の三位(十八%)である「読書が嫌い」だけを取り上げ、「二割に上り」「深刻さ」と大きく見せている。

問3

「漫画ばっかり読んでるからだよね」。Aでは漫画は冊数から除かれているだけで、漫画を読んでいるかどうかは調べていない。投稿者の推測の追加。

問4

「県内の中学二年生のうち、一か月に教科書・漫画を除く本を〇冊と答えた生徒は三十一%だった。」(四十六字)。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1でBを一次 「県の調査によると」がある。二次を一次と思った 印象に流された判断を直す(型①)
問2で「数値が違う」 三十一%≒三人に一人は合っている。変化は省略と強調 出典・根拠を手順で調べる(段階3)
問3で「三分の一」 Bにある。追加ではない 出典・根拠を手順で調べる(追加の定義)
問4で「中学生の三分の一」 対象(二年生)と条件(教科書・漫画除く)を戻していない 印象に流された判断を直す(型④)

三つの資料の表

資料 段 対象 条件 〇冊の割合 理由 追加
A 一次 中学二年生三千二百人 教科書・漫画除く 三十一% 時間がない六十二%、嫌い十八% ―
B 二次 「中学生」(省略) (省略) 三人に一人 嫌い二割(強調) 深刻さ(評価)
C 三次 「今の中学生」 (省略) 三分の一 (なし) 漫画ばかり(推測)

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
「〜によると」「新聞に出てた」で段を数えたか A一次、B二次、C三次
対象と条件の省略を見たか 二年生、教科書・漫画除く
理由の順位の入れ替え(強調)を見たか 一位「時間がない」が消え、三位「嫌い」が前に
追加(原文にない推測・評価)を見たか 深刻さ、漫画ばかり
引用に対象・条件・数値を戻したか 問4

よくある間違い

「三人に一人」を誤りだと書く

三十一%を「三人に一人」とするのは言い換えで、数値としては大きく外れていません。問題は対象と条件の省略です。

記事の「読書が嫌い二割」を調査結果だと思う

一次では十八%で理由の三位。「二割に上り」は強調。順位と数値を並べて確かめます。

投稿の「漫画ばかり」を調査から分かったことだと思う

調査は漫画を冊数から除いただけで、漫画を読んでいるかは調べていません。追加の推測です。

自分で説明しよう

確認1:一次・二次・三次の見分け方

当事者の記録そのものが一次、「〜によると」で要約したものが二次、さらに要約したものが三次。

確認2:二次情報で起きる変化と、追加

省略・言い換え・強調に加え、原文にない評価や推測の追加。

確認3:一次情報に基づく引用に必要なもの

一次の語、対象と条件、数値、出典(名前・日付)。

セクションの出口

原文と記事と投稿を段で分け、省略・強調・追加を並べて指摘し、対象と条件を戻して正確に引用できたら完了です。

次のセクション「根拠は主張に合っているか」では、一次情報にたどり着いた後、その資料が主張と直接関係し、十分な量と質を持つかを検討します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:原文と記事を入試で比べる

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    県の調査報告書・それを伝える新聞記事・記事をまとめた投稿の段はどれですか。
  2. 設問 1
    記事が「読書が嫌い」(原文では理由の三位、十八%)だけを「二割に上り」と取り上げた変化はどれですか。
  3. 設問 2
    記事が「中学生」と書き、原文の「中学二年生」「教科書・漫画を除く」を落とした変化はどれですか。
  4. 設問 3
    投稿の「漫画ばっかり読んでるからだよね」の扱いはどれですか。
  5. 設問 4
    「三人に一人が一か月に一冊も読まない」を原文に基づいて書き直すときに必要なものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。