広告・SNSの情報を検討しよう:出典・根拠を手順で調べる
このレッスンの役割
前のレッスンで、二つの軸と三つの注意を知りました。ここでは、広告やSNSの情報を見てから「使える部分」を取り出すまでを一つの手順にします。要点は、「全部使う・全部捨てる」ではなく、確認できる部分と感想の部分を分けることです。
今回の中心技能は、「利害関係を判定する → 確認できる部分と感想の部分に分ける → 確認できる部分を一次情報で確かめる → 使える部分と使えない部分を分けて書く」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
動画配信者の投稿:「このタブレット学習、一か月使ったら英語のテストが二十点上がった!月額千九百八十円で、今なら初月無料。神アプリ。#提供」
手順で確かめます。利害関係:「#提供」で企業から提供を受けている(あり)。分ける:確認できる(月額千九百八十円、初月無料)、感想・推測(二十点上がった、神アプリ)。確かめる:公式サイトで価格と無料期間を確認。書く:使える(価格、初月無料の条件)、使えない(二十点は一人の体験で、アプリの効果の根拠にはならない)。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 利害関係の有無を表示・リンク・報酬の記載で判定する | 「#提供」→あり |
| 2 | 内容を「確認できる部分」と「感想・推測の部分」に分ける | 価格・無料期間/二十点・神アプリ |
| 3 | 確認できる部分を一次情報で確かめる | 公式サイトの料金表 |
| 4 | 使える部分と使えない部分を分けて書く | 価格は使える。効果は根拠にならない |
段階1:利害関係の合図
| 合図 | 判定 |
|---|---|
| 「広告」「PR」「提供」「タイアップ」 | あり(明示) |
| 購入リンク、クーポンコード | あり(報酬の可能性) |
| 商品名の繰り返し、「おすすめ」「神」 | あり(推定) |
| 発信者が販売者・製造者 | あり |
| 無関係の第三者、公的機関 | なし |
合図がなくても、「推定」として慎重に扱います。
段階2:分ける表
| 確認できる部分 | 感想・推測の部分 |
|---|---|
| 価格、料金体系 | 「最高」「神」「おすすめ」 |
| 成分、仕様、サイズ | 「効いた」「上がった」(一人の体験) |
| 発売日、販売場所 | 「誰でも」「必ず」(一般化) |
| 公的な認証・検査の有無 | 「人気」「話題」(根拠なし) |
「事実・意見・推測」の三つの問いと同じです。
段階3:確かめる先
| 確認できる部分 | 一次情報 |
|---|---|
| 価格・条件 | 公式サイト、商品ページ |
| 成分・安全性 | 成分表示、公的機関(消費者庁など)の情報 |
| 効果の主張 | 第三者の調査、専門機関の見解 |
| 拡散情報の事実 | 元の投稿、公式の発表 |
効果の主張は、販売者の「当社調べ」では確かめたことになりません。第三者の調査を探します。
段階4:書き方
| 使える | 使えない |
|---|---|
| 「月額千九百八十円、初月無料(公式サイトで確認)」 | 「一か月で二十点上がった」は一人の体験で、効果の根拠にならない |
「使えない」は「うそ」ではなく「根拠にならない」です。
例題:手順で通す
口コミ:「このイヤホン、音は普通だけど三日で片方が聞こえなくなった。サポートに連絡しても返事なし。買わない方がいい。星一つ」
| 段階 | 結果 |
|---|---|
| 1 | 購入者(推定)。利害関係なし(競合の可能性はゼロではない) |
| 2 | 確認できる:三日で故障、サポート無返答(写真・記録があれば)。感想:音は普通、買わない方がいい |
| 3 | 他の口コミで同様の故障報告があるか、メーカーのサポート対応の記録 |
| 4 | 使える:一人の故障報告として、他の報告と合わせて検討。使えない:「買わない方がいい」は一人の判断 |
よくある間違い
段階1で表示がなければ利害関係なしとする
表示がなくてもリンクや語で推定します。「なし」と断定しません。
段階2で数字があれば確認できる部分にする
「二十点上がった」は数字ですが、一人の体験で確かめられません。
段階4で「広告だから全部使えない」と書く
価格や条件は使えます。分けて書きます。
自分で確かめよう
確認1:広告・SNSの情報から使える部分を取り出す四段階
利害関係を判定、確認できる部分と感想に分ける、一次情報で確かめる、使える・使えないを分けて書く。
確認2:「#提供」つきの投稿で使える部分と使えない部分
使える:価格、無料期間(公式で確認)。使えない:二十点上がった(一人の体験)、神アプリ(感想)。
確認3:効果の主張を確かめる先
販売者の「当社調べ」でなく、第三者の調査や専門機関の見解。
まとめと次の一歩
手順は、利害関係を判定、確認できる部分と感想に分ける、一次情報で確かめる、使える・使えないを分けて書く、の四段階です。「使えない」は「根拠にならない」の意味です。
次のレッスンでは、広告・SNSの情報の扱いでよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。