LESSON 01

出典を示して情報を使おう

出典を示して情報を使おう:印象に流された判断を直す

出典なしで数値を使う、資料の内容と自分の考えが混ざる、引用で意味を変える(合算・言い換え・切り取り)、二次情報を出典にするという四つの型で、出典と引用の誤りを見抜いて直します。

出典を示して情報を使おう:印象に流された判断を直す

このレッスンの役割

出典と引用の誤りは、出典なし、混ざる、意味を変える、二次情報を出典に、の四つに分けられます。ここでは、それぞれを型に分け、直します。これらは、このコースで学んだ「受け取る側の誤り」を、書く側で自分が起こしてしまう形です。

今回の中心技能は、出典と引用の誤りを四つの型のどれかで言い、直せることです。目安時間は8分です。

今日の問い

作文:「新聞によると中学生の三人に一人が本を読まない。これは深刻な問題である。」

「新聞によると」は媒体名で、名前・日付・資料名がありません(型①の一部)。さらに、新聞は県の調査を伝えた二次情報で、出典にするなら県の調査です(型④)。「深刻な問題である」は自分の考えですが、資料の文と同じ「〜である」で書かれていて混ざっています(型②)。直すと、「県の令和五年の調査によれば、県内の中学二年生の三割が一か月に教科書と漫画以外の本を一冊も読んでいない。私は、これを深刻な問題だと考える。」

誤りの四つの型

型 起きていること 例 直し方
① 出典なし 数値・調査結果に出典がない、または三点が欠ける 中学生の二割が運動不足 名前・日付・資料名を添える
② 混ざる 資料の内容と自分の考えの区別がない 〜である。深刻である。 「〜によれば」と「私は」で分ける
③ 意味を変える 合算・言い換え・切り取りで元と違う意味にする 六割が住み続けたくない 元の数値・条件・前後を保つ
④ 二次情報を出典に 記事・まとめサイトを出典にする 新聞によると、ネットによると 一次情報をたどって出典にする

型①を直す:三点の確認

書いた出典 名前 日付 資料名 判定
調査によると × × × 不可
スポーツ庁によると ○ × × 不十分
スポーツ庁の令和五年度「全国体力・運動能力調査」によると ○ ○ ○ 可

型②を直す:文末の表

内容 文末
資料の内容 〜によれば〜である、〜とされる、〜と報告されている
自分の考え 私は〜と考える、〜べきだと思う
自分の考えの根拠(資料を踏まえて) なぜなら〜からだ

「である」で自分の考えを書くと、資料の内容に見えます。

型③を直す:変えてはいけないもの

項目 変えると
数値の意味(合算、四捨五入のしすぎ) 二十五%+三十五%を「六割が住みたくない」
条件 「教科書・漫画を除く」を落とす
対象 「中学二年生の女子」を「中学生」にする
前後 「不要だと言う人もいる。しかし」を「不要」だけにする

「一次情報と二次情報」「写真・見出し・切り取り」で学んだ変化を、自分が起こさないようにします。

型④を直す:出典の段

書いた出典 段 直し
ネットによると 不明 元の調査・発表をたどる
○○新聞によると(県の調査を伝えた記事) 二次 県の調査を出典にする(新聞は「〜が報じた」と添えてもよい)
県の調査によると 一次 そのまま

一次情報がたどれない場合は、「○○新聞(日付)が報じたところによれば」と、二次であることを明示します。

例題:どの型か

「ある調査では、朝食を食べる生徒は成績がよいという。だから朝食は大切である。」

型①(ある調査では)+型②(大切である)。「文部科学省の令和五年度の調査によれば、朝食を毎日食べる生徒は〜。私は、朝食が大切だと考える。」

「市の調査で、中学生の六割がこの市に住み続けたくないと答えた。」

型③(合算)。「住みたくない」二十五%と「どちらとも言えない」三十五%に戻す。

よくある間違い

出典を示せば引用の意味を変えてもよいと思う

出典は確かめる手掛かりであって、意味を変える許可ではありません。

「〜という」「〜らしい」で出典の代わりにする

伝聞の文末は出典ではありません。三点を示します。

新聞は信頼できるから出典にしてよいと思う

新聞が伝えた調査の出典は調査そのものです。新聞を出典にするのは、記者自身の取材内容を使うときだけ。

自分で確かめよう

確認1:出典と引用の誤りの四つの型

出典なし、混ざる、意味を変える、二次情報を出典に。

確認2:「新聞によると三人に一人が本を読まない。深刻な問題である」の直し方

県の調査(令和五年)を出典にし、条件(教科書・漫画除く)を添え、「私は深刻だと考える」と分ける。

確認3:一次情報がたどれないときの出典の書き方

「○○新聞(日付)が報じたところによれば」と、二次情報であることを明示する。

まとめと次の一歩

出典と引用の誤りは、出典なし、混ざる、意味を変える、二次情報を出典に、の四つに分けられます。三点を添える、文末で分ける、元を保つ、一次をたどる、で直します。

次のレッスンでは、複数の資料を引用して自分の考えを書く入試形式の問題で、四段階と四つの型を通して使います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:出典と引用の誤りの型

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「調査によると中学生の二割が運動不足」の誤りの型はどれですか。
  2. 設問 1
    「〜である。深刻な問題である」と自分の考えを資料と同じ文末で書く誤りの型はどれですか。
  3. 設問 2
    「市の調査で六割が住み続けたくないと答えた」(元:住みたくない二十五%、どちらとも言えない三十五%)の誤りの型はどれですか。
  4. 設問 3
    「○○新聞によると」(県の調査を伝えた記事)を出典にする誤りの型と直し方はどれですか。
  5. 設問 4
    一次情報がたどれないときの出典の書き方はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。