情報の信頼性マスターチェック:確かめる観点をつかむ
このレッスンの役割
ここはコース全体の仕上げの入口です。十四のセクションで学んだことを、最初のセクションで示した「五つの問い」に戻して一枚の表にします。設問を見たときに「どの問いの、どの道具か」が言えれば、手順を迷わず呼び出せます。
今回の中心技能は、コースの技能を五つの問いと使う側の約束に整理し、設問の形から道具を決められることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「この広告の『利用者の九十三%が満足』を根拠にできない理由を書け」という設問は、どの問いのどの道具でしょうか。
問い①「誰が」の利害関係(広告・SNSの二つの軸)、問い③「何を根拠に」の調査の四つの問い(誰を・どう選んで・何人に・どう聞いたか)と数字の五つの確認(母数)、問い②「何のために」の売る目的で省かれるもの(分母・条件)。三つの問いをまたぎます。一つの設問が複数の問いを使うのが普通です。
五つの問いと道具の一枚表
| 問い | 道具 | セクション |
|---|---|---|
| ① 誰が | 発信者の四種類、出典の三点、知る立場 | 発信者と出典 |
| ① 誰が | 一次と二次、三つの変化と追加、段を数える | 一次情報と二次情報 |
| ① 誰が | 利害関係の軸、広告の三つの形、口コミ・拡散の三つの注意 | 広告・SNS |
| ② 何のために | 四つの目的、対象の手掛かり、省かれるもの | 目的と対象 |
| ③ 何を根拠に | 三つの問い(確かめられるか・価値の語・推量の文末) | 事実・意見・推測 |
| ③ 何を根拠に | 三つの条件(関係・量・質) | 根拠は主張に合っているか |
| ③ 何を根拠に | 四つの問い(誰を・どう選んで・何人に・どう聞いたか)、偏りの三か所 | 調査対象と偏り |
| ③ 何を根拠に | 数字の五つの確認、グラフの四つの確認 | 数字・割合・グラフ |
| ④ どう見せているか | 失われる四つのもの、三つの合図 | 写真・見出し・切り取り |
| ④ どう見せているか | 感情の四つの型、事実の部分を残す | 感情を動かす言葉 |
| ⑤ 他はどう言うか | 三つの区分、食い違いの三つの理由 | 複数の情報源 |
| ⑤ 他はどう言うか | 足りない情報の四つの種類、四つの要素で書く | 不足している情報 |
| 使う側 | 三つの約束、出典の三つの形、引用の二つの方法 | 出典を示して情報を使おう |
判定の三段階と行動
| 判定 | 条件 | 行動 |
|---|---|---|
| 使える | 五つの問いに答えられ、根拠が確かめられる | 出典を示して使う |
| 条件つき | 一部が確かめられない、範囲が限られる | 「〜の中では」「〜は不明」を添えて使う |
| 保留 | 発信者か根拠が不明 | 共有せず、足りない情報を得る手段を書く |
設問の形と問いの対応
| 設問の形 | 主な問い | 道具 |
|---|---|---|
| 最も信頼できる資料を選べ | ①③ | 四種類、出典の三点、三つの条件 |
| 根拠にできない理由を書け | ①②③ | 利害関係、省かれるもの、調査の四つの問い、母数 |
| 事実と意見を分けよ | ③ | 三つの問い |
| 原文と記事の違いを書け | ①④ | 三つの変化と追加、失われる四つのもの |
| グラフの問題点を書け | ③ | 軸・期間・比較対象 |
| 資料の食い違いの理由を書け | ⑤ | 立場・調べ方・時期 |
| さらに必要な情報を書け | ⑤ | 四つの種類、四つの要素 |
| 資料を引用して考えを書け | 使う側 | 三つの約束 |
問いどうしのつながり
| つながり | 内容 |
|---|---|
| ①→③ | 発信者と利害関係が分かると、根拠の確かさの見方が決まる |
| ②→④ | 目的が分かると、見せ方(切り取り・感情の語)を予測できる |
| ③→⑤ | 根拠の不足が分かると、足りない情報と他の情報源が決まる |
| ⑤→使う側 | 共通する事実を土台に、出典を示して自分の考えを書く |
五つの問いは順に使うものではなく、設問に応じて行き来します。
よくある間違い
設問を見てすぐ資料を読み返す
まず問いと道具を決めます。「どの手順を使うか」が決まってから資料に戻ると、速く正確になります。
一つの設問に一つの問いだけ使う
「根拠にできない理由」は①②③をまたぎます。複数の問いを当てます。
道具の名前だけ覚えて中身を忘れる
「三つの条件」は関係・量・質があって初めて使えます。中身を言えるようにします。
自分で確かめよう
確認1:五つの問い
誰が、何のために、何を根拠に、どう見せているか、他はどう言うか。
確認2:「さらに必要な情報を書け」が使う問いと道具
⑤他はどう言うか。足りない情報の四つの種類(条件・数値・比較対象・反対意見)と、四つの要素(何を・誰について・いつの・どう比べる)。
確認3:問い③「何を根拠に」の四つの道具
事実・意見・推測の三つの問い、根拠の三つの条件、調査の四つの問い、数字の五つの確認。
まとめと次の一歩
コースの技能は、五つの問いと使う側の約束に整理でき、設問の形から問いと道具を決めてから資料に戻ります。
次のレッスンでは、五つの問いをつないだ「複数の資料を読んでから設問に答えるまで」の統合手順を一行ずつ使えるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。