発信者と出典を確かめよう:出典・根拠を手順で調べる
このレッスンの役割
前のレッスンで、発信者の四種類と出典の三つの点を知りました。ここでは、情報を見てから「この発信者の言うことはどこまで使えるか」を決めるまでを一つの手順にします。
今回の中心技能は、「発信者を探して分類する → 出典の三点を埋める → 知る立場かを問う → 使える範囲を決める」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
「△△大学の研究チームが、緑茶を一日三杯飲む人は風邪をひきにくいと発表した。(□□通信、九月十日)」
手順で確かめます。発信者:△△大学の研究チーム(専門機関)、伝えたのは□□通信(報道)。出典:名前○、日付○、場所○(通信社の記事)。知る立場か:研究チームは調査の当事者で、知る立場。使える範囲:「研究チームの調査では、緑茶を飲む人は風邪が少なかった」まで。「緑茶が風邪を防ぐ」という因果は、研究の内容を見るまで保留。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 発信者の名前を探し、四種類に分ける | 研究チーム(専門機関)、通信社(報道) |
| 2 | 出典の三点(名前・日付・場所)を埋める | △△大学、九月十日、□□通信の記事 |
| 3 | その発信者がその内容を知る立場かを問う | 調査をした当事者。知る立場 |
| 4 | 使える範囲を決める | 調査結果として使える。因果は保留 |
段階1:発信者を探す場所
| 媒体 | 探す場所 |
|---|---|
| 記事 | 冒頭の「〜によると」、末尾の署名、媒体名 |
| 公式サイト | 組織名、問い合わせ先、更新日 |
| SNS | 投稿者名、プロフィール(本人確認の有無) |
| 資料・グラフ | 下の「出典:」「資料:」 |
発信者が二段になることがあります(研究チームの発表を通信社が伝える)。両方書きます。
段階2:三点を埋める表
| 点 | ある | ない |
|---|---|---|
| 名前 | △△大学 | 「ある大学」「専門家」 |
| 日付 | 九月十日 | なし(古い可能性) |
| 場所 | □□通信 | 「ネットで見た」 |
一つでも「ない」があれば、確かめに行けないので、判定は条件つき以下。
段階3:知る立場か
| 発信者 | 内容 | 知る立場か |
|---|---|---|
| 研究チーム | 自分たちの調査結果 | ○ |
| 研究チーム | 緑茶の売上 | ×(専門外) |
| 俳優 | 自分が緑茶を飲んで元気になった | ○(自分の体験のみ) |
| 俳優 | 緑茶は風邪を防ぐ | ×(体験を一般化) |
| 学校 | 明日の休校 | ○ |
| 友人 | 明日の休校 | ×(伝聞) |
「知る立場」は「その内容について」です。同じ発信者でも、内容によって変わります。
段階4:使える範囲の書き方
| 判定 | 書き方 |
|---|---|
| 使える | 「△△大学の調査(九月十日、□□通信)によれば、〜」 |
| 条件つき | 「〜という調査結果がある(因果は未確認)」 |
| 保留 | 「発信者が不明のため、根拠にはしない」 |
出典を文に組み込む形は、「出典を示して情報を使おう」で練習します。
例題:手順で通す
「有名な料理研究家が、この調味料を使うと誰でもプロの味になると動画で言っていた。」
| 段階 | 結果 |
|---|---|
| 1 | 料理研究家(専門家)、動画(場所) |
| 2 | 名前:「有名な」のみで不明。日付:なし。場所:動画 |
| 3 | 料理の味について:○。「誰でも」:×(一般化) |
| 4 | 条件つき。「この研究家はこの調味料を勧めている」まで。名前と日付を確かめる |
よくある間違い
段階1で伝えた媒体だけを発信者にする
通信社は伝えただけで、調査したのは研究チーム。二段で書きます。
段階3を飛ばして「専門家だから使える」にする
専門家でも、専門外の内容や一般化は知る立場にありません。内容ごとに問います。
段階4で「使える」か「使えない」の二択にする
「ここまでは使える」と範囲で書きます。範囲が書けると記述の得点になります。
自分で確かめよう
確認1:発信者と出典を確かめる四段階
発信者を探して分類、出典の三点を埋める、知る立場かを問う、使える範囲を決める。
確認2:研究チームの発表を通信社が伝えた場合、発信者は誰ですか
研究チーム(専門機関)が発信者で、通信社(報道)は伝えた媒体。二段で書く。
確認3:「緑茶を飲む人は風邪が少ない」の使える範囲
調査結果として「飲む人は風邪が少なかった」まで。「緑茶が風邪を防ぐ」という因果は保留。
まとめと次の一歩
手順は、発信者を探して分類、出典の三点を埋める、知る立場かを問う、使える範囲を決める、の四段階です。発信者が二段なら両方書き、知る立場は内容ごとに判定します。
次のレッスンでは、発信者と出典でよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。