LESSON 01

数字・割合・グラフの見せ方

数字・割合・グラフの見せ方:確かめる観点をつかむ

数字を見るときの五つの確認(母数・割合か実数か・期間・比較対象・単位)と、グラフを見るときの四つの確認(軸の始まり・軸の間隔・期間の切り取り・項目の選び方)をつかみ、同じ数字が見せ方で印象を変える仕組みを学びます。

数字・割合・グラフの見せ方:確かめる観点をつかむ

このレッスンの役割

調査の対象を確かめても、数字の見せ方で印象は変わります。「二倍に増えた」も「二人から四人」なら小さな変化です。ここでは、数字の五つの確認とグラフの四つの確認をつかみ、見せ方に惑わされず元の数字に戻る目を作ります。

今回の中心技能は、数字とグラフを見たときに確認点を一つずつ当て、印象と元の数字のずれを言えることです。目安時間は8分です。

今日の問い

「本校のいじめの件数が前年比二倍に。」

前年が二件なら今年は四件、前年が五十件なら百件。「二倍」は割合で、母数(元の数)が分からないと大きさが分かりません。また、件数は「認知した数」で、先生が丁寧に把握するようになれば増えます。「二倍」という割合だけを見ず、実数と数え方を確かめます。

数字の五つの確認

確認 問い 例
母数 何のうちの数か、元の数はいくつか 二倍(二件→四件)
割合か実数か %で言っているか、人数で言っているか 五割増(百円→百五十円)
期間 いつからいつまでか、短すぎないか 一週間で五キロ減
比較対象 何と比べているか 前年比、全国平均比
単位・定義 何を数えたか、数え方は変わっていないか 認知件数、延べ人数

割合と実数の見せ方

事実 大きく見せる 小さく見せる
四百円→六百円 五割値上げ 二百円の値上げ
二件→四件 二倍に増加 二件増
一万人中百人が反対 百人が反対 一%が反対
千人中九百人が満足 九割が満足 百人が不満

割合は変化を大きく見せ、実数は小さな数を小さく見せます。目的(説得する・売る)によって使い分けられます。

グラフの四つの確認

確認 問い 惑わされる例
軸の始まり 縦軸が〇から始まっているか 九十から始めると、九十五と百の差が二倍に見える
軸の間隔 目盛りが等間隔か 途中で間隔が変わる
期間の切り取り 都合のよい期間だけ示していないか 下がった年だけ、上がった年だけ
項目の選び方 比べる相手を都合よく選んでいないか 自社と最も弱い他社だけ

軸の始まりの例

数値 〇から始まる軸 九十から始まる軸
A社 九十五、B社 百 ほぼ同じ高さ Bの棒がAの二倍の高さ

同じ数値でも、軸の始まりで棒の高さの比が変わります。数値を読み、見た目の比で判断しません。

期間の切り取りの例

期間 見え方
二〇一五〜二〇二〇 右肩上がり
二〇二〇〜二〇二三 右肩下がり
二〇一五〜二〇二三 上がって下がる

「増えている」「減っている」は、期間の取り方で逆になります。全体の期間を確かめます。

例題:確認点を当てる

広告:「利用者満足度九十八%!(当社調べ、n=五十)」

確認 答え
母数 五十人(少ない)
割合か実数か 割合。実数は四十九人
期間 不明
比較対象 なし(他社との比較なし)
単位・定義 「満足」の定義、質問文が不明

「五十人のうち四十九人が満足と答えた(質問文不明)」が元の事実。

よくある間違い

「二倍」「半減」を大きな変化だと思う

母数を見ます。二件→四件も二倍。

グラフの見た目の高さで判断する

軸の始まりと間隔を見て、数値を読みます。

「n=」を見ない

「n=」は母数(人数)です。小さければ割合はぶれます。

自分で確かめよう

確認1:数字の五つの確認

母数、割合か実数か、期間、比較対象、単位・定義。

確認2:グラフの四つの確認

軸の始まり、軸の間隔、期間の切り取り、項目の選び方。

確認3:「いじめが前年比二倍」で確かめること

母数(前年の件数)と、定義・数え方(認知件数は把握の丁寧さで増える)。

まとめと次の一歩

数字は母数・割合か実数か・期間・比較対象・定義の五つ、グラフは軸の始まり・間隔・期間・項目の四つで確かめます。割合は変化を大きく見せ、軸と期間の取り方で印象が変わります。

次のレッスンでは、数字やグラフを見てから元の数字に戻り、印象とのずれを書く手順を一行ずつ使えるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:数字とグラフの確認点

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    数字の五つの確認に含まれないものはどれですか。
  2. 設問 1
    「いじめの件数が前年比二倍」でまず確かめるものはどれですか。
  3. 設問 2
    「四百円→六百円」を大きく見せる表現はどれですか。
  4. 設問 3
    グラフの四つの確認はどれですか。
  5. 設問 4
    縦軸が九十から始まる棒グラフで、九十五と百の棒はどう見えますか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。