LESSON 01

一次情報と二次情報

一次情報と二次情報:出典・根拠を手順で調べる

合図から一次情報の出典を特定する、一次情報の該当部分を読む、二次情報と並べて省略・言い換え・強調を見つける、一次情報の表現で使える範囲を書き直すという四段階で、二次情報を一次情報で確かめる手順を一行ずつ使います。

一次情報と二次情報:出典・根拠を手順で調べる

このレッスンの役割

前のレッスンで、一次と二次の区別と三つの変化を知りました。ここでは、二次情報を見てから一次情報で確かめ、正確な表現に書き直すまでを一つの手順にします。入試の「資料の原文と記事を比べる」問題は、この手順そのものです。

今回の中心技能は、「出典を特定する → 一次情報の該当部分を読む → 並べて変化を見つける → 一次情報の表現で書き直す」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

記事:「市の調査によると、市内の中学生の六割が『将来この市に住み続けたくない』と答えた。若者の市離れが深刻だ。」 一次情報(市の調査報告):「『将来もこの市に住みたいか』の問いに、『住みたい』二十八%、『どちらとも言えない』三十五%、『住みたくない』二十五%、無回答十二%。」

手順で確かめます。出典:市の調査報告。該当部分:住みたいかの問い。変化:「住みたくない」二十五%と「どちらとも言えない」三十五%を足して「六割が住み続けたくない」(言い換え・強調)、「深刻だ」は記者の評価(追加)。書き直し:「市の調査では、『住みたくない』が二十五%、『どちらとも言えない』が三十五%だった。」

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 合図から一次情報の出典を特定する 「市の調査によると」→市の調査報告
2 一次情報の該当部分を読む 住みたいかの問いの回答分布
3 二次情報と並べて省略・言い換え・強調を見つける 二つの選択肢を合算、「深刻」を追加
4 一次情報の表現で使える範囲を書き直す 住みたくない二十五%、どちらとも言えない三十五%

段階1:出典の特定

合図 たどり方
「〜によると」 「〜」の名前で調査報告・発表文を探す
「出典:」 書かれた名前と日付で探す
「〜と報じられた」 報じた媒体の記事を探し、さらにその出典へ
合図なし 一次情報が不明。保留

段階2:該当部分の読み方

見るもの 今日の問いの場合
質問の文 「将来もこの市に住みたいか」
選択肢と割合 四つの選択肢
対象と人数 市内の中学生(人数は報告書で確認)
日付 報告書の日付

質問の文と選択肢を見ないと、「六割」が何を足したものか分かりません。

段階3:変化を見つける表

二次情報 一次情報 変化
六割が住み続けたくない 住みたくない二十五%+どちらとも言えない三十五% 言い換え(合算)、強調
若者の市離れ 中学生の回答 言い換え(中学生→若者)、省略(「どちらとも言えない」の扱い)
深刻だ (なし) 追加(記者の評価)

二次情報にあって一次情報にないものは「追加」です。三つの変化に加えて、追加も見ます。

段階4:書き直しの形

変化 書き直し
合算 元の選択肢ごとの割合で書く
言い換え 一次情報の語(六十分未満、中学生)に戻す
強調 省かれた側(男子の数値、「住みたい」二十八%)も添える
追加 評価の語を外す

例題:手順で通す

投稿:「新聞で見たけど、○○中では給食で何人も体調を崩したらしい。」 新聞:「市教育委員会は、給食に金属片が混入していたと発表した。配膳前に発見し、生徒への提供はなかった。」

段階 結果
1 「新聞で見た」→新聞記事。記事の出典→市教委の発表
2 発表:混入、配膳前に発見、提供なし
3 「何人も体調を崩した」は一次にも二次にもない(追加)。「提供なし」が省略
4 「金属片が配膳前に発見され、生徒への提供はなかった」

投稿は三次情報で、追加と省略が起きています。

よくある間違い

段階1で「〜によると」の名前を見て満足する

名前を見ただけでは、一次情報を読んでいません。該当部分まで行きます。

段階3で数値が合っていれば変化なしだと思う

六割は二十五+三十五で計算は合います。「何を足したか」「質問は何か」まで並べます。

段階4で二次情報の語を残す

「住み続けたくない」は二次の言い換え。一次の「住みたくない」「どちらとも言えない」に戻します。

自分で確かめよう

確認1:二次情報を一次情報で確かめる四段階

出典を特定、該当部分を読む、並べて変化を見つける、一次の表現で書き直す。

確認2:「六割が住み続けたくない」で起きた変化

「住みたくない」と「どちらとも言えない」の合算(言い換え・強調)、「深刻」の追加。

確認3:二次情報にあって一次情報にないものを何と呼びますか

追加(記者や投稿者の評価・推測)。

まとめと次の一歩

手順は、出典を特定、該当部分を読む、変化を見つける、一次の表現で書き直す、の四段階です。省略・言い換え・強調に加えて「追加」も見ます。

次のレッスンでは、一次・二次の扱いでよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:一次情報で確かめる手順

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    二次情報を一次情報で確かめる四段階の段階2は何ですか。
  2. 設問 1
    「六割が住み続けたくない」(原文:住みたくない二十五%、どちらとも言えない三十五%)で起きた変化はどれですか。
  3. 設問 2
    二次情報にあって一次情報にない「深刻だ」のような内容を何と呼びますか。
  4. 設問 3
    一次情報の該当部分で見るものとして適切でないものはどれですか。
  5. 設問 4
    「新聞で見たけど何人も体調を崩したらしい」(新聞・発表には「提供なし」)で起きていることはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。