広告・SNSの情報を検討しよう:複数資料・入試で判断する
このレッスンの役割
ここは「広告・SNSの情報を検討しよう」の出口です。二つの軸、三つの注意、四段階の手順、誤りの四つの型を、広告・口コミ・公的情報を比べる入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、利害関係を判定し、使える部分を取り出し、口コミの読み方を説明し、判断に必要な第三者の情報を書くことです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
広告・SNSは、四つの形で出ます。
- 利害関係の判定:「各資料の発信者に利害関係があるか、根拠とともに答えよ」
- 使える部分:「資料Aから、確認できる事実だけを抜き出せ」
- 口コミの読み方:「資料Cの口コミを読むときの注意点を書け」
- 必要な情報:「購入を判断するためにさらに必要な情報を書け」
総合問題
「集中力が上がる」とうたうサプリメントについて、四つの資料を読んで、あとの問いに答えなさい。
【資料A】販売会社の広告 「受験生の集中力をサポート!当社調べで利用者の九十三%が『集中できた』と回答。一日二粒、一か月分三千九百八十円。今なら初回半額。」
【資料B】動画配信者の投稿 「受験生のみんなに教えたい。このサプリ飲み始めてから勉強がはかどる!リンクから買うと千円引き。#PR」
【資料C】通販サイトの口コミ(星の平均四・六、二百十件) ・星五「飲みやすい。効いている気がする」(レビュー投稿で次回割引の対象) ・星五「子どもが集中して勉強するようになった」 ・星一「二週間飲んだが変化なし。解約の手続きが分かりにくい」 ・星二「初回半額のあと定期購入になっていて驚いた」
【資料D】消費者庁の注意喚起 「集中力の向上など、いわゆる健康食品の効果をうたう表示については、科学的根拠が確認されていないものが多く見られます。また、『初回半額』の定期購入契約に関する相談が増えています。」
問1
資料A〜Cの発信者について、利害関係の有無とその根拠を書きなさい。
問2
資料A・Bから、確認できる事実だけを抜き出しなさい。
問3
資料Cの口コミを読むときの注意点を、「報酬」「低評価」の語を使って書きなさい。
問4
このサプリメントの購入を判断するために、さらに必要な第三者の情報を一つ書きなさい。
答えと判断
問1
A:あり(販売会社。売る目的)。B:あり(「#PR」の表示と割引リンク。報酬を受けた投稿)。C:星五の一件目はあり(レビュー投稿で割引)。他は購入者で、表示上は利害関係なし(ただし推定)。
問2
A:一日二粒、一か月分三千九百八十円、初回半額(条件は要確認)。「九十三%が集中できた」は当社調べで母数・質問が不明、確認できない。B:リンクからの購入で千円引き。「勉強がはかどる」は本人の感想。
問3
星五の口コミには「レビュー投稿で割引」という報酬つきのものがあり、高評価に偏る可能性がある。低評価の口コミには「変化なし」「定期購入」という問題点が具体的に書かれていて、資料Dの注意とも一致するので、星の平均より低評価の理由を読む。
問4
販売会社と無関係の研究機関や公的機関による、このサプリメントの成分の効果についての調査結果。または、消費生活センターなどへのこの商品に関する相談の内容と件数。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1でBを「なし」 | 体験談型を感想と思う | 印象に流された判断を直す(型①) |
| 問2に「九十三%が集中できた」 | 「当社調べ」を確認できる事実と思う | 印象に流された判断を直す(型④) |
| 問3で「星四・六だから信頼できる」 | 星の平均で判断 | 印象に流された判断を直す(型②) |
| 問4で「もっと口コミを読む」 | 第三者の情報でない | 出典・根拠を手順で調べる(段階3) |
四つの資料の表
| 資料 | 利害関係 | 確認できる部分 | 感想・推測 | 扱い |
|---|---|---|---|---|
| A | あり | 価格、粒数、初回半額 | 九十三%(当社調べ)、サポート | 価格は使える。効果は根拠にならない |
| B | あり(#PR) | 千円引き | はかどる | 広告として扱う |
| C | 一部あり | 解約の手続き、定期購入(複数の報告) | 効いている気がする | 低評価の具体的な報告を参考に |
| D | なし | 科学的根拠の確認されていない表示が多い、相談増加 | ― | 使える |
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 「#PR」と割引リンクで利害関係を判定したか | B |
| 「当社調べ」を確認できる事実から外したか | Aの九十三% |
| 報酬つきの高評価と低評価の理由を分けたか | C |
| 第三者の情報を「誰の・何の」で書いたか | 問4 |
よくある間違い
資料Dを「サプリ全般の話で、この商品には関係ない」と読む
Dは「効果の表示」と「初回半額の定期購入」の両方に触れていて、AとCの内容と直接つながります。
低評価の「定期購入に驚いた」を「読まなかった人が悪い」と片づける
複数の報告があり、Dの注意とも一致します。確認できる問題点として扱います。
「必要な情報」に販売会社の追加資料を書く
利害関係のある発信者の情報では確かめたことになりません。第三者を書きます。
自分で説明しよう
確認1:広告・SNSの情報を見る二つの軸と、組み合わせごとの扱い
利害関係の有無×確認できるか。あり・できる→事実の部分は使う。あり・できない→広告の感想。なし・できる→使える。なし・できない→一人の感想。
確認2:使える部分を取り出す四段階
利害関係を判定、確認できる部分と感想に分ける、一次情報で確かめる、使える・使えないを分けて書く。
確認3:広告・SNSの誤りの四つの型
体験談型を感想と思う、星の平均で判断、拡散回数を確認の代わりに、「当社調べ」を第三者と思う。
セクションの出口
広告・口コミ・公的情報の利害関係を表示と目的で判定し、確認できる部分を抜き出し、口コミを報酬と低評価の観点で読み、第三者の情報を具体的に書けたら完了です。
次のセクション「複数の情報源を比べよう」では、ここまで個別に見てきた資料を並べて、共通する事実と食い違う主張を区別する方法を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。