写真・見出し・切り取り:印象に流された判断を直す
このレッスンの役割
切り取りの読み取りの誤りは、見出しを要約と思う、引用符を信じる、写真を証拠と思う、別の時間・場面の写真を今と思う、の四つに分けられます。ここでは、それぞれを型に分け、直します。
今回の中心技能は、切り取りの誤りを四つの型のどれかで言い、直せることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「見出しに『市長「図書館は不要」』とあるから、市長は図書館に反対している。記事は読まなくても分かる。」
見出しは記事の要約ではなく、読ませるために選んだ一部です。本文では市長は「建てるべきだ」と言っています。型①「見出しを要約と思う」です。本文で前後を確かめます。
誤りの四つの型
| 型 | 起きていること | 例 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| ① 見出しを要約と思う | 見出しだけで記事の内容を決める | 「図書館は不要」で反対と決める | 本文で前後・条件を確かめる |
| ② 引用符を信じる | 中の言葉が正確なら意味も正確と思う | 「反対だ」だけで全面反対と読む | 発言全体で条件・前後を確かめる |
| ③ 写真を証拠と思う | 一枚の写真で全体を判断する | 行列の先頭で大人気と思う | 枠の外、他の写真を確かめる |
| ④ 別の時間・場面 | 古い写真、別の場所の写真を今の出来事と思う | 三日前の避難所の写真で「今も支援なし」 | 撮影日時と場所を確かめる |
型①を直す:見出しと本文
| 見出しの役割 | 本文の役割 |
|---|---|
| 読ませる(強い語、短さ) | 条件・前後・全体を書く |
| 一部を選ぶ | 全体を示す |
見出しは「本文を読む理由」で、「本文の代わり」ではありません。
型②を直す:引用の三つの確認
| 確認 | 問い |
|---|---|
| 条件 | 「〜なら」「〜の場合」が引用の外にないか |
| 前後 | 「しかし」「だから」が直後にないか |
| 誰の言葉か | 本人の意見か、他人の意見を紹介した部分か |
今日の問いの市長の発言は、三つ目(「と言う人もいる」)です。
型③を直す:写真の枠の外
| 写真 | 問い |
|---|---|
| 行列 | 行列の最後尾はどこか。他の時間帯は |
| 満員 | 写っていない席は。会場全体は |
| 荒れた部屋 | 他の部屋は。片づけの前か後か |
| 一人の表情 | 前後の瞬間は。何に対する表情か |
一枚の写真は「その枠の中のその瞬間」だけを示します。
型④を直す:時間と場所
| 確認 | 方法 |
|---|---|
| 撮影日時 | 投稿日でなく撮影日。画像の情報、同じ写真の初出 |
| 場所 | 看板、背景、投稿者の説明との一致 |
| 使い回し | 同じ写真が過去の別の出来事で使われていないか |
災害や事件のときに、過去の写真や別の場所の写真が「今の写真」として広まることがあります。
例題:どの型か
「SNSで『○○中の校舎が崩れた』という写真が回ってきた。すぐ共有した。」
型④の可能性。撮影日時と場所を確かめる。別の学校、別の年の写真かもしれない。
「記事の見出しが『生徒の七割が制服廃止に賛成』だから、本校も廃止すべきだ。」
型①。本文を読むと「サイトで回答した三百人の七割」で、全校の七割ではない(調査対象と偏り)。
よくある間違い
見出しは「新聞社が要約した」から正確だと思う
見出しは要約でなく「読ませるための一部」です。新聞でも同じ。
引用符があれば「本人がそう言った」で終わりにする
言ったことは本当でも、条件と前後で意味が変わります。
写真を「加工されていなければ本物」と思う
加工がなくても、枠と時間の切り取りで意味は変わります。
自分で確かめよう
確認1:切り取りの読み取りの誤りの四つの型
見出しを要約と思う、引用符を信じる、写真を証拠と思う、別の時間・場面。
確認2:引用を確かめる三つの確認
条件、前後、誰の言葉か。
確認3:災害の写真で確かめること
撮影日時(投稿日でなく)と場所、過去の別の出来事での使い回しがないか。
まとめと次の一歩
切り取りの誤りは、見出しを要約、引用符を信じる、写真を証拠、別の時間・場面、の四つに分けられます。本文で確かめる、発言全体で確かめる、枠の外を問う、日時と場所を確かめる、で直します。
次のレッスンでは、見出し・引用・写真を含む複数の資料を読む入試形式の問題で、四段階と四つの型を通して使います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。