感情を動かす言葉に注意しよう:出典・根拠を手順で調べる
このレッスンの役割
前のレッスンで、四つの型と合図の語を知りました。ここでは、感情を動かす情報を見てから判定を出すまでを一つの手順にします。最初の段階が「自分の感情を書く」であるのが、他の手順と違う点です。感情に気づくことが、確かめる前に判断するのを止める一歩です。
今回の中心技能は、「感情を書く → 語に印をつけて型を書く → 事実の部分を残す → 五つの問いで判定する」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
投稿:「緊急拡散希望!市内の公園で子どもを連れ去ろうとする不審者が多発。もう公園には行かせられない。親なら全員シェアして!」
手順で確かめます。感情:怖い、子どもを守りたい。語と型:緊急・拡散希望(恐怖・急がせる)、多発(誇張の可能性)、もう行かせられない(断定)、親なら全員(期待・同調)。事実の部分:市内の公園で不審者の件があった(件数・日時・出典不明)。五つの問い:誰が(不明)、根拠(不明)、他は(警察・市の発表を未確認)。判定:保留。次の行動:警察・市の不審者情報を確かめる。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 今日の問いの場合 |
|---|---|---|
| 1 | 自分の感情の動きを一言で書く | 怖い、守りたい |
| 2 | 感情を動かす語に印をつけ、型を書く | 緊急・拡散(恐怖)、多発(誇張)、もう〜ない(断定)、親なら全員(同調) |
| 3 | 語を抜いて事実の部分だけを残す | 公園で不審者の件があった(件数・日時・出典不明) |
| 4 | 残った事実に五つの問いを当てて判定する | 誰が不明、根拠不明、他は未確認→保留 |
段階1:感情を書く理由
| 感情 | 起きやすいこと |
|---|---|
| 怖い | すぐ共有する、避ける |
| 腹が立つ | 相手を責める、反論を広める |
| うれしい・得をしたい | すぐ買う、申し込む |
| 同情する | 寄付する、拡散する |
感情を書くと、「今、自分は急がされている」と気づけます。
段階2:印と型の表
| 語 | 型 |
|---|---|
| 緊急、今すぐ、手遅れ | 恐怖(急がせる) |
| 多発、激増、史上 | 誇張 |
| もう〜ない、間違いない、必ず | 断定 |
| 全員、親なら、あなたも | 同調(期待の一種) |
| 拡散希望、シェアして | 行動の勧め |
「行動の勧め」の語は、感情を行動に変える語です。印をつけます。
段階3:事実の部分の書き方
| 残す | 添える |
|---|---|
| 何が起きたか(不審者の件) | 件数・日時・場所の有無 |
| 誰が言っているか | 名前の有無 |
| 数値 | 母数の有無 |
「不明」を添えると、段階4で問うべきことが見えます。
段階4:判定と行動
| 判定 | 行動 |
|---|---|
| 使える | 出典を示して伝える |
| 条件つき | 確かめられた部分だけ伝える |
| 保留 | 共有しない。公式の情報を確かめる |
恐怖をあおる情報は「共有しない」が保留の行動です。共有は、確かめた後です。
例題:手順で通す
広告:「今だけ半額!驚異の合格率九十五%!この講座で誰でも志望校に受かる。残り三席。」
| 段階 | 結果 |
|---|---|
| 1 | 急がないと損しそう |
| 2 | 今だけ・残り三席(期待・急がせる)、驚異の(誇張)、誰でも(断定)、受かる(期待) |
| 3 | 講座がある。合格率九十五%と言っている(母数・定義不明)。半額(通常価格不明) |
| 4 | 誰が(講座の運営、売る目的)、根拠(合格率の母数・定義なし)→条件つき。母数と定義を確かめてから |
よくある間違い
段階1を飛ばす
感情に気づかないまま段階2に進むと、「怖いから本当だ」が残ります。
段階2で一つの型だけ書く
複数の型が重なっています。語ごとに型を書きます。
段階4で「怖いから念のため共有」する
保留は共有しないこと。確かめてからでも遅くありません。誤った情報を広める方が害があります。
自分で確かめよう
確認1:感情を動かす情報を確かめる四段階
感情を書く、語に印をつけて型を書く、事実の部分を残す、五つの問いで判定する。
確認2:「緊急拡散希望!不審者が多発」の事実の部分
公園で不審者の件があった(件数・日時・出典は不明)。
確認3:恐怖をあおる情報を「保留」と判定したときの行動
共有せず、警察や市の公式情報を確かめる。
まとめと次の一歩
手順は、感情を書く、語に印と型、事実の部分を残す、五つの問いで判定、の四段階です。感情に気づくことが最初で、保留なら共有しません。
次のレッスンでは、感情を動かす言葉の読み取りでよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。
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