情報の信頼性マスターチェック:印象に流された判断を直す
このレッスンの役割
各セクションで「誤りの四つの型」を学びました。ここでは、それら全部を四つの大きな型にまとめます。自分の答案が減点されたとき、「どの大きな型の、どの小さな型か」が言えれば、戻るレッスンが決まり、同じ誤りを繰り返さなくなります。
今回の中心技能は、答案の誤りを四つの大きな型に分類し、その下の小さな型を言い、直せることです。目安時間は9分です。
今日の問い
「市民団体のチラシは反対の立場だから、書いてある数字も信用できない」と答えた人がいます。どの大きな型でしょうか。
立場を理由に、確かめずに内容ごと捨てています。チラシの「五割値上げ」は正しい計算でした。大きな型②「確かめずに否定する」の中の「感情の語・立場があれば全部うそ」です。語を外し、事実の部分を確かめてから判定します。
四つの大きな型
| 大きな型 | 起きていること | その下の小さな型 |
|---|---|---|
| ① 確かめずに信じる | 印象・形・口調で受け入れる | 多数・権威・一致・感情、形で目的を決める、媒体と発信者の取り違え、合図で確かめた気になる、見出しを要約と思う、引用符を信じる、写真を証拠と思う、強い口調を確かさと受け取る、星の平均、拡散回数、「当社調べ」、念のためで広める |
| ② 確かめずに否定する | 立場・語・形で内容ごと捨てる | 売る=全部うそ、感情の語があれば全部うそ、偏りで全部捨てる、食い違えばどちらかがうそ、目的を見て事実を捨てる |
| ③ 範囲を広げすぎる | 一部・一時・一面を全体にする | 人数で代表性、自由参加を全体の声、数が多ければ十分、話題が同じなら根拠、比較なしで多い・少ない、短期を傾向、平均で全体、一つの資料で全体、肩書きの当てはめすぎ、対象の取り違え、同じ立場を集める、多い方が正しい |
| ④ 使うときに変える | 受け取った情報を自分が変えてしまう | 評価つきの事実、原因の推測を事実に、断定の推測を事実に、二次を一次と思う、合算・言い換え・切り取り、出典なし、混ざる、意味を変える、二次情報を出典に、抽象的に書く |
大きな型①を直す
| 共通の道具 | 使い方 |
|---|---|
| 五つの問い | 印象が動いたら、①誰が ③何を根拠に ⑤他は、に戻る |
| 表示と出典の三点 | 「#PR」、名前・日付・資料名を確かめる |
| 元をたどる | 本文・発言全体・一次情報・元の投稿へ |
「信じる」の前に「確かめる手段があるか」を問います。
大きな型②を直す
| 共通の道具 | 使い方 |
|---|---|
| 語を外す | 感情の語・評価の語を抜き、事実の部分を残す |
| 部分ごとに判定 | 一致する部分と確かめられない部分を分ける |
| 食い違いの理由 | 立場・調べ方・時期で説明し、「うそ」と書かない |
「否定する」の前に「事実の部分は何か」を問います。
大きな型③を直す
| 共通の道具 | 使い方 |
|---|---|
| 範囲を限る | 「〜の中では」「〜の範囲では」「〜年から〜年の間では」 |
| 三つの条件 | 関係・量・質で、主張の範囲と資料の範囲を照らす |
| 比較対象 | 多い・少ないには必ず比較対象を添える |
「全体」と言う前に「資料の範囲はどこまでか」を問います。
大きな型④を直す
| 共通の道具 | 使い方 |
|---|---|
| 三つの問い | 確かめられるか・価値の語・推量の文末で、事実・意見・推測を分ける |
| 元と照らす | 数値・対象・条件・前後が変わっていないか |
| 三つの約束 | 分ける・出典を示す・意味を変えない |
「書く」前に「元の資料と同じ意味か」を問います。
診断の手順
| 段階 | 問い |
|---|---|
| 1 | 答案は、確かめずに受け入れていないか → 型① |
| 2 | 答案は、立場や語で内容ごと捨てていないか → 型② |
| 3 | 答案は、一部の結果を全体に広げていないか → 型③ |
| 4 | 答案は、元の資料の意味・数値・条件を変えていないか、出典と自分の考えを分けているか → 型④ |
一つの答案が二つの型にまたがることもあります。四段階を最後まで通します。
例題:診断する
答案:「新聞によると中学生の三人に一人が本を読まない。これは深刻な問題なので、学校は全員に読書を義務づけるべきだ。」
段階1:「新聞によると」で確かめた気になっている → 型①(合図で確かめた気になる)。段階3:原文は中学二年生、教科書・漫画を除く冊数 → 型③(対象の広げすぎ)。段階4:出典が二次情報で三点なし、「深刻」が資料の内容と混ざる → 型④。直し:「県の令和五年の調査によれば、県内の中学二年生の三割が一か月に教科書と漫画以外の本を一冊も読んでいない。私は、本を選ぶ手助けが必要だと考える。」
よくある間違い
減点されたら資料を読み直すだけ
どの型かを言わないと、同じ誤りを繰り返します。診断の四段階を通します。
型①と型②を「反対だから両方には当たらない」と思う
同じ人が、自分に合う情報は型①、合わない情報は型②で扱うことがあります。両方を疑います。
型④を「書くときだけの話」と思う
要約や抜き出しの設問でも、合算・言い換えをすれば型④です。読む設問にも当てはまります。
自分で確かめよう
確認1:四つの大きな型
確かめずに信じる、確かめずに否定する、範囲を広げすぎる、使うときに変える。
確認2:「反対の立場だから数字も信用できない」の型と直し方
大きな型②。語と立場を外し、事実の部分(五割は正しい計算)を確かめてから判定する。
確認3:それぞれの大きな型を直す前に問うこと
①確かめる手段があるか、②事実の部分は何か、③資料の範囲はどこまでか、④元の資料と同じ意味か。
まとめと次の一歩
コースの誤りは、信じる・否定する・広げすぎる・変える、の四つの大きな型にまとめられ、それぞれに共通の道具と、判断前に問うことがあります。答案は診断の四段階で型を決めてから直します。
次のレッスンでは、コース全体の総合問題で、五つの問いと統合手順を本番の形で使います。
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