LESSON 01

根拠は主張に合っているか

根拠は主張に合っているか:出典・根拠を手順で調べる

主張を要素と範囲に分ける、資料の要素と範囲を書き出す、関係・量・質を一つずつ判定する、欠けた条件を補う資料を具体的に挙げるという四段階で、資料が主張の根拠になるかを判定し、不足を補う手順を一行ずつ使います。

根拠は主張に合っているか:出典・根拠を手順で調べる

このレッスンの役割

前のレッスンで、三つの条件を知りました。ここでは、主張と資料を並べて三つの条件を判定し、欠けた条件を補う資料を考えるまでを一つの手順にします。入試の「資料を根拠として用いる際の問題点を指摘し、必要な資料を挙げよ」は、この手順で答えます。

今回の中心技能は、「主張を要素と範囲に分ける → 資料の要素と範囲を書き出す → 三つの条件を判定する → 欠けた条件を補う資料を挙げる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

主張:「本市の中学生は、他の市より睡眠時間が短い。」 資料:「本市の中学二年生二百人の調査で、平均睡眠時間は六時間四十分だった。」

手順で判定します。主張の要素:睡眠時間が短い/範囲:本市の中学生、他の市との比較。資料の要素:平均睡眠時間/範囲:本市の中学二年生二百人。関係:○(睡眠時間)。量:二百人は使えるが、二年生だけ。質:確かめられるが、「他の市」の数値がない(比較の範囲が欠ける)。補う資料:他の市(または全国)の同じ条件の調査の平均睡眠時間。

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 主張を要素と範囲に分ける 要素:睡眠時間が短い。範囲:本市の中学生、他市と比較
2 資料の要素と範囲を書き出す 要素:平均睡眠時間。範囲:本市二年生二百人
3 関係・量・質を一つずつ判定する 関係○、量△(二年生のみ)、質×(比較対象なし)
4 欠けた条件を補う資料を具体的に挙げる 他市または全国の中学生の平均睡眠時間(同じ条件)

段階1:主張の分け方

主張 要素 範囲
本市の中学生は他市より睡眠時間が短い 睡眠時間が短い 本市の中学生/他市との比較
本校の生徒は読書が好きだ 読書が好き 本校の生徒全体
この町の商店街は衰退している 衰退(店数・売上の減少) この町の商店街/数年の推移

「比較」「推移」は範囲の一部です。「他より」「以前より」があれば、比較対象が必要です。

段階2:資料の書き出し

書き出すもの 例
要素(何を測ったか) 平均睡眠時間
対象 本市の中学二年生
数 二百人
時期 調査の年
比較対象 なし

段階3:判定の表

条件 問い 判定の書き方
関係 資料の要素は主張の要素と同じか ○/△(近いが別)/×
量 数・期間は主張の範囲に対して十分か ○/△/×
質 確かめられるか、対象・時期・場所・比較対象は合うか ○/△/×

△や×には、理由を一言添えます(「二年生のみ」「比較対象なし」)。

段階4:補う資料の挙げ方

欠けた条件 補う資料
関係× 主張の要素を直接測った資料(成績なら点数の変化)
量× 人数・期間を増やした資料(全学年、数年分)
質(範囲)× 主張と同じ対象・時期・場所の資料、比較対象の資料
質(確かめ)× 出典のある一次資料

「もっと調べる」ではなく、「何を・誰について・いつの」資料かを書きます。

例題:手順で通す

主張:「新しい通学路は安全になった。」 資料:「通学路の変更後一か月、事故の報告はなかった。」

段階 結果
1 要素:安全(事故の減少)。範囲:変更前との比較
2 要素:事故の報告なし。範囲:変更後一か月
3 関係○、量×(一か月)、質×(変更前の数値なし)
4 変更前の同じ期間の事故件数、変更後の数か月〜一年の件数、ヒヤリとした事例の記録

よくある間違い

段階1で範囲を書かない

「他市より」「以前より」を見落とすと、比較対象の欠けに気づけません。

段階3で一つの条件だけ判定する

関係が○でも、量と質が×なら根拠になりません。三つ全部を判定します。

段階4で「もっと調査が必要」と書く

具体的に「何を・誰について・いつの」まで書かないと、記述の得点になりません。

自分で確かめよう

確認1:根拠を判定する四段階

主張を要素と範囲に分ける、資料の要素と範囲を書き出す、三つの条件を判定、欠けた条件を補う資料を挙げる。

確認2:「本市の中学生は他市より睡眠時間が短い」の資料に欠けていた条件と補う資料

質(比較対象なし)。他市または全国の中学生の同じ条件の平均睡眠時間。

確認3:「変更後一か月、事故なし」で安全を主張するときの不足

量(一か月は短い)、質(変更前の数値がない)。

まとめと次の一歩

手順は、主張を要素と範囲に、資料を要素と範囲に、三つの条件を判定、補う資料を挙げる、の四段階です。「比較」「推移」は範囲に含め、補う資料は具体的に書きます。

次のレッスンでは、根拠の対応でよく起きる誤りを四つの型に分け、直せるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:根拠を判定し補う手順

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    根拠を判定する四段階の段階1は何ですか。
  2. 設問 1
    「本市の中学生は他市より睡眠時間が短い」の範囲に含まれるものはどれですか。
  3. 設問 2
    「本市の中学二年生二百人の平均睡眠時間は六時間四十分」が「他市より短い」の根拠として欠けている条件はどれですか。
  4. 設問 3
    補う資料の挙げ方として適切なものはどれですか。
  5. 設問 4
    「通学路変更後一か月、事故の報告なし」で「安全になった」と主張するときに欠ける条件はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。