発信者と出典を確かめよう:確かめる観点をつかむ
このレッスンの役割
五つの問いの①「誰が」を深めます。同じ内容でも、市役所が発表したのと、名前の分からない人が投稿したのとでは、情報の重みが違います。ここでは、発信者を四つに分け、出典を三つの点で見て、責任の所在を確かめる観点をつかみます。
今回の中心技能は、発信者の種類を言い、出典の三つの点を確かめ、責任の所在を説明できることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「台風で明日の学校は休校です。」
この一文が、学校の公式ページに載っていたら信じられます。クラスの友人のメッセージなら「学校が言ったの?」と聞き返します。内容は同じです。違いは、発信者が「休校を決める立場」かどうか、つまり責任の所在です。
発信者の四つの種類
| 種類 | 例 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 当事者 | 学校、市役所、企業(自社のこと) | 一次情報を持ち、責任がある | 自分に不利なことは控えめになりうる |
| 専門機関・専門家 | 研究所、学会、その分野の専門家 | 確かめる方法を持つ | 専門外には及ばない |
| 報道 | 新聞、テレビ、通信社 | 出典を示し、訂正の仕組みがある | 見出しは短く、切り取りが起きる |
| 個人 | SNSの利用者、ブログ | 経験や感想は貴重 | 責任の所在が不明、伝聞が多い |
種類は上下ではなく、「何について信頼できるか」の違いです。個人の体験談は、当事者の発表では分からない実感を伝えます。
出典を見る三つの点
| 点 | 問い | 例 |
|---|---|---|
| 名前 | 誰が(組織名・個人名) | 市教育委員会、○○新聞 |
| 日付 | いつ | 十月二日 |
| 場所 | どこで(媒体・ページ) | 公式サイト、紙面、投稿 |
三つのどれかが欠けると、確かめに行けません。「専門家によると」「ある調査では」は、名前が欠けています。
責任の所在
| 問い | 見方 |
|---|---|
| 誤りがあったとき、誰が訂正するか | 組織名があれば訂正の責任がある |
| 内容について説明を求められるのは誰か | 当事者・専門機関は説明する立場 |
| 発信者は内容を決める立場か | 休校を決めるのは学校。友人ではない |
責任の所在が明らかな情報は、誤りがあっても訂正され、確かめに行けます。
例題:発信者を分ける
| 情報 | 発信者 | 種類 | 責任 |
|---|---|---|---|
| 市教育委員会の発表文 | 市教委 | 当事者 | 明確 |
| ○○新聞の記事(市教委の発表による) | 新聞 | 報道 | 明確(出典も明記) |
| 「ゆうき」の投稿 | 個人 | 個人 | 不明 |
| 「専門家によると〜」(名前なし) | 不明 | 不明 | 不明 |
「誰が」で変わること
| 内容 | 当事者が言う | 個人が言う |
|---|---|---|
| 明日は休校 | 決定(使える) | 伝聞(確かめる) |
| この商品は安全 | 自社の主張(目的に注意) | 体験(一人の範囲) |
| 給食に金属片 | 確認済みの事実 | 「らしい」(保留) |
よくある間違い
個人の情報を全部信用しない
個人の体験談は、当事者が言わない実感や問題を伝えます。「責任が不明」と「価値がない」は別です。
当事者なら全部正しいと思う
当事者は自分に有利に伝えることがあります。②「何のために」と組み合わせて見ます。
出典に名前があれば十分だと思う
日付と場所がないと、古い情報や改変された情報を確かめられません。三つ揃えます。
自分で確かめよう
確認1:発信者の四つの種類
当事者、専門機関・専門家、報道、個人。
確認2:出典を見る三つの点
名前、日付、場所。
確認3:「休校」の情報で、学校と友人の違いは何ですか
休校を決める立場(責任の所在)が学校にあり、友人にはない。
まとめと次の一歩
発信者は当事者・専門機関・報道・個人の四種類で、それぞれ信頼できる範囲が違います。出典は名前・日付・場所の三つで見て、責任の所在を確かめます。
次のレッスンでは、発信者と出典を確かめて「どこまで使えるか」を決める手順を一行ずつ使えるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。