前後の文脈から意味を推測しよう:手掛かりから意味を決める
このレッスンの役割
前のレッスンで、四つの合図を知りました。ここでは、合図を使って未知の語の意味を決める手順を一つに決め、どんな文章でも同じ順で使えるようにします。
今回の中心技能は、「合図を探す → 説明を抜き出す → 仮の意味を置く → 文に戻して確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
彼女の話には脈絡がなかった。話題が次々に飛び、前の話と後の話がどうつながるのか、聞いている側には分からなかったのだ。
「脈絡」の意味を手順で決めます。合図は「〜のだ」(説明の文末)と、次の文が具体的な様子になっていること。説明は「前の話と後の話がどうつながるのか分からない」。仮の意味は「話のつながり」。文に戻すと「彼女の話にはつながりがなかった」。通るので確定です。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「脈絡」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 合図を探す | 次の文が具体的な様子(具体例) |
| 2 | 説明を抜き出す | 「前の話と後の話がどうつながるのか分からない」 |
| 3 | 仮の意味を置く | 話のつながり、筋道 |
| 4 | 文に戻して確かめる | 「話にはつながりがなかった」→ 通る |
段階4で通らなければ、段階1に戻って別の合図を探します。
例題1:言い換えの合図
その政策は場当たり的だった。すなわち、長期的な見通しなしに、その場その場で対応を決めていたのである。
- 合図:「すなわち」
- 説明:長期的な見通しなしに、その場その場で対応を決める
- 仮の意味:計画なしにその場で決めるやり方
- 戻す:「その政策は、計画なしにその場で決めるやり方だった」→ 通る
例題2:対比の合図
本当の友情とは、相手に迎合することではなく、必要なときには率直に意見を言うことだ。
- 合図:「〜ではなく」
- 説明:「率直に意見を言う」の反対
- 仮の意味:相手に合わせて、自分の意見を言わないこと
- 戻す:「相手に合わせて意見を言わないことではなく、率直に言うこと」→ 通る
例題3:因果の合図
祖父は頑健だった。だから、八十歳を過ぎても毎朝五キロ歩くことができたのだ。
- 合図:「だから」
- 説明:八十歳を過ぎても毎朝五キロ歩ける(結果)
- 仮の意味:体が丈夫で健康なこと
- 戻す:「祖父は体が丈夫だった。だから毎朝五キロ歩けた」→ 通る
合図の言葉がないとき
合図の言葉がなくても、次の文が具体的な様子や言い換えになっていることがあります。「今日の問い」の「脈絡」がその例です。語の次の文を読んで、「これは語の説明か」と問います。説明になっていれば、合図の言葉がなくても段階2に進めます。
段階3のコツ
仮の意味は、難しい語を使わず、小学生に説明するつもりで短く置きます。「場当たり的=計画なしにその場で決める」のように、「〜こと」「〜やり方」の形にすると、記述の答えにもそのまま使えます。
よくある間違い
段階1を飛ばして語の字面で決める
「脈絡」を「血管」と読んでしまうように、字面だけでは外れます。文脈の合図が先です。
段階2で説明を短く切りすぎる
「場当たり的」の説明を「その場」だけ抜き出すと意味が取れません。説明は一文丸ごと見ます。
段階4を省く
仮の意味を文に戻して通るかを見ないと、思い込みが残ります。十秒で済むので必ずやります。
自分で確かめよう
確認1:「彼は寛容だ。部下の失敗を責めず、次にどうすればよいかを一緒に考える」の「寛容」を四段階で
合図:次の文が具体的な様子 → 説明:失敗を責めず一緒に考える → 仮の意味:心が広く、人の失敗を受け入れる → 戻す:「彼は心が広い」→ 通る。
確認2:「これは一時的な流行ではなく、恒常的な変化だ」の「恒常的」を四段階で
合図:「〜ではなく」 → 説明:「一時的」の反対 → 仮の意味:ずっと続く → 戻す:「一時的ではなく、ずっと続く変化」→ 通る。
確認3:段階4で通らなかったら、どうしますか
段階1に戻って、別の合図を探します。前の文や次の段落まで範囲を広げます。
まとめと次の一歩
手順は、合図を探す、説明を抜き出す、仮の意味を置く、文に戻して確かめる、の四段階です。合図の言葉がなくても、次の文が説明になっていれば使えます。仮の意味は短く易しい言葉で置きます。
次のレッスンでは、文脈推測でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。