LESSON 01

類義語を使い分けよう

類義語を使い分けよう:初見文・入試で使う

初見の文章で、類義語の空欄補充、人物評価の読み取り、記述での語の選択を入試形式で解き、三つの軸を本番で使える形にまとめます。

類義語を使い分けよう:初見文・入試で使う

このレッスンの役割

ここは「類義語を使い分けよう」の出口です。三つの軸、四段階の手順、誤りの四つの型を、初見の文章に付いた入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、類義語の空欄補充を軸で解き、語の選択から筆者の評価を読み、記述で文脈に合う語を選ぶことです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

類義語は、三つの形で出ます。

  1. 空欄補充:「空欄に入る語として最も適切なものを選べ」。選択肢に核の同じ語が並び、軸で絞ります。
  2. 人物評価:「筆者は〜をどのように見ているか」。筆者が選んだ語の印象から答えます。
  3. 記述:「〜を別の言葉で言い換えよ」「〜字以内で説明せよ」。文脈に合う軸の語を自分で選びます。

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

祖父は、村でただ一人の時計職人だった。どんな小さな部品も①(  )に磨き、一日に一つの時計しか直さなかった。近所の人は「②のんびりした人だ」と言ったが、祖父の直した時計は何十年も狂わなかった。私は、祖父の仕事ぶりを③悠長だとは思わない。むしろ、時間をかけることで品質を守る④姿勢だったのだと、今は思う。

問1

①に入る語として最も適切なものを選びなさい。

ア 神経質 イ 丹念 ウ 細かく エ しつこく

問2

②「のんびりした」と③「悠長」は、同じ祖父の仕事ぶりを指している。この二語に共通する印象と、筆者がそれをどう見ているかを説明しなさい。

問3

④「姿勢」を、同じ意味の別の語に言い換えなさい。

ア 体勢 イ 態度 ウ 格好 エ 形

問4

筆者が祖父の仕事ぶりをプラスに評価していることが分かる語を、本文から二つ抜き出しなさい。

答えと判断

問1

イ。核は「細かく注意して」。文脈は「何十年も狂わなかった」というプラスの結果につながるので、プラスの語。「丹念」はプラス、「神経質」「しつこく」はマイナス、「細かく」は中立。印象の軸です。

問2

共通する印象は「時間がかかりすぎる、急がない」というややマイナスの評価。筆者は「悠長だとは思わない」「むしろ〜品質を守る姿勢」と述べ、その評価を否定してプラスに見ている。

問3

イ。「姿勢」はここでは「物事に向かう心構え」なので「態度」。「体勢」「格好」「形」は体の向きという物理的な核で、ここでは合いません。

問4

「丹念」(問1の答え)と「品質を守る」。または「狂わなかった」。プラスの語の選択が筆者の評価です。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1でア 印象の取り違え 誤った言い換えを直す(型①)
問2で「筆者ものんびりしていると思っている」 「〜とは思わない」の否定を見落とし、印象を逆に読んだ 誤った言い換えを直す(型①)
問3でア 核が違う語を選んだ 誤った言い換えを直す(型④)
問4で「のんびり」 マイナスの語をプラスと取り違えた 意味の核をつかむ(印象の軸)

人物評価を語から読む

筆者が選んだ語 評価
丹念、綿密、慎重、率直、倹約 プラス
しつこい、細かすぎる、臆病、無遠慮、けち マイナス
「〜だとは思わない。むしろ〜」 前の評価を否定し、後の評価を採る

設問「筆者はどう見ているか」は、語の印象と、否定・逆接の構造で答えます。

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
核をそろえたか 核の違う選択肢を外したか
文脈の条件を読んだか 評価語・程度語・文体
印象の向きは合うか プラスの文脈にマイナスの語を入れていないか
否定・逆接を見たか 「〜とは思わない」「むしろ」の後が筆者の評価
記述の語は文脈に合うか 入れて読んで通るか

よくある間違い

選択肢の中で一番「強そうな」語を選ぶ

強さは文脈の程度語で決まります。強い語が正解とは限りません。

人物評価を自分の感想で答える

筆者の評価は、筆者が選んだ語と文の構造から読みます。自分がどう思うかではありません。

「同じ意味の語」を核の違う語から選ぶ

「姿勢=体勢」のように、字面が似ていて核が違う選択肢に注意します。

自分で説明しよう

確認1:類義語の空欄補充で、文脈の条件からどの軸を使うかを決める方法

評価語なら印象、程度語なら強さ、文体や相手なら場面の軸です。

確認2:「〜だとは思わない。むしろ〜」の構造で、筆者の評価はどこにありますか

「むしろ」の後です。前の評価は否定されています。

確認3:筆者の人物評価を読む手掛かり

筆者が選んだ語の印象(プラスかマイナスか)と、否定・逆接の構造です。

セクションの出口

初見文で、類義語の空欄補充を軸で解き、語の印象から筆者の評価を読み、記述で文脈に合う語を選べたら完了です。

次のセクション「対義語から意味を捉えよう」では、反対の関係を使って言葉の意味を明確にし、文章中の対比を正確に読む方法を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:類義語を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「どんな小さな部品も( )に磨き、……祖父の直した時計は何十年も狂わなかった」に入る語はどれですか。
  2. 設問 1
    「時間をかけることで品質を守る姿勢」の「姿勢」の言い換えとして適切なのはどれですか。
  3. 設問 2
    「私は祖父の仕事ぶりを悠長だとは思わない。むしろ……」から分かる筆者の評価はどれですか。
  4. 設問 3
    「丹念」「綿密」「率直」「倹約」に共通する印象はどれですか。
  5. 設問 4
    類義語の空欄補充で、「一番強そうな語を選ぶ」のが誤りである理由はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。