上位語・下位語で言葉を整理しよう:初見文・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「上位語・下位語で言葉を整理しよう」の出口です。階層の仕組み、段を合わせる四段階の手順、誤りの四つの型を、初見の説明文に付いた入試形式の問題で通して使います。
中心技能は、設問の求める段を読み、本文の階層で例・総称を抜き出し、字数に応じて抽象度を調節して記述することです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
階層は、三つの形で出ます。
- 例の抜き出し:「──線部の例として本文に挙げられているものを二つ抜き出せ」
- 総称の抜き出し:「〜をまとめて本文では何と呼んでいるか」
- 字数指定の記述:「〜について四十字以内で説明せよ」(字数が段を決める)
どれも、設問の言葉で段を決め、本文の階層で答えます。
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
地域には、昔から伝わる①年中行事がある。春の田植え祭り、夏の盆踊り、秋の収穫祭、冬の火祭りなどだ。これらは、季節の節目を地域の人々が共に祝う②営みであり、人と人とをつなぐ役割を果たしてきた。しかし近年、担い手の減少で③途絶える行事が増えている。行事が消えると、失われるのは祭りそのものだけではない。準備のために集まり、役割を分け、世代を超えて技を伝える、④そうした機会が丸ごと失われるのだ。
問1
①「年中行事」の例として本文に挙げられているものを二つ抜き出しなさい。
問2
「田植え祭り」「盆踊り」「収穫祭」「火祭り」を、本文ではまとめて何と呼んでいるか。四字で抜き出しなさい。
問3
④「そうした機会」とは何か。本文の言葉を使って三十字以内で説明しなさい。
問4
行事が消えることで失われるものについて、筆者の考えを十五字以内でまとめなさい。
答えと判断
問1
「田植え祭り」「盆踊り」(収穫祭、火祭りも可)。「例」は下位語。「〜などだ」の前に並んでいます。
問2
「年中行事」。四字の指定で、隣の上位語です。「営み」は二字で、さらに上の段。
問3
「準備で集まり、役割を分け、世代を超えて技を伝える機会。」(二十七字)。「そうした」は直前の三つの具体例(下位語)をまとめる語。三十字なら具体例を圧縮して入れられます。
問4
「人と人とをつなぐ機会。」(十一字)。十五字では具体例は入らないので、上位語「人と人とをつなぐ役割」「機会」で書きます。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で「営み」 | 段の取り違え(上位語を答えた) | 誤った言い換えを直す(型①) |
| 問2で「営み」(字数無視) | 段の飛ばしすぎ | 誤った言い換えを直す(型④) |
| 問3で「田植え祭りなど」 | 「そうした」の指す段を誤った | 手掛かりから意味を決める(段階2) |
| 問4に「田植え祭り」を入れた | 字数と段が合わない | 手掛かりから意味を決める(例題3) |
字数と段の対応
| 字数 | 使う段 | 問の例 |
|---|---|---|
| 十五字以内 | 上位語だけ | 問4:人と人とをつなぐ機会 |
| 三十字以内 | 上位語+具体例の圧縮 | 問3:準備で集まり〜技を伝える機会 |
| 六十字以上 | 具体例を一部含めてよい | 田植え祭りなどの行事を通じて〜 |
字数は、どの段で書くかの指示だと読みます。
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 設問の段を読んだか | 例(下)/何というか(上) |
| 本文の階層か | 本文の話題の上位語を選んだか |
| 隣の段か | 飛ばしすぎていないか(営み/年中行事) |
| 字数と段は合うか | 短い字数に具体例を入れていないか |
| 「そうした」「これら」の指す範囲 | 直前の並列をまとめているか |
よくある間違い
指示語「そうした」「これら」の指す範囲を一つだけにする
「そうした機会」は直前の三つ全部をまとめています。並列を丸ごと受けます。
字数が余ると具体例で埋める
字数は上限です。段が合っていれば短くてよく、具体例で埋めると段がずれます。
抜き出しの字数指定を無視する
「四字で」は段の指定でもあります。字数に合う段の語を探します。
自分で説明しよう
確認1:「例を抜き出せ」と「まとめて何というか」で、それぞれどの段を答えますか
例は下位語、まとめては上位語。
確認2:字数が少ない記述で使う段と、その理由
上位語。具体例を入れる字数がなく、まとめの語で書く必要があるから。
確認3:「そうした機会」の「そうした」が指す範囲
直前に並べられた具体例(準備で集まる、役割を分ける、技を伝える)の全部。
セクションの出口
初見文で、設問の段を読んで例と総称を抜き出し、字数に応じた段で記述できたら完了です。
次のセクション「一つの言葉が持つ複数の意味」では、同じ言葉が文脈によって異なる意味を持つことを理解し、文章に合う意味を判断する方法を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。