語彙力の理解度チェック:初見文・入試で使う
このレッスンの役割
ここは診断セクションの出口です。三段階の語彙力、四つの手掛かり、五つの誤りの型を、初見の文章に付いた入試形式の語彙問題で通して確かめ、結果をこのコースの学習計画に変えます。
中心技能は、初見文の語彙問題を解き、誤答の型からどのセクションに時間をかけるかを自分で決めることです。目安時間は10分です。
入試でどう出るか
高校入試の語彙問題は、読解文の中に組み込まれて出ます。
- 語義選択:「──線部の意味として最も適切なものを選べ」
- 空欄補充:「空欄に入る語を選べ」(文脈判断、対義・類義の関係)
- 言い換え記述:「──線部はどういうことか、〜字以内で説明せよ」
どれも「知っているか」ではなく、「文中で意味を決め、言い換えられるか」を問います。
総合問題
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
私たちは、便利さを①享受するあまり、それを支える仕組みに②無頓着になりがちだ。たとえば、蛇口をひねれば水が出ることを当然と思い、水源や浄水場のことを考えない。しかし、便利さは③( )に成り立っているのではなく、多くの人の働きの上に成り立っている。そのことを忘れないでいることが、便利さを④持続させる第一歩なのだ。
問1
①「享受」の意味として最も適切なものを選びなさい。
ア 求める イ 受け取って楽しむ ウ 作り出す エ 疑う
問2
②「無頓着」の意味を、本文の具体例を使って説明しなさい。
問3
③に入る語を選びなさい。
ア 必然的 イ 自動的 ウ 人為的 エ 意図的
問4
④「持続させる」を、「持続」を使わずに言い換えなさい。
答えと判断
問1
イ。「享」は「うける」、「受」も「うける」で、手掛かり①。「便利さを〜する」という結びつきで、受け取って味わう意味です。
問2
「気にかけないこと」。具体例は「蛇口をひねれば水が出ることを当然と思い、水源や浄水場のことを考えない」。「たとえば」のあとが手掛かり④です。
問3
イ。「〜に成り立っているのではなく、多くの人の働きの上に成り立っている」と対比されているので、「人の働き」の反対で「自動的(ひとりでに)」。ウ「人為的」は人の働きと同じ側なので不可。
問4
「長く続けさせる」「これからも保つ」。語を写さず、自分の言葉で言えれば正解です。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るセクション |
|---|---|---|
| 問1でア | 語のつくりを見なかった(①) | 漢字や言葉のつくりから意味を考えよう |
| 問2で「無関心」だけ | 具体例を使わなかった(②④) | 前後の文脈から意味を推測しよう |
| 問3でウ | 対比の向きを取り違えた(③) | 対義語から意味を捉えよう |
| 問4で「持続する」 | 言い換えになっていない(④) | 語句を言い換えて説明しよう |
診断結果を学習計画にする
| 結果 | 計画 |
|---|---|
| 四問とも正解 | コースを順に進め、類義語・ニュアンス・慣用句で精度を上げる |
| 問1・問2で誤り | 「前後の文脈」「言葉のつくり」のセクションを先に、丁寧に |
| 問3で誤り | 「対義語」「具体と抽象」のセクションを先に |
| 問4で誤り | 「語句を言い換えて説明しよう」を早めに、記述練習を多めに |
答案で落とさないための確認
| 確認 | 見るもの |
|---|---|
| 語義選択 | 文に戻して読んで通るか。意味が近い選択肢はニュアンスで絞ったか |
| 空欄補充 | 「〜ではなく」の向き。品詞と結びつき |
| 言い換え記述 | 本文の語をそのまま写していないか。「〜ということ」の形か。字数内か |
よくある間違い
語彙問題を暗記だけで乗り切ろうとする
入試の語彙問題は文脈で決まります。暗記した意味と文中の意味がずれる語もあります。手掛かりで決める力が要ります。
読解に時間を使い、語彙問題を急いで解く
語彙問題は配点が小さくても確実に取れます。手掛かりを一つ確かめる十秒が一点を守ります。
診断して終わりにする
弱い型が分かったら、そのセクションに時間を配分します。診断は計画のためにあります。
自分で説明しよう
確認1:入試の語彙問題の三つの形
語義選択、空欄補充、言い換え記述です。
確認2:語義選択で意味が近い選択肢が二つあるとき、何で絞りますか
文に戻して読んで通るか、そしてニュアンス(プラスかマイナスか、強いか弱いか)で絞ります。
確認3:自分がどのセクションに時間をかけるか、理由と一緒に言ってください
誤った問の型と、対応するセクションを言えれば完了です。
セクションの出口
初見文の語彙問題を手掛かりで解き、誤答の型から戻るセクションを決められたら、診断は完了です。
次のセクション「前後の文脈から意味を推測しよう」では、言い換え・具体例・対比・因果の四つの合図を使って、未知の語の意味を決める方法を扱います。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。