LESSON 01

語句を言い換えて説明しよう

語句を言い換えて説明しよう:誤った言い換えを直す

部分の欠落、比喩が残る、本文の丸写し、文末の不一致という四つの型で、言い換え記述の誤りを見抜いて直します。

語句を言い換えて説明しよう:誤った言い換えを直す

このレッスンの役割

言い換え記述は、「書けたのに減点された」ことが多い設問です。減点の理由は、たいてい四つの型のどれかです。ここでは、答案を見てどの型かを言い、直せるようにします。

今回の中心技能は、誤答を見て「部分が欠けている」「比喩が残っている」「本文の丸写し」「文末が合わない」のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。

今日の問い

「記憶の器」の説明として、ある人は「人々の思い出のこと」と書きました。どこが足りないのでしょうか。

「記憶」の部分(思い出)は書けていますが、「器」の部分(それを保つ街並み・建物)がありません。部分の欠落の型①です。正しくは「古い街並みが、人々の思い出や暮らしの形を保つ入れ物だということ」。

誤りの四つの型

型 起きていること 例 直し方
① 部分の欠落 傍線部の一部しか言い換えていない 記憶の器=思い出のこと 部分に分けて全部に対応させる
② 比喩が残る 比喩や抽象語をそのまま答えに使う 記憶を入れる器だということ 本文の具体語に戻す
③ 本文の丸写し 別表現をそのまま写し、抽象化していない 約束を守り、できないことは口にしないということ 共通点を取り出して自分の言葉に
④ 文末の不一致 設問の求める形で終えていない どういうことか→〜から 設問の語に合わせる

型①を直す:部分の確認

傍線部 答案 欠けている部分 直した答案
記憶の器 思い出のこと 器 街並みが思い出を保つ入れ物だということ
頭に火をつける 生徒が考えること 火をつける(かき立てる) 生徒の関心をかき立て、自分から考えるようにさせること
言葉の重み 言葉のこと 重み 口にした言葉には責任が伴うということ

型②を直す:比喩を戻す

比喩が残った答案 直した答案
記憶を入れる器だということ 古い街並みが、思い出や暮らしの形を保つものだということ
生徒の頭に火がつくということ 生徒が自分から考え学び続けるようになるということ
心がゆるむということ 張りつめていた緊張が軽くなり、安心したということ

採点者は「比喩を本文の内容で説明できているか」を見ます。

型③を直す:抽象化

丸写し 直した答案
約束したことは必ず守り、できないことは口にしなかったということ 口にした言葉には責任が伴い、守れることだけを言うということ
議論を続け、調べたことを持ち寄ったということ 生徒が自分から考え、学び続けるようになるということ

具体例を一段抽象化して、傍線部の意味にします。字数が限られるときほど必要です。

型④を直す:文末

設問 誤った文末 正しい文末
どういうことか 〜から 〜ということ
なぜか 〜ということ 〜から
どのような気持ちか 〜ということ 〜という気持ち
何を指すか 〜ということ 〜(名詞)

例題:どの型か

「頭に火をつける」を「生徒が熱くなるということ」と答えた。

型②。「火」の比喩が「熱くなる」として残っています。本文の「議論を続け、調べたことを持ち寄る」から「自分から考え、学び続けるようになる」に戻します。

「なぜ筆者は〜と考えるのか」に「〜ということ」で答えた。

型④。「〜から」で終えます。

よくある間違い

字数が足りないから一部を省く

部分が欠けると減点です。字数は、各部分を短く言い換えて収めます。

本文の言葉を使えば安全だと思う

本文の言葉を使うのは良いですが、具体例の丸写しは減点です。抽象化が要ります。

文末を気にしない

文末の不一致は、設問を読んでいないと見なされます。設問の最後の語を確かめます。

自分で確かめよう

確認1:「記憶の器=思い出のこと」の誤りの型と直し方

型①。「器」の部分を補い、「街並みが思い出を保つ入れ物だということ」に直します。

確認2:「記憶を入れる器だということ」の誤りの型と直し方

型②。「器」を本文の具体語(街並み・建物)に戻します。

確認3:「なぜか」の設問の文末

「〜から」「〜ため」。

まとめと次の一歩

誤りは、部分の欠落、比喩が残る、本文の丸写し、文末の不一致、の四つに分けられます。部分に分けて対応、具体語に戻す、抽象化、設問に合う文末、で直せます。

次のレッスンでは、初見の文章で、言い換え記述を入試形式で仕上げます。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:言い換え記述の誤りの型

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「記憶の器」を「思い出のこと」と書いた誤りは、どの型ですか。
  2. 設問 1
    「記憶を入れる器だということ」と書いた誤りは、どの型ですか。
  3. 設問 2
    「約束したことは必ず守り、できないことは口にしなかったということ」と書いた誤りは、どの型ですか。
  4. 設問 3
    「なぜか」に「〜ということ」で答えた誤りは、どの型ですか。
  5. 設問 4
    「頭に火をつける」を「生徒が熱くなるということ」と書いた答えの直し方はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。