LESSON 01

対義語から意味を捉えよう

対義語から意味を捉えよう:初見文・入試で使う

初見の論説文で、対義語の空欄補充、対比を使った語義の決定、筆者の立場の読み取りを入試形式で解き、対比を本番で使える形にまとめます。

対義語から意味を捉えよう:初見文・入試で使う

このレッスンの役割

ここは「対義語から意味を捉えよう」の出口です。対義語の軸、対比を読む四段階の手順、誤りの四つの型を、初見の論説文に付いた入試形式の問題で通して使います。

中心技能は、対義語の空欄補充を軸で解き、対比から語の意味を決め、筆者の立場を対比の構造から読むことです。目安時間は10分です。

入試でどう出るか

対義語と対比は、三つの形で出ます。

  1. 対義語の空欄補充:「( )的ではなく( )的な判断」のように対で入れる
  2. 語義の決定:本文の対比を使って、知らない語の意味を選ぶ
  3. 筆者の立場:「筆者はAとBのどちらを支持しているか」「本文の対比を説明せよ」

どれも、対比の合図、二項、軸、向きで解きます。

総合問題

次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

学ぶことには二つの方向がある。一つは、既に答えのある問いに正しく答える力を身につけること。もう一つは、まだ答えのない問いを①自ら立てる力を育てることだ。学校の試験は前者を測る。しかし、社会に出てから求められるのは、むしろ後者である。前者を②受動的な学び、後者を③(  )的な学びと呼ぶなら、これからの教育は後者に重心を移すべきだろう。もちろん、基礎知識の④習得をおろそかにしてよいという意味ではない。両者は対立するものではなく、前者が後者を支えるのである。

問1

③に入る語として最も適切なものを選びなさい。

ア 消極 イ 能動 ウ 客観 エ 具体

問2

②「受動的な学び」とはどのような学びか、本文の対比を使って説明しなさい。

問3

筆者は「前者」と「後者」のどちらを重視しているか。根拠となる語句とともに答えなさい。

問4

「両者は対立するものではなく、前者が後者を支える」とあるが、筆者がこの一文を加えた理由を説明しなさい。

答えと判断

問1

イ。「受動」の対義語は「能動」。軸は「自分から働きかけるか、受けるか」。「自ら立てる」という本文の語とも合います。アの「消極」は「積極」の対で、軸が違います。

問2

「既に答えのある問いに正しく答える力を身につける学び」。対は「まだ答えのない問いを自ら立てる」で、「一つは〜。もう一つは〜」の構造から前者を取ります。

問3

後者。「しかし、社会に出てから求められるのは、むしろ後者である」「後者に重心を移すべき」が根拠。「しかし」「むしろ」「べき」の後が筆者の立場です。

問4

後者を重視すると述べたことが、前者(基礎知識)を軽視してよいという誤解を招かないように、「もちろん〜ではない」で譲歩し、両者の関係を補足するため。

誤答を診断する

誤答 型 戻るレッスン
問1でア 軸の取り違え(積極↔消極は別の軸) 誤った言い換えを直す(型②)
問2で「答えのない問いを立てる学び」 前者と後者の向きを逆にした 誤った言い換えを直す(型①)
問3で「前者」 「しかし」「むしろ」の後を見なかった 誤った言い換えを直す(型①)
問4で「筆者は前者も重視している」だけ 譲歩の役割を説明していない 誤った言い換えを直す(型①の譲歩)

対比の構造を図にする

前者 後者
内容 答えのある問いに答える 答えのない問いを立てる
名前 受動的な学び 能動的な学び
測るもの 学校の試験 社会で求められる
筆者の重心 ○
関係 後者を支える

対比を表にすると、空欄補充も立場も記述も、一つの表から答えられます。

答案で落とさないための確認

確認 見るもの
二項を両方取り出したか 前者/後者、A/B
軸を言えるか 受動↔能動は「自分から働きかけるか」
向きは合っているか 「しかし」「むしろ」「べき」の後が筆者
譲歩を主張と取り違えていないか 「もちろん」「確かに」「もある」
記述で対の片方だけ書いていないか 「〜ではなく〜」の形で両方示す

よくある間違い

対義語を覚えているだけで、本文の軸を確かめない

「消極」も「受動」に近く見えます。本文の「自ら立てる」という軸で「能動」を選びます。

筆者の立場を本文の前半で決める

論説文は、一度相手の立場を述べてから「しかし」で自分の立場を出します。後半まで読んで決めます。

譲歩の文を読み飛ばす

「もちろん〜ではない」は、筆者が誤解を防ぐための補足です。設問で問われやすい部分です。

自分で説明しよう

確認1:対義語の空欄補充で、選択肢の対義語が複数あるときの決め方

本文の軸(自ら働きかけるか、など)に合う対を選びます。

確認2:筆者の立場を決める合図

「しかし」「むしろ」「〜べきだ」の後。「もちろん」「確かに」「もある」は譲歩で筆者の立場ではありません。

確認3:対比を表にすると何がよいですか

空欄補充、語義、筆者の立場、記述の全部を一つの表から答えられます。

セクションの出口

初見の論説文で、対義語を軸で選び、対比から語の意味と筆者の立場を決め、譲歩を正しく扱えたら完了です。

次のセクション「上位語・下位語で言葉を整理しよう」では、広い意味と狭い意味の関係から語彙を体系的に整理する方法を扱います。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:対比を入試で使う

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「前者を受動的な学び、後者を( )的な学びと呼ぶ」に入る語はどれですか。
  2. 設問 1
    「一つは、既に答えのある問いに正しく答える力。もう一つは、まだ答えのない問いを自ら立てる力」で、「前者」はどちらですか。
  3. 設問 2
    「学校の試験は前者を測る。しかし、社会に出てから求められるのは、むしろ後者である」で、筆者が重視するのはどちらですか。
  4. 設問 3
    「もちろん、基礎知識の習得をおろそかにしてよいという意味ではない」の一文の役割はどれですか。
  5. 設問 4
    対比を表にするとよい理由はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。