LESSON 01

比喩・擬音語・擬態語の効果

比喩・擬音語・擬態語の効果:誤った言い換えを直す

技法名だけで終わる、共通点の取り違え、文脈と結ばない、効果が一般的すぎるという四つの型で、表現の効果の説明の誤りを見抜いて直します。

比喩・擬音語・擬態語の効果:誤った言い換えを直す

このレッスンの役割

表現の効果の記述は、「書いたのに点にならない」ことが多い設問です。ここでは、よく起きる誤りを四つの型に分け、どの段階で崩れたかを見つけて直します。

今回の中心技能は、誤答を見て「技法名だけで終わった」「共通点を取り違えた」「文脈と結ばなかった」「効果が一般的すぎる」のどれかを言い、直せることです。目安時間は8分です。

今日の問い

「私の心臓は太鼓のように打っていた」の効果を、ある人は「直喩を使って印象的に表している」と答えました。どこが足りないのでしょうか。

技法名(直喩)は合っていますが、何を何にたとえ、どう感じさせるかがありません。「印象的」は、どんな表現にも言える言葉です。型①(技法名だけ)と型④(一般的すぎる)が重なっています。

誤りの四つの型

型 起きていること 例 直し方
① 技法名だけで終わる 「直喩が使われている」で止まる 直喩を使って印象的に 何を何にたとえ、どう感じさせるかを足す
② 共通点の取り違え たとえの共通点を誤る 太鼓=祭り、楽しい 文脈に合う共通点(大きく強く打つ)を取る
③ 文脈と結ばない たとえの意味は言うが、心情・場面と結ばない 激しく打っていることを表す 緊張・期待と結ぶ
④ 効果が一般的すぎる 「分かりやすく」「生き生きと」「印象的に」だけ 様子を生き生きと表している その表現ならではの印象を具体的に

型①を直す:三つの要素

不十分 直した答え
直喩を使っている 心臓の鼓動を太鼓にたとえ、合格発表前の強い緊張と高ぶりを伝えている
擬態語を使っている 「そわそわ」で、早く乗りたくて落ち着かない期待と興奮を伝えている

型②を直す:文脈に合う共通点

たとえ 誤った共通点 文脈に合う共通点
心臓は太鼓のよう(合格発表前) 祭り、楽しい 大きく強く打つ
父の背中は壁(追いつけない) 守ってくれる 大きく越えられない
時計が疲れたように(古い家) 休みたい 動きが遅く弱々しい

同じたとえでも、文脈で共通点は変わります。「壁」は守るものにも、立ちはだかるものにもなります。

型③を直す:心情・場面と結ぶ

言い換えで止まった答え 文脈と結んだ答え
心臓が激しく打っている 合格発表を前にした緊張と期待で、心臓が激しく打っている
時計の動きが遅い 長い年月を経た家の、静かで物寂しい雰囲気
落ち着きがない 新しい自転車に早く乗りたい期待と興奮

型④を直す:具体的に

一般的すぎる 具体的
生き生きと表している 落ち着かない動きを通して、期待と興奮を体の様子で伝えている
分かりやすくしている 冷たさの程度を、触れた瞬間の氷の感覚として伝えている
印象的にしている 父の存在の大きさと距離感を、越えられない壁として強く感じさせている

「生き生きと」「分かりやすく」は、効果の結論ではなく、その前の具体的な内容が必要です。

例題:どの型か

「風がささやくように」の効果を「擬人法で風を人のように表している」と答えた。

型①。何を(風の音と動き)、どう感じさせるか(静かで穏やかな雰囲気)が抜けています。

「父の背中は壁だった」の効果を「父が自分を守ってくれていることを表す」と答えた。

型②。文脈(追いつけない)に合う共通点は「越えられない」です。

よくある間違い

技法名を書けば部分点があると思う

技法名は出発点です。採点の中心は「どう感じさせるか」です。

たとえの一般的なイメージで共通点を決める

「太鼓=祭り」のような一般的な連想ではなく、文脈の中での共通点を取ります。

「効果」を「意味」と取り違える

意味は言い換え、効果は読み手への働きです。心情・場面・雰囲気とつなげて書きます。

自分で確かめよう

確認1:「直喩を使って印象的に表している」の不足と直し方

型①④。何を何にたとえ、どう感じさせるかを具体的に足します。

確認2:「父の背中は壁」を「守ってくれる」と読んだ誤りの型

型②。文脈(追いつけない)に合う共通点は「越えられない」です。

確認3:言い換えと効果の違い

言い換えは表現の意味、効果は読み手にどう感じさせるか(心情・雰囲気との結びつき)。

まとめと次の一歩

誤りは、技法名だけで終わる、共通点の取り違え、文脈と結ばない、効果が一般的すぎる、の四つに分けられます。三つの要素をそろえる、文脈に合う共通点、心情と結ぶ、具体的に、で直せます。

次のレッスンでは、初見の物語文で、表現の効果を入試形式で説明します。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:効果の説明の誤りの型

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「直喩を使って印象的に表している」という答えの誤りの型はどれですか。
  2. 設問 1
    「父の背中は壁だった」(追いつけない文脈)を「父が守ってくれる」と読んだ誤りの型はどれですか。
  3. 設問 2
    「心臓が激しく打っていることを表す」という答えの誤りの型はどれですか。
  4. 設問 3
    「生き生きと表している」だけの答えの直し方はどれですか。
  5. 設問 4
    言い換えと効果の違いとして正しいものはどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。