辞書を使って意味を確かめよう:意味の核をつかむ
このレッスンの役割
文脈とつくりで見当をつけた意味は、辞書で確かめると確実になります。しかし辞書を引くと、一つの語に意味が三つも四つも並んでいます。どれが今読んでいる文に合うのかを選ぶ力がなければ、辞書は役に立ちません。ここでは、辞書の読み方の入口をつかみます。
今回の中心技能は、辞書の見出し語・語義番号・用例の三つを読み分け、「文章に合う意味は一つだけ」と分かることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「甘い」を辞書で引くと、次のように並んでいます。
あまい【甘い】 ① 砂糖や蜜のような味がする。「甘い菓子」 ② 厳しさが足りない。「採点が甘い」 ③ 心地よくうっとりさせる。「甘い言葉」 ④ 締まりがゆるい。「ねじが甘い」
「彼の見通しは甘かった」の「甘い」は、どれでしょうか。味ではなく、厳しさが足りない、つまり②です。辞書は答えを一つ教えてくれるのではなく、候補を並べてくれます。選ぶのは読み手です。
辞書の三つの部品
| 部品 | 何が書いてあるか | 使い方 |
|---|---|---|
| 見出し語 | 語の読みと表記 | 引く語を確かめる |
| 語義番号(①②③…) | 意味の候補。基本的な意味から順に | 文脈に合う番号を選ぶ |
| 用例「 」 | その意味で使った短い例 | 自分の文と形が似ている用例を探す |
語義番号は、たいてい①が元の意味で、②以降が広がった意味です。用例は、どの番号が合うかを決める最大の手掛かりです。
用例で番号を決める
「見通しが甘い」なら、用例「採点が甘い」と形が似ています。「〜が甘い」で、評価や判断についての表現です。だから②。
「ねじが甘い」も「〜が甘い」ですが、ねじは物なので④。用例と自分の文で、「何が」甘いのかを比べます。
例題:どの番号か
かたい【固い・堅い・硬い】 ① 力を加えても形が変わりにくい。「硬い石」 ② 確かで、ゆるがない。「固い決意」 ③ 融通がきかない。「頭が固い」 ④ 緊張してぎこちない。「表情が硬い」
次の文の「かたい」は、それぞれ何番ですか。
- 彼は約束を固く守った。
- 面接で、彼女の表情は硬かった。
- 父は考えが固くて、新しいやり方を認めない。
答え
1は②(確かでゆるがない)。2は④(緊張してぎこちない)。3は③(融通がきかない)。用例「固い決意」「表情が硬い」「頭が固い」と形を比べると決まります。
辞書を引く前にすること
辞書は、文脈とつくりで見当をつけたあとに引くと速く使えます。見当があれば、番号を上から全部読まずに、見当に近い番号から探せます。見当なしで引くと、①の意味を機械的に当てはめて誤ります。
よくある間違い
①の意味をそのまま使う
①は基本の意味で、文章では②以降が使われることが多いのです。「甘い見通し」を「砂糖のような見通し」とは読みません。
用例を読まない
用例は番号を決める手掛かりです。自分の文と似た用例を探すだけで、番号は決まります。
辞書の説明文をそのまま答えに写す
辞書の説明は一般的な意味です。記述では、文脈に合わせて自分の言葉で言い換えます。
自分で確かめよう
確認1:辞書の三つの部品を言ってください
見出し語、語義番号、用例。
確認2:「彼の採点は甘い」の「甘い」は何番ですか
②(厳しさが足りない)。用例「採点が甘い」と同じ形です。
確認3:辞書を引く前にすることは何ですか
文脈とつくりで意味の見当をつけておくことです。見当があれば番号が速く選べます。
まとめと次の一歩
辞書は意味の候補を並べてくれます。文章に合うのは一つだけで、用例と自分の文の形を比べて番号を選びます。引く前に見当をつけておくと速く選べます。
次のレッスンでは、辞書の番号を選ぶ手順を一行ずつ使えるようにします。
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