語句を言い換えて説明しよう:初見文・入試で使う
このレッスンの役割
ここは「語句を言い換えて説明しよう」の出口です。言い換えの仕組み、四段階の手順、誤りの四つの型を、初見の文章に付いた入試形式の記述問題で通して使います。
中心技能は、字数指定の言い換え記述を手順で仕上げ、自己採点で四つの型を点検できることです。目安時間は12分です。
入試でどう出るか
言い換え記述は、三つの形で出ます。
- 「──線部とはどういうことか、〜字以内で説明せよ」(最も多い)
- 「──線部のように筆者が言うのはなぜか、〜字以内で説明せよ」(理由)
- 「──線部のときの『私』の気持ちを、〜字以内で説明せよ」(心情)
どれも、傍線部を部分に分け、本文の別表現を対応させ、文末を合わせる手順で解きます。
総合問題A(論説文)
言葉は、思考の道具であると同時に、思考の枠でもある。私たちは言葉を使って考えるが、持っている言葉の範囲でしか考えられないという面もある。新しい言葉を知ることは、考えられる範囲を広げることなのだ。
問1
「思考の枠」とはどういうことか、三十五字以内で説明しなさい。
問2
「新しい言葉を知ることは、考えられる範囲を広げること」と筆者が言うのはなぜか、四十字以内で説明しなさい。
総合問題B(物語文)
父は、何も言わずに私の自転車のチェーンを直していた。油で汚れた手を見て、私は何も言えなくなった。朝、父に向かって言い放った言葉が、今になって胸の奥で重く沈んでいた。
問3
「胸の奥で重く沈んでいた」とはどういうことか、四十字以内で説明しなさい。
答えと判断
問1
「持っている言葉の範囲でしか考えられないという、思考の限界のこと。」(三十二字)。部分:思考/枠。別表現:「持っている言葉の範囲でしか考えられない」。枠=限界・範囲。
問2
「人は持っている言葉の範囲でしか考えられないので、言葉が増えれば考えられる範囲も増えるから。」(四十字)。理由なので「〜から」。根拠は直前の文。
問3
「朝、父に言い放った言葉を後悔し、父への申し訳なさが心に重くのしかかっているということ。」(四十字)。部分:胸の奥/重く沈む。別表現:「言い放った言葉」「何も言えなくなった」。比喩(重く沈む)を心情(後悔・申し訳なさ)に戻す。
誤答を診断する
| 誤答 | 型 | 戻るレッスン |
|---|---|---|
| 問1で「言葉のこと」 | 部分の欠落(枠がない) | 誤った言い換えを直す(型①) |
| 問1で「思考を囲む枠のこと」 | 比喩が残っている | 誤った言い換えを直す(型②) |
| 問2で「〜ということ」で終えた | 文末の不一致 | 誤った言い換えを直す(型④) |
| 問3で「言葉が胸に沈んだということ」 | 比喩が残っている | 誤った言い換えを直す(型②) |
| 問3で「父が自転車を直していたということ」 | 傍線部でなく周辺を書いた | 手掛かりから意味を決める(段階1) |
自己採点の基準
| 点検 | 見るもの |
|---|---|
| 部分 | 傍線部の全部分に対応する言葉があるか |
| 比喩 | 比喩・抽象語が本文の具体的内容に戻っているか |
| 抽象化 | 具体例の丸写しでなく、意味にまとめているか |
| 文末 | 設問の語(どういうこと/なぜ/気持ち)に合っているか |
| 字数 | 上限内で、八割以上か |
五つとも満たせば、満点に近い答案です。
時間配分
| 段階 | 目安 |
|---|---|
| 傍線部を部分に分け、別表現に印をつける | 1分 |
| 下書き(主語を補って一文に) | 1分 |
| 字数と文末を整えて清書 | 1分 |
| 自己採点の五つの点検 | 30秒 |
一問三〜四分で仕上げます。考えすぎて時間を使うより、手順どおりに書いて点検するほうが点になります。
よくある間違い
白紙で出す
部分に分けて別表現を探せば、必ず何かは書けます。部分点があるので、白紙は避けます。
本文を読み直してから書き始める
傍線部の前後三文に別表現があることがほとんどです。全文を読み直す必要はありません。
清書してから点検しない
点検の三十秒で、文末の不一致や部分の欠落が見つかります。必ず点検します。
自分で説明しよう
確認1:言い換え記述の四段階
部分に分ける、別表現を探す、主語を補って一文に、文末と字数を整える。
確認2:自己採点の五つの点検
部分、比喩、抽象化、文末、字数。
確認3:「なぜか」と「どういうことか」の文末の違い
なぜか→「〜から」、どういうことか→「〜ということ」。
セクションの出口
初見文で、字数指定の言い換え記述を手順で仕上げ、自己採点の五つの点検ができたら完了です。
次のセクション「高校入試・語彙マスターチェック」では、このコース全体の文脈判断、類義語・対義語、慣用句、抽象語、言い換えを高校入試形式で総合確認します。
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