LESSON 01

一つの言葉が持つ複数の意味

一つの言葉が持つ複数の意味:意味の核をつかむ

多義語は一つの核となる意味から、物理的な意味・比喩的な意味・評価の意味へ広がっていることを知り、広がりの型をつかみます。

一つの言葉が持つ複数の意味:意味の核をつかむ

このレッスンの役割

「あたたかい部屋」「あたたかい人」「あたたかい色」。同じ「あたたかい」でも、指しているものは違います。しかし、まったく別の意味ではなく、一つの核から広がっています。ここでは、多義語の意味がどう広がるかの型を知り、文章に合う意味を判断する土台を作ります。

今回の中心技能は、多義語の核となる意味を言い、文中の意味が「物理的・比喩的・評価」のどの広がりかを言えることです。目安時間は8分です。

今日の問い

「深い」の核となる意味は何でしょうか。

「深い海」の「深い」は、表面から底までの距離が大きいこと。これが核です。「深い考え」は、表面的でなく奥まで及んでいる考え。「深い関係」は、浅くない、しっかり結びついた関係。「深い緑」は、濃い色。どれも「表面から奥まで距離がある」という核のイメージを、別のものに当てはめています。

意味の広がりの三つの型

型 広がり方 「深い」の例
① 物理的 目に見える物・空間・体についての核の意味 深い海、深い穴
② 比喩的 核のイメージを、目に見えないものに当てはめる 深い考え、深い関係、深い眠り
③ 評価 良い・悪い、程度の大小の意味になる 深い感銘(強い)、罪が深い(重い)

辞書の①はたいてい物理的な意味で、文章ではそれ以外が多く使われます。

例:「重い」の広がり

型 例 核とのつながり
物理的 重い荷物 重量が大きい
比喩的 重い責任、重い空気、口が重い 負担が大きい、動きにくい
評価 重い病気、重い罪 程度が大きい、深刻

「重い」の核は「重量が大きく、動かしにくい」。責任も空気も口も、「動かしにくさ」で結びついています。

例:「立つ」の広がり

型 例
物理的 人が立つ、柱が立つ
比喩的 腹が立つ、役に立つ、目立つ、計画が立つ
評価 顔が立つ(面目が保たれる)

核は「縦に起きて、はっきり現れる」。腹が立つ(怒りが現れる)、役に立つ(働きが現れる)、目立つ(目に現れる)。

核を知ると何がよいか

核が分かれば、辞書にない使い方に出会っても意味が取れます。「深い」の核を知っていれば、「深い沈黙」(長く重い沈黙)を初めて見ても、「表面的でない、奥まで及んだ沈黙」と見当がつきます。

よくある間違い

多義語の意味を一つずつ別々に覚える

「深い」に五つの意味があると覚えるより、核一つと広がりの型を知るほうが、未知の用法に対応できます。

文章で①(物理的)の意味を当てはめる

論説文や物語では、比喩的・評価の意味が多く使われます。「重い空気」を重量と読む人はいませんが、「硬い文章」「軽い発言」では誤りが起きます。

核と広がりのつながりを言えない

「なぜ『腹が立つ』が怒りなのか」を核(現れる)から説明できると、意味が定着します。

自分で確かめよう

確認1:多義語の意味の広がりの三つの型

物理的、比喩的、評価。

確認2:「重い責任」の「重い」はどの型で、核とどうつながりますか

比喩的。核の「重量が大きく動かしにくい」が「負担が大きい」に当てはまっています。

確認3:「深い」の核と、「深い考え」の意味

核は「表面から底までの距離が大きい」。深い考えは、表面的でなく奥まで及んだ考え。

まとめと次の一歩

多義語は、一つの核から物理的・比喩的・評価の三つの型で広がっています。核を知れば、辞書にない用法にも見当がつきます。文章では、物理的でない意味が多く使われます。

次のレッスンでは、文中の多義語の意味を決める手順を一行ずつ使えるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:多義語の核と広がり

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「深い」の核となる意味はどれですか。
  2. 設問 1
    多義語の意味の広がりの三つの型はどれですか。
  3. 設問 2
    「重い責任」の「重い」はどの型ですか。
  4. 設問 3
    「腹が立つ」が「怒る」を意味することを、「立つ」の核から説明したものはどれですか。
  5. 設問 4
    多義語の核を知っているとよい理由はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。