上位語・下位語で言葉を整理しよう:手掛かりから意味を決める
このレッスンの役割
前のレッスンで、言葉の階層を知りました。ここでは、階層を読解と記述で使う手順を一つに決めます。設問が「例を挙げよ」なら下位語へ、「何というか」「まとめよ」なら上位語へ。答えの抽象度を設問に合わせる技術です。
今回の中心技能は、「設問が求める段を読む → 本文の語の段を確かめる → 段を上げ下げする → 『一種』テストで確かめる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。
今日の問い
本文には「ハト」「オリーブの枝」「白い旗」が挙げられている。これらをまとめて何というか、本文中の語で答えなさい。
本文に「平和の象徴」という語があれば、それが答えです。設問は「まとめて何というか」なので、上位語を求めています。「ハト」は下位語、「平和の象徴」が上位語。「ハトは平和の象徴の一種」と言えるので確定です。
手順を一行ずつ
| 段階 | すること | 「象徴」の場合 |
|---|---|---|
| 1 | 設問が求める段を読む | 「まとめて何というか」→ 上位語 |
| 2 | 本文の語の段を確かめる | ハト・枝・旗は下位語 |
| 3 | 段を上げ下げする | 上位語「平和の象徴」を探す |
| 4 | 「一種」テストで確かめる | 「ハトは平和の象徴の一種」→ 通る |
設問の言葉と求める段
| 設問の言葉 | 求める段 | 動き |
|---|---|---|
| 例を挙げよ、具体的には | 下位語 | 段を下げる |
| 何というか、総称、まとめて | 上位語 | 段を上げる |
| どのような〜か(〜字以内) | 字数に合う段 | 字数が少ないほど上 |
| 言い換えよ | 同じ段 | 同位語・類義語 |
例題1:段を下げる
「筆者が挙げている『伝統文化』の例を二つ答えなさい」
本文に「能や歌舞伎のような伝統文化」とあれば、「能」「歌舞伎」が下位語。「能は伝統文化の一種」で通ります。
例題2:段を上げる
「『能』『歌舞伎』『落語』を、本文ではまとめて何と呼んでいるか」
「伝統芸能」。「能は伝統芸能の一種」で通ります。「伝統文化」も上位語ですが、本文の語に合わせて、最も近い段を選びます。
例題3:字数で段を決める
「筆者の考えを二十字以内で書け」
本文:「朝のあいさつ、落とし物を届ける、時間を守る、といった日々の小さな誠実さが信頼を作る。」
二十字なら具体例(下位語)は入りません。上位語「日々の小さな誠実さ」を使って「日々の小さな誠実さが信頼を作るということ。」(二十字)。字数が少ないほど上の段で書きます。
例題4:段を間違えると
「『ハト』は何の例か」→ 答え「鳥」
「鳥」も上位語ですが、本文の文脈は「平和の象徴」です。階層は複数あり(ハト→鳥、ハト→平和の象徴)、本文がどの階層で語っているかで選びます。
階層は文脈で決まる
| 語 | 階層A | 階層B |
|---|---|---|
| ハト | 鳥 → 動物 | 平和の象徴 → 象徴 |
| 自転車 | 乗り物 | 環境にやさしい移動手段 |
| 水墨画 | 絵画 | 余白を生かす表現 |
同じ語でも、本文の話題によって上位語が変わります。設問は本文の階層で答えます。
よくある間違い
段階1を飛ばして、本文の語をそのまま写す
「例を挙げよ」に上位語を書いても、「何というか」に下位語を書いても不正解です。設問の求める段を先に読みます。
段階3で本文にない上位語を自分で作る
「本文中の語で」とあれば、本文の上位語を探します。自分の言葉で作るのは、指示がないときだけです。
段階4のテストを省く
「ハトは鳥の一種」も通りますが、本文の階層で確かめます。「ハトは平和の象徴の一種」が本文の文脈です。
自分で確かめよう
確認1:「筆者が挙げている『再生可能エネルギー』の例を答えよ」で求められる段
下位語(太陽光、風力、など)。
確認2:字数の少ない記述で使う段
上位語。具体例を削り、まとめの語で書きます。
確認3:「ハト」の上位語が「鳥」と「平和の象徴」の二つあるとき、どちらを選びますか
本文がどの階層で語っているかで選びます。平和の話なら「平和の象徴」。
まとめと次の一歩
手順は、設問が求める段を読む、本文の語の段を確かめる、段を上げ下げする、「一種」テストで確かめる、の四段階です。設問の言葉と字数が段を決め、階層は本文の文脈で選びます。
次のレッスンでは、階層の読みでよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。