LESSON 01

説明文・論説文の重要語彙

説明文・論説文の重要語彙:手掛かりから意味を決める

合図で主張・根拠・例・対比を区分する、重要語彙を対と文脈で決める、構造を表にする、設問の語を構造に対応させるという四段階で、論説文を語彙から読む手順を一行ずつ使います。

説明文・論説文の重要語彙:手掛かりから意味を決める

このレッスンの役割

前のレッスンで、論説文の重要語彙を三種類に整理しました。ここでは、その語彙を使って論説文の構造を読み取り、設問に答える手順を一つに決めます。

今回の中心技能は、「合図で主張・根拠・例・対比を区分する → 重要語彙を対と文脈で決める → 構造を表にする → 設問の語を構造に対応させる」の四段階を一行ずつ書けることです。目安時間は9分です。

今日の問い

美しさの基準は絶対的なものではない。なぜなら、時代や文化によって、美しいとされるものは大きく異なるからだ。たとえば、ある時代にはふくよかな体型が美とされ、別の時代には細い体型が美とされた。つまり、美の基準は相対的なのである。

設問「筆者の主張と根拠を答えよ」を手順で解きます。合図:「なぜなら」の後が根拠、「たとえば」の後が例、「つまり」の後が主張のまとめ。語彙:「絶対的↔相対的」の対で、「絶対的ではない=相対的」。構造:主張「美の基準は相対的」、根拠「時代や文化で異なる」、例「体型の例」。設問の「主張」は主張の行、「根拠」は根拠の行から答えます。

手順を一行ずつ

段階 すること 今日の問いの場合
1 合図で区分する なぜなら→根拠、たとえば→例、つまり→主張
2 重要語彙を対と文脈で決める 絶対的↔相対的:比べて決まる
3 構造を表にする 主張/根拠/例の表
4 設問の語を構造に対応させる 「主張」→主張の行、「根拠」→根拠の行

段階1:合図の表

構造 合図
主張 〜べきだ、〜と考える、つまり、要するに
根拠 なぜなら、〜からだ、〜ので
例 たとえば、具体的には
対比 一方、これに対して、〜ではなく
譲歩 確かに、もちろん、〜もある
定義 〜とは〜である

段階2:語彙を文脈で決める

語 対 文脈での意味
絶対的 相対的 時代や文化によらず成り立つ
相対的 絶対的 時代や文化によって変わる

対で境目を決め、文脈の説明(時代や文化で異なる)で確定します。

段階3:構造の表

構造 内容
主張 美の基準は相対的だ(絶対的ではない)
根拠 時代や文化によって美しいとされるものが異なる
例 ふくよかな体型/細い体型

表にすると、どの設問にも対応できます。

段階4:設問の語を対応させる

設問の語 対応する構造
筆者の主張 主張の行
根拠・理由 根拠の行
具体例 例の行
〜とはどういうことか 定義、または主張の言い換え
筆者が批判しているもの 譲歩・対比の相手側

例題:対比と評価を含む文章

現代の教育は、画一的な評価に偏りすぎている。テストの点数という一つの基準で全員を測る方法は、確かに公平に見える。しかし、生徒の多様な能力を見落としてしまう。本質的に重要なのは、一人ひとりの強みを見出すことではないだろうか。

  1. 合図:「確かに〜。しかし」で譲歩と逆接。「〜ではないだろうか」で主張
  2. 語彙:画一的↔多様、本質的(プラス評価)、表面的(暗に「点数」を指す)
  3. 構造:批判対象「画一的な評価(点数)」、譲歩「公平に見える」、主張「一人ひとりの強みを見出すべき」
  4. 設問「筆者が批判しているもの」→ 画一的な評価。「筆者の主張」→ 一人ひとりの強みを見出すこと

よくある間違い

段階1を飛ばして、文章を頭から読んで印象で答える

合図で区分すれば、主張と根拠と例は機械的に分かれます。印象ではなく合図です。

段階2で語の意味を日常の意味で読む

「絶対的=とても」と読むと、主張が取れません。対で厳密な意味を決めます。

段階4で設問の語と構造を対応させない

「根拠を答えよ」に主張を書く誤りは、対応を省いたときに起きます。

自分で確かめよう

確認1:「なぜなら」「たとえば」「つまり」の後にそれぞれ何が来ますか

根拠、例、主張(まとめ)。

確認2:「確かに〜。しかし〜」で、筆者の主張はどちらにありますか

「しかし」の後。「確かに」は譲歩です。

確認3:「筆者が批判しているもの」は構造の表のどこから答えますか

譲歩・対比の相手側(筆者の主張の反対側)。

まとめと次の一歩

手順は、合図で区分する、重要語彙を対と文脈で決める、構造を表にする、設問の語を構造に対応させる、の四段階です。表にすれば、主張・根拠・例・批判対象のどの設問にも答えられます。

次のレッスンでは、論説文の語彙でよく起きる誤りを集め、どの段階で崩れたかを見抜けるようにします。

クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。

UNDERSTANDING CHECK

理解チェック:語彙から構造を読む手順

70% 合格ライン
  1. 設問 0
    「なぜなら」「たとえば」「つまり」の後に来るものの組み合わせとして正しいのはどれですか。
  2. 設問 1
    「美の基準は絶対的なものではない。なぜなら、時代や文化によって異なるからだ。たとえば……。つまり、美の基準は相対的なのである」の根拠はどれですか。
  3. 設問 2
    「確かに公平に見える。しかし、生徒の多様な能力を見落としてしまう」で、筆者の主張はどちら側ですか。
  4. 設問 3
    「筆者が批判しているもの」は構造の表のどこから答えますか。
  5. 設問 4
    構造を表にするとよい理由はどれですか。

まずは自分で選んでみましょう。採点・学習履歴への記録は、回答APIとの連携時に追加します。