説明文・論説文の重要語彙:意味の核をつかむ
このレッスンの役割
高校入試の論説文は、「根拠」「対比」「普遍」「相対」「本質」のような抽象語で組み立てられています。これらは日常会話ではあまり使いませんが、論説文を読み解く鍵です。ここでは、論説文の重要語彙を三つの種類に整理し、核をつかみます。
今回の中心技能は、論説文の重要語彙を「論の組み立ての語」「対で覚える語」「評価の語」に分け、それぞれ代表的な語の意味を言えることです。目安時間は8分です。
今日の問い
次の一文を、自分の言葉で言い換えてください。
筆者は、具体的な事例を根拠として、普遍的な結論を導いている。
「筆者は、個々の実際の例を理由にして、どこでも誰にでも当てはまる結論を出している」。「具体的」「根拠」「普遍的」の三語が分かれば言い換えられます。逆に、分からなければ文の意味が取れません。論説文の読解は、こうした語の理解から始まります。
三つの種類
| 種類 | 働き | 例 |
|---|---|---|
| ① 論の組み立ての語 | 文章の構造を示す | 根拠、主張、前提、結論、対比、例証、定義、反論 |
| ② 対で覚える語 | 二項の対立で意味が決まる | 具体↔抽象、主観↔客観、普遍↔特殊、絶対↔相対、必然↔偶然、理想↔現実 |
| ③ 評価の語 | 筆者の判断を示す | 本質的、表面的、画一的、多様な、合理的、恣意的 |
① 論の組み立ての語
| 語 | 意味 | 文中での合図 |
|---|---|---|
| 主張 | 筆者が言いたいこと | 〜べきだ、〜と考える |
| 根拠 | 主張を支える理由 | なぜなら、〜からだ |
| 前提 | 議論の出発点として認めること | 〜を前提に、〜とすれば |
| 例証 | 例を挙げて証明すること | たとえば |
| 対比 | 二つを比べて違いを示すこと | 一方、これに対して |
| 定義 | 語の意味を決めること | 〜とは〜である |
| 反論 | 相手の主張に対する反対意見 | しかし、確かに〜だが |
設問「筆者の主張の根拠を答えよ」は、「なぜなら」の後を探せという意味です。
② 対で覚える語
| 対 | 境目 |
|---|---|
| 具体↔抽象 | 個々の例/共通の性質 |
| 主観↔客観 | 自分の見方/誰が見ても同じ |
| 普遍↔特殊 | どこでも成り立つ/ある場合だけ |
| 絶対↔相対 | 他と比べず成り立つ/比べて決まる |
| 必然↔偶然 | 必ずそうなる/たまたま |
| 理想↔現実 | あるべき姿/実際の姿 |
| 能動↔受動 | 自分から働きかける/受ける |
| 一般↔個別 | 全体に共通/一つ一つ |
片方を知れば、もう片方は「その反対」で決まります。対義語のセクションの考え方です。
③ 評価の語
| 語 | 意味 | 評価 |
|---|---|---|
| 本質的 | 物事の中心に関わる | プラス |
| 表面的・皮相的 | うわべだけの | マイナス |
| 多様 | さまざまである | 多くの場合プラス |
| 画一的 | みな同じ型である | 多くの場合マイナス |
| 合理的 | 筋道に合う | プラス |
| 恣意的 | 気まま、根拠がない | マイナス |
筆者がどちらの語を使ったかで、評価が読めます。
よくある間違い
語を一つずつ別々に覚える
対で覚える語は対で、組み立ての語は文中の合図と一緒に覚えると、読解で使えます。
日常の意味で読む
「絶対」を「とても」、「普通」を「ありふれた」と読むと、論説文の意味がずれます。厳密な意味で読みます。
評価の語を中立に読む
「画一的」「恣意的」は筆者の批判を含みます。評価の向きを読みます。
自分で確かめよう
確認1:論説文の重要語彙の三つの種類
論の組み立ての語、対で覚える語、評価の語。
確認2:「根拠」の意味と、文中の合図
主張を支える理由。合図は「なぜなら」「〜からだ」。
確認3:「普遍」の対と、それぞれの意味
特殊。普遍はどこでも成り立つ、特殊はある場合だけ成り立つ。
まとめと次の一歩
論説文の重要語彙は、論の組み立ての語、対で覚える語、評価の語の三つに分かれます。組み立ての語は文中の合図と、対の語は対で、評価の語は向きと一緒に覚えます。
次のレッスンでは、これらの語を使って論説文の構造を読み取る手順を一行ずつ使えるようにします。
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