語句を言い換えて説明しよう:意味の核をつかむ
このレッスンの役割
入試の記述で最も多い設問は、「──線部とはどういうことか、説明しなさい」です。このコースで学んできた文脈・つくり・対比・具体と抽象・ニュアンスの技能は、すべてこの設問に集まります。ここでは、言い換え記述の仕組みの核をつかみます。
今回の中心技能は、「どういうことか」の記述が「傍線部の語句を、本文中の別表現と対応させて、自分の言葉で言い換えること」だと分かり、答えの材料が本文にあると知ることです。目安時間は8分です。
今日の問い
彼は、言葉の重みを知っている人だった。約束したことは必ず守り、できないことは最初から口にしなかった。
「言葉の重み」とはどういうことか。本文には、直後に「約束したことは必ず守り、できないことは口にしない」とあります。これが「言葉の重み」の中身です。つまり「一度口にした言葉には責任が伴うということ」。答えの材料は本文にありました。
言い換え記述の仕組み
| 部分 | 何をするか |
|---|---|
| 傍線部 | 比喩・抽象語・慣用表現など、そのままでは分かりにくい語句 |
| 本文中の別表現 | 傍線部を説明・言い換え・具体化している箇所 |
| 自分の言葉 | 別表現を使い、傍線部の形に合わせて言い直したもの |
設問は「本文のどこが傍線部の説明になっているかを見つけ、それを使って言い直せ」と求めています。
本文中の別表現を見つける場所
| 場所 | 合図 |
|---|---|
| 直後 | つまり、すなわち、〜ということだ |
| 直前 | 「〜。こうした〜」「〜。これが〜」 |
| 具体例 | たとえば、〜など |
| 対比 | 〜ではなく、一方 |
| 同じ段落の言い直し | 同じ内容を別の語で繰り返している箇所 |
「言葉の重み」の別表現は、直後の二文(約束を守る、できないことは言わない)でした。
言い換えの形
| 傍線部の形 | 答えの形 |
|---|---|
| 名詞(〜の重み、〜という壁) | 〜ということ、〜であること |
| 動詞句(心がほどけた) | 〜すること、〜したということ |
| 「〜とはどういうことか」 | 〜ということ |
| 「〜とは何か」 | 〜(名詞)、〜のこと |
文末を設問に合わせます。「どういうことか」なら「〜ということ」です。
例題:核をつかむ
彼女の授業は、生徒の頭に火をつけるものだった。授業が終わっても、生徒たちは互いに議論を続け、翌日には自分で調べたことを持ち寄った。
「頭に火をつける」とはどういうことか。
別表現は直後の「議論を続け、自分で調べたことを持ち寄った」。これは「生徒が自分から考え、学び続けるようになる」こと。答え:「生徒が自分から考え、学び続けるようになるほど、知的な関心をかき立てるということ。」
よくある間違い
傍線部を自分の知識だけで説明する
「言葉の重み」を辞書的に「言葉の大切さ」とだけ書くと、本文の中身(約束を守る)が抜けます。本文の別表現を使います。
本文の別表現をそのまま写す
「約束したことは必ず守り、できないことは口にしなかったということ」では、具体例の丸写しです。共通点(言葉に責任が伴う)まで抽象化します。
文末を設問に合わせない
「どういうことか」に「〜から」で答えると、理由の答えになります。「〜ということ」で終えます。
自分で確かめよう
確認1:言い換え記述の三つの部分
傍線部、本文中の別表現、自分の言葉。
確認2:本文中の別表現を見つける合図を三つ
つまり(直後)、こうした(直前)、たとえば(具体例)。ほかに対比、同じ段落の言い直し。
確認3:「どういうことか」の答えの文末
「〜ということ」。
まとめと次の一歩
「どういうことか」の記述は、傍線部を本文中の別表現と対応させ、自分の言葉で言い直すことです。材料は本文にあり、合図で見つけ、文末を設問に合わせます。
次のレッスンでは、言い換え記述を作る手順を一行ずつ使えるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。