漢字や言葉のつくりから意味を考えよう:意味の核をつかむ
このレッスンの役割
前のセクションでは、文脈の合図から語の意味を決めました。しかし、合図がいつもあるとは限りません。説明のない語に出会ったとき、頼りになるのが言葉そのものの「つくり」です。ここでは、部首、熟語の組み立て、接頭語・接尾語の三つのつくりから意味に見当をつける方法を知ります。
今回の中心技能は、初めて見る語を三つのつくりに分解して、意味の見当を言えることです。目安時間は8分です。
今日の問い
「非効率的」という語を見たことがなくても、意味は言えますか。
「非(〜でない)」+「効率(むだなく成果を出すこと)」+「的(〜のような性質)」。つなぐと「むだなく成果を出す性質ではない」。つまり「むだが多い」です。知らない語でも、部品の意味をつなげば見当がつきます。
三つのつくり
| つくり | 見るもの | 例 | 見当 |
|---|---|---|---|
| ① 部首 | 漢字の部首が示す意味の仲間 | 憂鬱(りっしんべん・心) | 心の状態 |
| ② 熟語の組み立て | 二字の関係(似た意味・反対・修飾・動作と対象) | 読書(書を読む) | 本を読むこと |
| ③ 接頭語・接尾語 | 語の前後に付く部品 | 非効率的、無関心、合理性 | 打ち消し、性質 |
① 部首から意味の仲間へ
| 部首 | 意味の仲間 | 例 |
|---|---|---|
| りっしんべん(忄)・心 | 心の状態 | 憂、慌、懐、怠 |
| さんずい(氵) | 水に関わる | 潤、沈、濁、漂 |
| ごんべん(言) | 言葉に関わる | 諭、謝、詮、誇 |
| てへん(扌) | 手の動作 | 掲、拒、抑、携 |
| にんべん(亻) | 人の行為・状態 | 倣、偽、傍、催 |
「憂鬱」の意味を知らなくても、りっしんべんと「心」があるので「心の状態」で、「鬱」が「ふさぐ」と分かれば「心がふさいで晴れない」と見当がつきます。
② 熟語の組み立てから意味へ
| 組み立て | 例 | 読み下し |
|---|---|---|
| 似た意味を重ねる | 温暖、豊富、思考 | あたたかい+あたたかい |
| 反対の意味を重ねる | 善悪、増減、往復 | よい+わるい |
| 上が下を修飾する | 急病、高山、新聞 | 急な病 |
| 下が上の目的・対象 | 読書、登山、着席 | 書を読む |
| 上が主語、下が述語 | 日没、地震、年長 | 日が没する |
「逸脱」なら、「逸(それる)」+「脱(ぬける)」で似た意味を重ねた組み立て。「本筋からそれて外れること」と見当がつきます。
③ 接頭語・接尾語から意味へ
| 部品 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 不・無・非・未 | 打ち消し(〜でない、〜がない、まだ〜でない) | 不安、無関心、非常識、未完成 |
| 的 | 〜のような性質 | 合理的、具体的 |
| 性 | 〜という性質 | 可能性、多様性 |
| 化 | 〜になる | 多様化、国際化 |
| 感 | 〜という感じ | 安心感、責任感 |
| 超・最・再 | 程度・順序 | 超高速、最優先、再検討 |
「未」は「まだ〜でない」で、「未完成」は「まだ完成していない」。「不完全」の「完全でない」とは少し違います。
例題:三つのつくりで分解する
無批判的
「無(〜がない)」+「批判(よしあしを判断する)」+「的(性質)」→ 「よしあしを判断せずに受け入れる性質」。
潤沢
さんずい(水)+「潤(うるおう)」+「沢(さわ、豊か)」で似た意味を重ねる組み立て → 「豊かにある」。
よくある間違い
つくりで決めた意味をそのまま答えにする
つくりは見当をつける道具です。「逆説」を「逆の説明」と決めてしまうように、つくりだけでは外れることがあります。文脈で確かめます。
打ち消しの部品を見落とす
「非効率的」の「非」を見落とすと意味が反対になります。語の先頭の一字を見ます。
部首の意味を決めつける
さんずいでも「法」「決」のように水と関係が薄い字があります。部首は仲間の目安です。
自分で確かめよう
確認1:三つのつくりを言ってください
部首、熟語の組み立て、接頭語・接尾語。
確認2:「不可逆」を分解して意味を言ってください
不(〜でない)+可(できる)+逆(もどる)→ 元にもどすことができない。
確認3:「懐疑」の意味を部首と組み立てから
りっしんべん(心)+疑(うたがう)で、「心に疑いをいだくこと」。
まとめと次の一歩
文脈に説明がないとき、言葉のつくりで見当をつけます。部首は意味の仲間、熟語の組み立ては二字の関係、接頭語・接尾語は打ち消しや性質を示します。つくりで出した見当は、文脈で確かめます。
次のレッスンでは、つくりで見当をつけてから文脈で確定する手順を一行ずつ使えるようにします。
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