高校入試・語彙マスターチェック:意味の核をつかむ
このレッスンの役割
このセクションは、コース「語彙と語句の意味」の最終確認です。十四のセクションで、意味を決める手掛かり、語と語の関係、ニュアンス、慣用表現、記述を学んできました。ここでは、それらを一つの地図にまとめ、入試の問題を見たときに「どの技能を使うか」をすぐに決められるようにします。
今回の中心技能は、語彙問題を見て、問われている技能と使う手掛かりを言えることです。目安時間は8分です。
今日の問い
次の四問は、それぞれどの技能を問うていますか。
- 「──線部『顕著』の意味として適切なものを選べ」
- 「空欄に入る語を、主観・客観から選べ」
- 「──線部『手を焼く』の意味を答えよ」
- 「──線部とはどういうことか、四十字以内で説明せよ」
1は未知語の意味決定(文脈・つくり)、2は対義語と対比、3は慣用句、4は言い換え記述。形から技能が決まり、技能から手掛かりが決まります。
技能の地図
| 技能 | 問われ方 | 主な手掛かり | 学んだセクション |
|---|---|---|---|
| 未知語の意味決定 | 意味を選べ | 文脈の合図、語のつくり、辞書の番号 | 文脈、つくり、辞書 |
| 語と語の関係 | 空欄補充、同じ意味の語 | 対義語の軸、類義語の三軸、階層、多義語の核 | 対義語、類義語、上位語下位語、多義語 |
| 具体と抽象 | 例を挙げよ、まとめよ | 合図、共通点、段 | 具体と抽象、上位語下位語 |
| ニュアンスと表現 | 心情、効果、筆者の態度 | 差分、三要素、たとえの共通点 | ニュアンス、比喩擬態語 |
| 慣用表現 | 意味、正誤、空欄 | 四点(意味・由来・場面・例文) | 慣用句ことわざ四字熟語 |
| 論説文語彙 | 主張・根拠、評価 | 組み立ての語、対、評価の向き | 論説文の重要語彙 |
| 言い換え記述 | どういうことか | 部分に分ける、別表現、文末 | 語句を言い換えて説明 |
問題の形と技能の対応
| 問題の形 | 技能 | 最初に見るもの |
|---|---|---|
| 意味を選べ(本文に説明あり) | 未知語の意味決定 | 文脈の合図(つまり・たとえば) |
| 意味を選べ(本文に説明なし) | 未知語の意味決定 | 語のつくり(部首・組み立て・接頭語) |
| 空欄に入る語を選べ | 語と語の関係 | 対比の向き、類義語の軸、結びつき |
| 同じ意味で使われているもの | 多義語 | 物理的か比喩的か、結びつく語 |
| 例を抜き出せ/まとめて何というか | 具体と抽象 | 設問が求める段 |
| 気持ちを答えよ/効果を説明せよ | ニュアンスと表現 | 差分、たとえの共通点、前後の照合 |
| 慣用句の意味・正誤 | 慣用表現 | 本来の意味、場面 |
| 主張・根拠を答えよ | 論説文語彙 | なぜなら・つまり・しかし |
| どういうことか説明せよ | 言い換え記述 | 傍線部の部分、本文の別表現 |
例題:形から技能へ
「──線部『淡々と』から読み取れる父の態度を答えよ」
形は「態度を答えよ」なので、ニュアンスの技能。差分「淡々と」は「感情を抑えて冷静に」。前後と照合して答えます。
「『能』『歌舞伎』『落語』をまとめて何というか、本文から四字で抜き出せ」
形は「まとめて何というか」なので、具体と抽象(階層)の技能。隣の上位語を、四字という指定で探します。
よくある間違い
問題の形を見ずに、本文を全部読み直す
形から技能と手掛かりが決まれば、見る場所は限られます。傍線部の前後三文で足りることがほとんどです。
一つの技能しか使わない
空欄補充は、対比の向き(対義語)と類義語の軸の両方を使うことがあります。手掛かりが一つで決まらなければ、別の技能を足します。
記述を語彙問題と別のものだと思う
言い換え記述は、語彙の技能の集大成です。文脈・つくり・対比・抽象化が全部使われます。
自分で確かめよう
確認1:「空欄に主観・客観のどちらが入るか」はどの技能で、何を見ますか
語と語の関係(対義語)。対比の向き(〜ではなく の前後)を見ます。
確認2:「『手を焼く』の意味を答えよ」はどの技能ですか
慣用表現。本来の意味(扱いに困る)を四点で覚えているかが問われます。
確認3:本文に説明のない語の意味を問われたとき、何を使いますか
語のつくり(部首、熟語の組み立て、接頭語・接尾語)。
まとめと次の一歩
入試の語彙問題は、七つの技能のどれかを問います。問題の形から技能が決まり、技能から手掛かりと見る場所が決まります。
次のレッスンでは、入試本番で語彙問題を解く手順を一行ずつ使えるようにします。
クイズと理解チェックは、アプリで挑戦できます。